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April 29, 2009

小売等役務商標、ジュンが最多出願

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 4月26日の日経MJ、繊研新聞に、2007年4月からスタートした、小売業が使用するショップ名や提供するサービス名を商標として保護する制度=小売等役務商標制度の運用状況について特許庁が発表したレポートに関する記事が掲載されていました。

 この制度の趣旨を理解して、2007年4月~08年9月までの1年半に、もっとも数多く出願した企業は、アパレル大手のジュン(426件)、次にファイブフォックス(199件)、丸井グループ(161件)と続き、上位40社のうち、ファッション流通に関連する企業が23社入っていますね。

 特許庁の08年度商標出願動向調査

 この制度が、どういう意味があるのかは、制度スタート当時に書いた以下のブログエントリーをお読みいただければおわかりいただけるかと思います。

 小売等役務商標制度スタート

 もちろん、たくさん出願すればよいというものではありませんが・・・

 ファッションブランドメーカー企業に限らず、SPA(製造小売業)、セレクトショップ、一般専門店の企業の方も、ご自身が、自分たちのショップ名に愛着を持ち、「ブランディングを行っている」と認識されている方々は、これまで築きあげたショップの信頼、ファンになって下さった顧客の方々のためにも、そのショップ名やサービス名を守るために、最低限済ませておかなければならない手続きだと思います。

 私は、たまたま、商社でブランドラインセンス業務にも携わる機会があったので、いろいろ勉強をさせていただきましたが、ファッション業界において、企業の最大の資産のひとつは、商標=ブランドであり、ブランディングの第一歩は商標登録から始まると思っています。

 以前、数年間愛着を持って続けてきた自社ブランドが、ようやく軌道に乗ったと思った矢先、実は第三者(善意だろうが悪意だろうが)に商標登録されているものであることを知って、青ざめ、愕然とした経営者の姿も見てきましたんで・・・

 まずは、自社のブランド、しっかり守りましょう。
 
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April 28, 2009

アバクロが銀座にオープンするアジア1号旗艦店の開業日は12月15日

 先週のプレスリリースを受けて、先週から今週にかけての繊研新聞、日本繊維新聞などに米アバクロンビー&フィッチが今年末、12月15日オープンする日本1号店となる銀座グローバル旗艦店に関する記事が掲載されていました。

 ネット上で一番分かりやすいニュースはこちらから

 銀座経済新聞:米カジュアルブランド「アバクロ」、銀座にアジア初の旗艦店-12月開業へ

 待望のアバクロ日本上陸の立地と日程が、銀座中央通りZARAやH&Mの向かい、フェラガモの隣に、12月15日オープン、と発表されたわけですが、内容を読んでみると

 トータル11階で売場面積約295坪=1層あたり平均約27坪の旗艦店・・・

 ちなみに同社のアニュアルレポートによると、全米に345店舗あるアバクロの1店舗あたり平均売場面積は、おおむね1-2階建てで計247坪ですので、既存店より2割ほど広い売場面積にはなりますが、アバクロの品揃えをどのように11に分ける?ことになるのでしょうか?

 確かに、「旗艦店の中で最高の高さを誇る」かもしれませんが、このタテに細長い売場を、バッグやアクセサリーのラグジュアリーブランドグループの旗艦店ならまだしも、ひとつのアパレルブランドがどんな表現ができるのでしょうかね。

 いずれにしても、その面積と階層を聞く限り、お客さんが回遊するのにとても疲れるお店になりそうですし、アバクロ最高の持ち味である店舗演出のすばらしさが十分に発揮できないのではないかと心配になります。

 それもそうですが、
 
 客単価$81.59 セット率(一人当たり買上点数) 2.37 一品あたり平均単価 $34.43

 のアメリカの大学生をメインターゲットにするカジュアルラグジュアリーブランドをどのように日本市場でポジショニングしてゆくのか・・・とても興味があります。

 売上規模は、グローバルSPAの中でもベスト10に入る米アバクロの進出。是非、日本のファッション業界にも革新的なインパクトを与えていただきたいのですが、今後、発表されるであろう価格帯、品揃えなどに注目です。

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関連エントリー-アバクロ日本進出は2009年後半
関連エントリー-あの店の香り覚えてますか?


