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January 21, 2009

パタンナーのいないSPA(製造小売業)の課題

 1月19日の繊研新聞に、あるレディースパンツ専門店が、全国10-60代の女性を対象に行った、ネットでのパンツ購入体験に関する調査結果が掲載されていました。

 対象者のうちネットでパンツを購入したことのある52%の女性のうち、実に78%がサイズで失敗したという回答をしているとのこと。

 その理由としては、

・店ごとに表記が異なるから・・・70%

・自分のサイズがわからない
 自分にぴったりのサイズがわからない・・・45%
 自分にぴったりのサイズをみつけることができない・・・50%

 だったそうです。

 ブランドによってサイズが違う、同じブランドだって、商品、シーズンによってサイズ感が違うということもざらにあるのが業界の現実です。

 先日あるSPA(製造小売業)企業の方とお話をしていた時のこと。

 この企業は、これまで、複数の外注メーカーに製造委託をして、自社は情報分析と販売に特化することによって成功してきた企業です。

 最近、マーケット同質化対策として、社内にデザイナーとパタンナーを入れたところ、パタンナーから、この会社には「マスターがない」、と指摘されたとのこと。

 つまり、複数の仕入れ先に生産を委託するのは構わないのですが、デザインや仕様書は提出するにしても、パターン(型紙)は仕入れ先それぞれにおまかせで、統一感がなかったということに気付かされたという話です。結果、店頭に並ぶ商品のサイズ感が商品によって変わる可能性もあるだろうな、という話。

 この企業は、カジュアル系の会社なので、さほど、大きな問題にはなっていなかったようですが・・・これまで自社企画機能をそれほど重視してこなかった小売出身SPAにとっては、知らず知らずのうちに顧客がサイズに不満を抱えているというこの課題に将来的には、手をつけてゆく必要があるかもしれません。

 昔、商社や欧州ブランドのジャパン社でアパレル生産の担当をしていたころ、私がどんな方々に一番仕事を教えていただいたかな、と思い返すと、真っ先に思い浮かぶのがパタンナーの方々。デザイナーやMDから無理難題を言われ、悩んだ時は、必ず彼ら彼女らのアトリエに足を運んで相談に乗ってもらったもの。

 パタンナーは、アパレル生産の裏方で活躍されている、私がもっともリスペクトしている職種のひとつです。
 
 最近は、生産現場から久しく離れている私ですが、そうそう、彼ら彼女らは、ブランドを立ち上げる時、まずブランドの基本となるシルエット、サイズ感を決めるマスターパターンを引くことをもっとも大切にしていたなぁ、と懐かしく、そしてあらためてその必要性が思い出されます。
 
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