最後の一点(ラスいち)を売り切る力
2月11日、今朝のフジテレビ「とくダネ!」というニュースバラエティー番組の中で、東京の中心地に出現し始めたアウトレットが特集され、そのひとつ、五反田にあるABCマートのアウトレット店が紹介されていました。
この店は、ABCマート全社の前シーズンの売れ残り品以外に、各店で残りあとわずかの在庫となった、いわゆる「バラ残」、「ラスいち」商品を集約してディスカウントして販売、売り切る役目も担っています。
アパレル、シューズなど、カラー・サイズ展開のあるファッション商品は、それまで売れ筋とされた商品でも各店で残り在庫数が少なくなり、色が欠けたり、中心サイズがなくなると途端に売れなくなり、死に筋と化すものです。すると店舗も商品部も新しい売れ筋の方に目が向き、それらの商品には目が行き届かなくなり、放置状態になるのはどこの会社にもある話ではないでしょうか。
お客さんも、一応は、陳列されているものだから、気に入ってサイズの有無を問い合わせても、店舗スタッフからそっけない対応をされ、ガッカリして帰るなんて経験、多くの方がお持ちではないでしょうか。
しかしABCマートのように、こうして全店舗からラスイチやバラを集めるとまたサイズが揃い、売れるようになるというのも事実。大幅に値下げされていればなおさらです。
その昔、私がアパレルチェーンに転職した時の最初の仕事は服飾雑貨と靴のバイヤーでしたが、仕入れと同時に売り切りも大事な仕事でした。
特に前任者が全店舗に残した多くのバラ在庫を売り切って新しい商品を仕入れる枠を確保しなければならない逆境からのスタートだったので、この意味するところ、大切さは身に染みて感じています。旬なうちに集めれば、値下げしなくたってきれいに売れてゆく手ごたえを得ると、逆に楽しくなったりしたものです。
そんな体験を活かして、その後、在庫をコントロールする部署を立ち上げ、その運営を任されるわけですが、初回投入、店間移動(再配分)といった前向きな商品コントロール業務の精度向上と同時に、各店の店長さんや情報システム課のスタッフを巻き込みながら、いかに最終消化率を上げるかに取り組んだものです。それはシステムを用いたロジカルなものから、店頭でのディスプレイ手法や接客テクニックも含めたアナログ的なものまで・・・
その行き着くところは、いかに最後の一点(ラスいち)を売り切り、品番を管理すべき帳票(リスト)から消して行くか?ということになるわけです。(=そうすればその商品は消化率100%!)
それって、ある意味、「執念」だったかもしれません。だって、それくらいの気持ちじゃないとそういう商品は、なかなか無くならないですからね(笑)
デッドストック(在庫)を減らしたい、消化率を上げたいと願う気持ちは業界の誰もが持っているはず。
そして、ABCマートや下記の過去の関連エントリーでご紹介しているアースミュージック&エコロジーを展開するクロスカンパニーのように、会社ぐるみで、行動を起こし、最後の一点(ラスいち)を売り切る力、社風こそ、ある意味、ファッション企業の底力のバロメーターのひとつではないかと改めて思ったものです。
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