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April 27, 2009

先週の記事別アクセスランキング

 先週のブログの中でアクセスが多かったエントリー(投稿記事)をランキング形式でご紹介します。この1週間、業界で注目されていた話題がわかるかも?

 4月20日締め、しまむら、西松屋チェーンといった「客数コントロール経営」を行っているファッション流通企業の4月度既存店売上前年対比増収が発表されましたが、これは業界の回復を予兆する明るい話題ですね。

 さて、以下、先週のランキングになります。 
       
【ランキング】

1位-神宮前交差点界隈がすでに熱い!(09.04.22)

2位-ギャップジャパンの低価格業態、ザ・ギャップUSA(09.04.24)

3位-ツープライススーツのザ・スーツ・カンパニーが期間限定アウトレット店を開設(09.04.21)

4位-「ファストファッション」は今年の流行語大賞候補になるか?(09.04.25)

5位-ユニクロxジルサンダーで進むか?「ファッションの民主化」(09.03.28)

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April 25, 2009

「ファストファッション」は今年の流行語大賞候補になるか?

 米フォーエバー21の原宿1号店のオープン4月29日が目前となっていますが・・・業界の方々が騒ぐのはわかりますが、一般生活者向けマスメディアがものすごく動いているのにびっくりします。

 アメリカで年商1600億円くらいの企業が日本上陸するのに、グローバルに年商1兆円を売り上げるH&Mの進出の時より、メディアが動いている感じがしてしかたがありません。

 もっとも、昨年秋のH&M日本上陸が引き金を弾いたファストファッションブームの、欧米のプレーヤー(H&M、ZARA、TOPSHOP、FOREVER21・・・PRIMARKは来ないと思いますが。)が出揃うということがエポックメイキングな話なのだと思いますが、一様にフォーエバー21とファストファッションについて感心を持つメディアからの問い合わせがここのところ絶えないのが実情です。

 これは、H&Mの時もそうですが、やはりそれぞれの「アタッシュ・ド・ブレス」さんの力量なんでしょうね。

 電通、博報堂のようにお金をかけなくても、効果的なツボの押し方を知っておられる彼女ら、彼らのノウハウには脱帽せざるを得ません。

 やっぱりフォーエバー21オープン当日の行列は1000人(WWD4月20日号参照)どころじゃありませんよね~。

 ということで、昨日は、フジテレビさんの「サキヨミ」の取材を受けました。

 ディレクターの方がとても明るく、ざっくばらんな方で、私もどう業界外の方に説明すればよいか、頭を整理しながら楽しい時間を過ごせました。

 26日日曜日の夜10時から始まる「サキヨミ」の中で、10時半くらいにウェンツ瑛士くんが「ファストファッション」を紹介してくれるようです。

 長いインタビューの中で、どの部分が採用されるかわかりませんが、

○ファストファッションの定義

○それによって変わる消費者購買行動=「チープシック」が再びキーワードに

○ファストファッションを消費した後の消費者行動(出口)

について気をつけて視聴していただければ面白いと思います。

 フジテレビの方が盛んに、「ファストファッション」が今年の流行語大賞になるのでは?とおっしゃっていましたが・・・果たしてどうでしょう。 

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April 24, 2009

ギャップジャパンの低価格業態、ザ・ギャップUSA

 4月24日の繊研新聞に、米GAPの日本法人、ギャップジャパンが日本の郊外型SCのために開発した低価格新業態である”the gap USA(ザ・ギャップUSA)”のイオンモール秋田にオープンした1号店に関する記事が掲載されていました。

 ギャップジャパンは、日本で構築したアメリカよりもブランドイメージの高い和製GAPのイメージを崩さないように、なおかつ、郊外大型SC販路を開拓するために、同低価格業態を開発した模様。

