ユニクロ着用率、ただいま急増中
1月16日の日経MJの1面に、同紙が20歳以上の男女約1000人を対象に行った、ユニクロでの購買、着用状況に関するインターネット調査の結果が掲載されており、大変興味深く読ませていただきました。
いろんな結果が掲載されているのですが、気になるところをご紹介します。
1.この1年間でユニクロでの買い物金額が増えたという全体の2割の人がその分買うのを減らした店は?(上位3位)
百貨店約45%
ファッションビル系衣料品店40%
セレクトショップ33%
2.この秋冬シーズン外出するときにユニクロの服をどこまで着ている?
アウター(ダウン・コート) 女性21%、男性33%
アウター(ジャケット) 女性17%、男性25%
シャツ・セーター 女性62%、男性61%
ボトムス 女性40%、男性36%
肌着(下着・ソックス) 女性52%、男性53%
以前もブログで触れましたが、雑誌のストリートスナップ特集やネットのスナップサイトに出てくるおしゃれな子を見ていても、ユニクロを取り入れている人が増えていますね。特に、
①デニムやカラーパンツなどのボトムス
②襟もとだけチョイ見せのシャツ・カットソー
③無地のタートルやVのニット
が多く、アウター系はあまり見かけないのは、上記の調査の数字とも合致するところがありますよね。
これについて、ストリートスナップサイトBRIGITの宮本さんが書いたコラムもご参考まで
業界は、この現実を直視する必要がありますね。
ところで、先日、業界の方々と、ある大手企業がこれから立ち上げる新ブランドのポジショニングマップを見ながらざっくばらんに話をしていました。
この新ブランドは業界の定石通り、縦軸に価格(高⇔低)、横軸にテイスト(カジュアル⇔エレガンス)のマトリクスをつくり、同ブランドと競合ブランドの位置づけの違いを説明していたのですが、それを眺めていて、この従来型のポジショニングマップの作り方が何かナンセンスに見えて来ました。
あくまでも業界目線のマップ!しかもマップの中にユニクロが入ってない!
これだけ生活者のタンス、クローゼットの中のユニクロの構成比が高まっているのに・・・
生活者の現実を直視しているなら、これからのブランドポジショニングマップには、生活者目線で、縦軸の価格はいいにしても、横軸に着用シーンを取り、ユニクロ、ファストファッション、古着さえも入れて考えなければならないのではないかと。
もしかしたら、むしろ、これだけ影響力を強めたユニクロを中心に置き、生活者のライフシーンにおける、ユニクロとの違い、共存を明確にした方が分かりやすいのではないかと思えてなりません。
ちょっと長くなりますが、12年前、私がIFIビジネススクールの生徒として、太田伸之さんの講義を受けていた時に印象的だった話のひとつを思い出します。
当時、アメリカの著名ファッション誌(VOGUEだったかな?)に定期的に掲載されていた、その時、その時のファッション好きなニューヨーカーのライフスタイルを象徴的に描いた挿絵がありました。一人暮らしの彼だったか彼女だったかの部屋には、誰もが欲しがるラグジュアリーブランド、ハイエンドブランドが並ぶ。その人物がGAPのTシャツを着て過ごしていたその絵を見て、太田さんは、
『これは衝撃的な事実だ。そんな時代にブランドのあり方、ものづくりの本質をしっかり考え、学んで欲しい!』
と力説をしていらっしゃいました。
十数年経った今、日本のファッションマーケットはその時のアメリカと同じことに直面しているようです。あるいは、今のユニクロは、あの時のアメリカにおけるGAPよりも手ごわいかもしれません。
いつもお読み頂きありがとうございます。
毎日1回、クリックで応援お願いします。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
>>>人気blogランキング に参加しています。
【第6位】→stay (09.1.16現在)
関連エントリー-アナタはユニクロが嫌いですか?
関連エントリー-自己実現の欲求時代のファッションビジネス
| Permalink | 0
Comments
初めましてこんにちは。
田舎のユ☆ク☆の販売員その1です。客観的にいろんなことを感じることができて、下っ端なりに色々勉強になります。
また、お邪魔します。
Posted by: みこみこ | January 21, 2009 01:09 PM
みこみこさん
コメントありがとうございました。
お客様が素敵な商品に出会えるように、店頭でご活躍されること応援しています。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by: taka | January 22, 2009 11:10 PM
ご返信ありがとうございます。
私は幼稚園教諭からの転職だったので、学ぶ組織教える組織などの記事に大変共感し、OJT担当としても大変勉強になるとともに、勇気を頂いております。
ESとCSは別々なものではなく、どちらも成り立ってこそ、どちらも向上すると考えています。
そしてそれには組織、環境の力が大きいと思います。個人の力を引き出すことができれば、ひとつの大きな力になって、それがまた、個人のやる気や夢になって、全体の夢実現につながるんだろうなって思います。
だから私は、トレーナーを育てるトレーナーでありたいと思っています。
自分がトレーニングしたスタッフが、【トレーナーを任せる】という段階に達したときに、それをうれしい気持ちで受けてくれるときの、緊張と喜びの顔を見るのが、一番の励みになります。
そして、トレーナーっぷりをFBしながら、実は自分も育ててもらっていることを実感します。
誰かが何かのトレーナーになったとき、まわりのみんなも一目置いて、それがいい目標や、いい競争になることが、全体感となっている、そんな、今の職場が大好きです。
全く別な世界への転職でしたが、前職で9年経験したことが、今こうしていかすことができる環境に感謝しながら、
お店全体のイキイキした空気感を接客につなげていけたらうれしいなって思います。
昨年、自分の目標を見失い、何かをみつけたい思ったときに、こちらに ふわっとたどり着きました
これからも お邪魔しまくりたいと思っています。どうぞよろしくお願い致します。
長くなってごめんなさい。下っ端販売員のひとりごとをおゆるしください。
あの…実はこちらで学んだことを、時々、朝礼やMTで使わせて頂いてます。
だ、だいじょうぶでしょうか?
Posted by: みこみこ | January 25, 2009 08:34 PM
みこみこさん
ブログの内容が現場で活用できたとのこと、とてもうれしい限りです。
これからも教えることで成長しつづける現場、文化を是非、是非、支えていってください。みこみこさんのような方々が多くのファッションビジネスの現場で活躍されることはとても楽しみです。
応援しています。
またいつでもお寄りください!
Posted by: taka | January 26, 2009 12:21 AM