住友商事ネットスーパー事業参入の先見性
1月1日の日経新聞に、大手商社の住友商事がネットスーパー事業に参入することに関する記事が掲載されていました。
同社は、二百数十億円を投じて子会社の中堅スーパー「サミット」と共同で専用の配送センターや食品加工を設置。顧客が午前中にインターネット経由で生鮮食品、日用品を注文すると最短2-3時間、午後には自宅に商品が届くというもの。代金は、クレジットカードまたは銀行引き落とし。配送費は300円程度となる見込み。2009年10月から販売をスタートする予定とのこと。
イオンやイトーヨーカ堂などの大手スーパーが店舗から配送するタイプのネットスーパーは増えて来ましたが、無店舗型のネットスーパー専業は大手では初めての試みとのことです。
同社は、2019年までに、同インフラを利用して、自社以外にも中小規模のスーパー3-4社の配送も請負い、全国36ヵ所の配送センターを設置、会員数50万―60万世帯、年商1100億円を目指すとのこと。
実は、このニュース、1月1日に自宅に届けられた4つの新聞(日経、日経MJ、繊研、日本繊維)の全記事のうちで、私の中で、もっとも「スパーク」した記事でした。
三菱商事とイオンの資本提携、業務提携が年末に話題になったように、三井物産とセブン&アイ連合、伊藤忠とユニー連合、丸紅とダイエー連合など、大手商社が、既存の流通(GMS)と組んで川下流通の陣取り合戦に躍起になっている最中、既存流通(過去)と組むのではなく、無店舗型ネットスーパー(未来)にフォーカスし、投資を行うこの住友商事の一手が、他社よりも一歩も二歩も進んでいると思うのは私だけでしょうか?
当然、「サミット」というスーパーマーケットを運営し、世界最大の通販グループ、独オットーと組んだ「住商オットー」(長年の提携も、現在は、株式売却し、契約解消済み)およびエディーバウアーでの学び、実績、TV通販最大手「ジュピターショップチャンネル」の運営など、先見の明を持って早くからリテイルマーケットで実践を重ねて来た同社だからできる発想、決断、投資なのでしょう。
ちなみに百貨店やスーパー(GMS)の市場規模が年々縮小する中で、食品宅配事業は2010年には07年の7950億円から1兆1250億円に拡大する見込みらしいです(日経記事より;矢野経済研究所調べ)。
個人的な話になりますが、年の瀬にうっかり買い忘れたものがいくつかあって(すべて日用品)、それぞれ別のネット通販を行う3つの会社に注文を出しました。12月30日、31日にもなっていたので、どうせ到着は年明け5日過ぎか、と覚悟していましたが、いずれも年末年始全く関係なく、注文の翌日、または翌々日に商品が届けられたので、びっくりした経験をしました。
また、それとは別に、知人から本を勧められたり、新聞広告や電車の中吊広告で興味を持った本があれば、即座にケイタイからアマゾンに注文するのが当たり前になっていますし、書店の店頭でおもしろそうな本を見つけても、ハードカバーは持ち帰るのも重いですから、直後にその場でアマゾンに注文してしまうなってことも多くなりました。
そんなネット通販各社の努力は、今後も生活者に買い物に行く面倒、手間を大いに省き、あるいは、買い物に行っても手ぶらで帰ってこれることを実現することでしょう。
店舗を増やす感覚で、ただ売上増を期待してネットビジネスに参入するのではなく、生活者の購買行動の半歩先回りした一手こそ今の時代に求められるビジネスセンスだと思います。
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