○日本のGAPよりベーシック商品が多く、

○GAPの7割くらいの価格、ユニクロよりちょっと高め
 ジーンズ4900円
 Tシャツ1200-1900円
 など

 地方紙のサイトに店舗の画像があります(売場面積215坪)。

 河北新報ニュースサイト

 新業態は、繊研新聞の記事にあるように、ユニクロを意識した業態。同じイオンモール秋田には改装にあたり、ユニクロも増床して出店しており、the gap USAより一回り大きい売場面積となっているようです。

 実際、見て比べてみないとわかりませんが、今、進化を遂げているユニクロと、あえて退化?させたGAPでは、後者に勝ち目はないのではないかと思わざるを得ません。

 GAPは、日本進出にあたり、初期から百貨店に出店するなど、アメリカに比べて、大衆向けではなく、舶来のあこがれブランドのポジショニングを上手に構築したことは称賛に値すべきだと思います。

 サザビーと組んで日本進出したスターバックスコーヒーも、アメリカでは「コーヒーのマクドナルド」であるにも関わらず、日本では、とてもいいポジショニングをされていますよね。

 日本はそうやって攻めるマーケットだ。・・・両社とも水先案内人はそうリードしたのでしょう。進出当時はそれで正解だったと思いますが・・・

 一方、最初からストレートをど真ん中に投げ込んできた、すなわち、市場価格に合わせて日本進出を果たしたH&Mや同フォーエバー21もまた、今の日本のマーケットの成熟度、時代をしっかり読んでいると思います。

 そんな観点から、今、ギャップジャパンが、日本向けにかような低価格業態を開発するのは議論を呼ぶところでしょう。(オールドネイビーなら別ですが)

 日本のGAPの価格は高い、どうせすぐ値下げになるから、それを待って買えばいい、と言っている業界の人はかなりおります。私もそのひとり。

 であれば、最初から適正プライス(値下げ後価格)で売りぬくビジネスの方向転換ができないものか、できれば、郊外大型SCにもそのまま出店ができると思うのですが・・・だって、安くてもおしゃれなのは当たり前の時代ですからね。

 GAPは腐ってもGAP、我々がアメリカであこがれたブランドは、やはり常にユニクロの先を行っていて欲しいですから・・・

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April 22, 2009

神宮前交差点界隈がすでに熱い!

 年間最大商戦のひとつ、ゴールデンウィークを前に、ファッション企業各社が念入りに準備をされていることと思いますが、やはり、今年のGW最大の目玉は原宿神宮前交差点を中心に繰り広げられるファストファッション世界大戦でしょう。

○4月24日(金)のローリーズファーム、ジーナシスでおなじみのポイントのブランド複合大型旗艦店=コレクトポイント
○4月29日(祝)の米フォーエバー21原宿店(H&M原宿店隣)

 の2つの業界が注目する大型店のオープンもあり、既存のH&M、ZARA、GAP、TOPSHOP、UT・・・ゴールデンウィークのこの界隈への集客は過去最高になるのではないかとも目されています。

 今日は、午後に少し時間があったので、夏のように暑い最中、汗かきながら、この界隈を歩いてみましたが・・・

 神宮前交差点からもはっきり見える、”FOREVER21”の巨大袖看板には、びっくり。彼らの商魂たくましさを感じました。この界隈を最も高いところから見下ろすH&Mのロゴサインと、このフォーエバー21の袖看板。どっちがインパクトあるでしょうかね。

 一方、交差点を中心に明治通り沿い、対角線の反対あたりに位置するポイントのコレクトポイントでも、ちょうど、招待客限定のお披露目イベントを華々しくやっておられ、店頭にかなりの人だかりが・・・。

 もちろん、GAPおよびラルフローレン前のストリートスナップ撮影はたけなわ、また、全然関係ないかもしれませんが、フォーエバー21の通り挟んで向かい側、ユーズドミックス業態のハンジローなどが入居しているYMビルの一階正面では、あの鼠先輩がボーカルを務めるロックバンドのゲリラライブイベントが開催され、大音量に通行人の注目を集めるなどなど・・・

 平日のわりには、いつも以上の人出、さながらゴールデンウィークに突入したかの賑わいを感じました。

 さて、これらの集客効果に乗じて、ゴールデンウィーク、しっかり売上を取る、真の勝ち組企業は、どの企業でしょうか。

 WWDさんから、フォーエバー21オープン前に何人くらいの行列ができるかなんて、お遊びのインタビューを受けましたが(4月20日1524号に掲載)、どこの店に何人の行列ができかたより、このゴールデンウィーク中、この界隈に、どこのショッピングバッグを持っている人が一番多かったかに注目したいと思います。

 ところで、今週4月24日(金)に新宿の小田急ハルク向かい、カメラのさくらや跡に、新宿西口店(メガストア)をオープンする、ユニクロ。今日、店頭チラシ手配りをしている、このお店の前も通りましたが、これまた、ものすごい売上たたきそうで恐ろしいです~

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関連エントリー-ポイントが今春原宿に最大店をオープン

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April 21, 2009

ツープライススーツのザ・スーツ・カンパニーが期間限定アウトレット店を開設

 4月20日の日経MJに、紳士服の青山商事が展開するツープライススーツ業態、ザ・スーツ・カンパニー(TSC)が、この度、期間限定で開設する初めてのアウトレット店に関する記事が掲載されていました。

 記事によると、同社は、既存のお台場パレットタウン店をアウトレット店として改装し、4月25日から7月20日の間、通常既存店で19950円、29400円のツープライスで販売しているスーツの旧モデルを実験的に3~5割引で販売するというものです。

 ツープライススーツ業態は、もともと、プロパー(当初価格)とセール価格の差の激しい百貨店や専門店で販売されているスーツへの生活者の価格不信を解消すべく、同価格構造への挑戦状として、セールを行わず、常時安い2つの価格帯で販売することをコンセプトに始まりましたが、青山商事のTSCも、これまでは社販のみでしか値引きを行っていなかったとのこと。

 品質がそこそこ良いヨーロッパ服地を、中国縫製で実現したツープライススーツ業態のエブリデーロープライスは、一時過剰出店により撤退組も出ましたが、着実にビジネスマンの選択肢のひとつとなりましたね。

・当初の常時安い価格だからセールは不要というコンセプト

・スーツという比較的販売期間(賞味期限)の長い商品特性

・サイズ別展開というサイズ欠けしても消化しやすい売り場構成

という観点から、アウトレットは不要のようにも思われますが、とは言え、店舗数拡大、販売点数増加により、ファッションストアとしての各店の店頭鮮度への配慮も必要になったのでしょう。

 今回は実験店ということで、比較的結果の求めやすい、流動客数の多い立地を選ばれたようですが、同時に、値引き販売がブランドイメージの低下につながらないかもウォッチしてゆくとのこと。

 であれば、正式に出店される場合は五反田、御徒町、馬喰町あたりがよいのではないかなと思いましたが・・・サラリーマンのまとめ買いに期待できそうですからね。

【追記】2010年3月6日に上野御徒町にオープンしたスーツカンパニーのアウトレットに関する記事はこちら>>>

 青山商事のザ・スーツカンパニーが都心に常設アウトレット店舗を開業

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April 20, 2009

先週の記事別アクセスランキング

 先週のブログの中でアクセスが多かったエントリー(投稿記事)をランキング形式でご紹介します。この1週間、業界で注目されていた話題がわかるかも?

 夏のような気候が続き、定額給付金効果もあって4月売上好調の声も多く聞かれるようになりました。

 イトーヨーカ堂など量販店で始まった下取りセールも、最近では、呼び名はいろいろですが、紳士服を中心に百貨店、ジーンズストアなどにも広がっているようですね。

 新商品による、マーケットの刺激ではないかもしれませんが、そんなマインドを刺激する需要創出も「あり」なんでしょう。
  
 さて、以下、先週のランキングになります。 
       
【ランキング】

1位-消費のキーワードは「3掛け」、「3得(とく)」?(09.04.12)

2位-ルミネが渋谷にメンズ館を開業(09.04.14)

3位-しまむら復活のカギは「シマラー」育成?(09.04.03)

4位-ジーンズメイトがナショナルブランドジーンズの1990円アウトレットコーナーを常設(09.04.16)

5位-カリスマ経営者と後継者育成(09.04.08)

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April 19, 2009

ZARA(ザラ)xハローキティー

 4月18日の日経新聞に、サンリオがスペインインディテックス社とハローキティのライセンス契約を結び、今月から日本を含む世界1200店舗のZARA(ザラ)の店頭でライセンス商品を販売することに関する記事が掲載されていました。

 ライセンス商品は、子供服から雑貨まで150品目。特に、雑貨では、20代の女性を取り込めるような商品も含まれているとのこと。

 サンリオは、日本国内市場でのライセンス商品販売も頭打ちになってきたと見て、今年、ライセンス業務の専門会社を設立、海外では、早速、化粧品のMACなどとも提携しましたが、世界で68カ国に出店しているザラとのコラボは、世界戦略に弾みがつきそうです。

 ハローキティーのライセンス商品については、数年前、キッズ向け商品でH&Mの方が先行しましたが、最近では、LAセレブ御用達ブランドやヨーロッパで20-30代に大人気とのことで、そこに目を付けたザラがキッズ以外の客層に向けて、どんなこなしの商品を販売するかとても興味深いです。

 ザラはこれまで、広告宣伝費を使わず、著名デザイナー、セレブとのコラボも行わず、自前主義、坦々と自らのペースでビジネスを行って来ましたが、今年は、アメリカの音楽番組、MTVに続いてハローキティとのライセンス商品の発売とちょっと路線を変えてきたようですね。

 ザラは、日本において、H&Mのようにいきなりメディアを動かしての派手な演出をすることはなく、進出から10年かけて着実にファッション中級者以上の顧客の買いまわり先のひとつとしてポジショニングを行って来ました。

 このあたり、H&MとZARAに来店されている客層を見ているとその違いがハッキリ出ていると思います。

 そんなザラにとって、今回のハローキティーとの提携は、新たな顧客に間口を広げる意味で期待ができそうです。

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April 16, 2009

ジーンズメイトがナショナルブランドジーンズの1990円アウトレットコーナーを常設

 4月15日の日経新聞に、東証一部上場ジーンズカジュアルチェーンのジーンズメイトが、ナショナルブランド(NB)ジーンズのモデルチェンジ品、廃番品をメーカーから継続的に買い取り、常時1990円均一のアウトレットコーナーを設置することに関する記事が掲載されていました。

 同社では、4月23日から拡販スタートし(一部店舗で試験販売済み)、その商品群だけで、年間50万本の販売を目指すとのことです。

 リーバイス、エドウィンなどのNBジーンズを主力商品とするジーンズカジュアルチェーンは、ユニクロジーンズの品質向上、拡販により、厳しい業績が続いていますが、ジーユーの990円ジーンズは、それに追い打ちをかけるように、量販店、ジーンズカジュアルチェーンに更なるショックを与えたことは間違いありません。

 従来、NBジーンズの業界取引慣習は、リーバイスを除き、原則「入れ替え」の名の下の「委託販売」が主流であり、モデルチェンジ、廃番となる店頭商品在庫は、実質メーカーのリスク。ジーンズは、サイズの多い商品群なので、入れ替え対象在庫も相当の量になっています。

 これらの商品は、これまで、郊外のアウトレット店で販売するか、ジーンズカジュアルチェーンのセール目玉品、いわゆる「セカンドジーンズ」として、協賛品的に供給され、3900円程度で販売されるか、メーカーにより廃棄されていたのが実情でした。

 それをジーンズカジュアルチェーンの代表格であり、関東および大阪圏に集中多店舗出店していて、一部24時間営業も行うカジュアルウエアのコンビニ的存在である同社が、常時1990円(記事によると、元上代3900円クラスのものが中心の模様)で販売するとなると、ジーンズマーケットの価格の常識に一定の影響を与えることになるのではないでしょうか。

 同社のこの政策により、都心部では、

 990円、1490円のジーユージーンズ
 1000円台のGMSのオリジナルジーンズ
 1990円の有名ブランドジーンズアウトレット品
 3990円のユニクロジーンズ
 5000円以上のNBジーンズ
 
 と生活者の選択の幅が広まりそうです。

 さて、これにより、現代の各流通業界の勝ち組企業のキーワード、ハイ&ロー価格政策が奏功するか?それとも更なるNBジーンズプロパー(正規価格)販売低迷につながるか?動向を見守りたいと思います。

 ところで、先日、ジーユーの990円ジーンズを見に行ったら、確かにクオリティ的にNBジーンズ3900円くらいの価値は感じられましたね。しかし、あたりまえかもしれませんが、裾上げ補正に別途300円がかるという話に、ちょっと、あっ、やっぱりそういうことね、という思いがしました。

 通常、ユニクロを含むジーンズカジュアル店の裾上げ料は無料。その分考えると、990円ジーンズも、実際は、+300円で1290円ジーンズなのですね。

 超低価格ジーンズは、補正料別途という話はよくあるので、お会計の際、がっかりしないためにも、事前確認を・・・ 

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April 15, 2009

昨日は新入社員研修

 4月はクライアント企業さんの社員研修のお手伝を頼まれることも少なくなく、昨日はある成長企業さんの100人規模の新入社員研修のファシリテーションを務めさせて頂きました。

 今回は丸1日かけての研修で、現代ファッションビジネスの基礎知識から始まり、店舗でできるマーケティングの基本、店頭に立つ心構えから売り場づくりの考え方まで、ファッションビジネスに携わる方に是非理解しておいて頂きたい基本中の基本をテーマ、内容に盛り込みました。

 毎回、新しい領域にチャレンジさせて下さるクライアント企業さんには、いつもとても感謝するとともに、共に成長している喜びを感じます。

 今回も、特にファッション業界に入って間もない方々にわかりやすく、なおかつすぐに実践で使ってもらえる、ファッションビジネスのキーワードを、どんな風にストーリーだててまとめ、吸収していただくかの新企画を、先方の担当の方々とディスカッションして、当日をイメージしながら準備をしていた時はとても充実したひとときでした。

 私が企業研修をさせて頂く時は決まってワークショップ形式のいわゆる参加型研修の形をとりますが、その中でいつも心がけていることは・・・

 一方的な、知識やあるべき論の流し込みではなく、

 いかに参加された方々がお持ちの生活者目線のよい視点、アイデア、成功事例を引き出して、自信をもってもらうとともに、参加された皆さん全員と共感、共有し、明日から実践に使える気づきを得ていただける場をつくれるかどうか、というところにあると思っています。

 そこでは、講師である私は、教える人ではなく、気づかせる人、あくまで黒子であり、参加された方々全員が主役、生徒であり先生なのだと思っています。

 そんな場を体験して、現場での学び方や身近にある問題解決のヒントの見つけ方、コミュニケーションのとり方や教え方にも気づいていただけたら・・・

 今回も最後のまとめのところでは、多くの方々に、単に学んだ、ということだけではなく、店舗に帰ってみんなに伝えたい、と言っていただけたのが嬉しかったです。

 そう、学びの連鎖、広げてくださいね。

 さて、来週もまた、違うタイプのチャレンジングな研修のファシリテーションがあります。今日の事前ミーティングで面白そうなアイデアが出たので、今からとっても楽しみです。

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関連エントリー‐社内の学びのサイクルを回せ
関連エントリー‐「学ぶ組織」と「教える組織」

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April 14, 2009

ルミネが渋谷にメンズ館を開業

 4月13日付日本繊維新聞、14日付繊研新聞にルミネがこの秋、渋谷にメンズ館を開業することに関する記事が掲載されていました。

 ルミネの14店舗目となる「ルミネマン 渋谷」は、タワレコ渋谷店隣、丸井の側面に当たる現在、建築中の立地、地上4階建て、売場面積293坪に16店舗が入居予定(うち6店舗が新業態)、オープンは、8月26日とのこと。MDコンセプトは「渋カジ復活」だそうです。

 渋谷にも根を下ろしたいルミネが、渋谷本格進出の布石として初めてチャレンジするメンズ専門館。

 規模が小さいので、単体では、あまり大きなインパクトは感じられませんが・・・

 この秋の渋谷マーケットの1番の目玉は、もちろんH&Mフルコンセプトストアのオープン(109から、東急本店に向かった右手、ブックファースト跡地)ですが、これに対し、渋谷から神南経由、原宿に向かって行くファッションショッピングの動線上に出来る新しい商業施設として、楽しみではありますね。さて、どんなテナントが入るんでしょうか。 

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April 13, 2009

先週の記事別アクセスランキング

 先週のブログの中でアクセスが多かったエントリー(投稿記事)をランキング形式でご紹介します。この1週間、業界で注目されていた話題がわかるかも?

 4月は、取引先企業でも街でも新入社員の姿を目にするたびに、初心を思い出すものです。

 いつまでも、礼儀、新しいものに取り組む意欲、学ぶ姿勢を忘れないでいたいもの、4月はそんな自分の見直しの時にしたいものです。
  
 さて、以下、先週のランキングになります。 
       
【ランキング】

1位-しまむら復活のカギは「シマラー」育成?(09.04.03)

2位-カリスマ経営者と後継者育成(09.04.08)

3位-イッセイミヤケのMDスクール(09.04.05)

4位-コーチが3万円台の新商品群を投入(09.04.01)

5位-イトーヨーカ堂の不要品下取りセール(09.03.28)

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April 12, 2009

消費のキーワードは「3掛け」、「3得(とく)」?

 「3掛け」と「3得(とく)」、とは今週の繊研新聞と日経MJの記事中にあった現代消費のキーワードです。

 まずは「3掛け」・・・意味するところは、従来の3割程度の値段

 前回のエントリーでも触れた、今週の繊研新聞の連載記事「下がる価格」。今シーズン業界で顕著に下がる価格の事例が綴られて来ましたが・・・ 

 百貨店が顧客呼び戻し、新規顧客獲得のために起死回生?で実施する従来価格の3割安(7掛け)を訴求した価格設定をしているところに、

 ファッション市場の現実と言えば・・・

 レザー(皮革)商品を、見劣りしない、価値観のある合皮素材に置き換えて、納得のいく感性の商品が、「3掛け」の価格で販売されて人気を集めていたり、

 この度、日本に上陸したラグジュアリー&ハイエンドブランドの会員制アウトレット通販サイト、GILT(ギルト)もまさしく、正規価格の70%オフ、「3掛け」程度の価格で、今シーズンの商品を含むラグジュアリーブランドの過剰在庫品を販売しています。

 ユニクロの独り勝ちや、ジーユーの990円ジーンズなんかも、これまでのマーケットのスタンダードからすれば、3掛けプライスだからこそインパクトがあるんですもんね。

 昔、「チェーンストアーの仕事は、流通革新を繰り返すことによって、商品の価格を従来の1/3に下げ、地域住民のくらしを豊かにすること」、なんて教わって使命感に燃えたものですが、世の中は、いよいよその域に近づいてきたのかもしれません。

 次に、「3得」・・・ひとつの商品、サービスに3つの得があること

 4月10日の日経MJの一面では、最近の売れ筋商品の共通項を、

 ○価格にお買い「得」感があるのは当然、

 ○品質、機能、デザイン、自然に優しいなど付加価値による説「得」力があり、

 ○買っても損はないと自ら納「得」できる

 「3得」がある商品、とまとめていました。

 以前、このブログで、企画段階で、顧客にとってのメリットが3つ以上あるかどうかをしっかり自問自答しながら商品化している急成長中ファッション企業さんに感心、共感した話をしましたが、まさに同じような話だと思います。

 また、低価格に品質と話題を付加したユニクロや、低価格にデザイン性とスピードを増したファストファッション企業の企業努力、小手先かもしれませんが、ベストやストールや伊達メガネのおまけつきの服がヤングマーケットで受けている理由も実際、そこらへんにありますからね。

 「売れない時代」とあきらめるのではなく、「どうしたら売れるか」を考えるべきですが、生半可ではない、この「3掛け」、「3得」発想にいろいろと企業努力のヒントがあるのではないでしょうか。

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関連エントリー‐ギルト(GILT)の日本進出は、日本でのブランド販売の常識を崩すだろうか?
関連エントリー‐2009年ファッションビジネスの視点

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April 09, 2009

合皮素材の質感向上による価格革命

 4月9日の繊研新聞の連載記事、「下がる価格」の2回目に、最近のファッション業界で起こっている情勢が事例含めて上手にまとまっていましたが・・・

 今、ファッション販売の店頭で起こっている「価格革命」を後押しする要因のひとつに、ジャケットや靴に使われる合成皮革(靴ではレザーに対しケミカルと呼ばれます)の質感、商品仕上げの面(ツラ)の劇的な向上が挙げられます。

 これには多くの方が、ここ数年の間に感じていらっしゃると思いますが、店頭で、パッと見、レザーに見劣りしない高級感あふれるクオリティのヴィンテージ風ライダースジャケットやファッションセンス抜群の婦人靴を見かけることが多くなりました。

 「これPU(ポリウレタンの略)に見えないよね」と唸ってしまうことしばしば・・・

 先日、常々「合皮は絶対許せない」とおっしゃっていた素材にものすごくこだわりのある知人のデザイナーの方が、納得して買ってしまった、というお話をされていたのも印象的でした。

 この合皮の質感向上により、3-5万円くらいが相場だったそこそこの感覚のライダースジャケットは、1万円を切り、1万円台だった婦人靴の感性が1/3の価格で実現できるようになったわけです。

 この革命は、価格のみならず、ファッション商品の肝である、タイムリーなスピード提供にも影響を及ぼします。

 通常最低2か月はかかると言われる革製の靴の生産リードタイムが、合皮(ケミカル)なら最短3週間に短縮。

 また、靴業界のビジネス最大のストレスのひとつ、国内産業保護のため、年間1200万足にしか認められていない革製の靴に対する輸入関税割り当て(革靴などが法外ではない?関税で輸入できる枠。実績に基づく事前申請制)、今週が経済産業省での申請週間でしたが・・・合皮(ケミカル)素材の靴は、そのような市場参入障壁の影響も受けないわけですよね。 

 今、百貨店婦人靴売り場では、大きな「縄張り」を持っていたトークツの破産の背景もあるかもしれませんが、急速に、これまでおしゃれなケミカル素材婦人靴を提供していたメーカーとの取引の拡大や、既存の婦人靴メーカーへのケミカル素材のファッション婦人靴への要望が高まっています。

 こうして、また、素材クオリティの向上が、多くの生活者が気軽に楽しくファッションを楽しむ裾野を広げる・・・品質革命が起こす価格革命の一例でしょう。

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April 08, 2009

カリスマ経営者と後継者育成

 4月3日の日経MJに好調ユニクロの柳井会長の後継者育成問題、4月8日の繊研新聞に、この度、しまむらの役員を退任される藤原会長と後藤専務、「二人のカリスマ」後のしまむらに関する記事が掲載されており、それぞれ興味深く読ませていただきました。

 日本を代表する勝ち組トップ企業2社のカリスマが去った後の経営問題には誰もが関心が尽きないところだと思います。

 ユニクロの柳井会長は、実家の地域密着型紳士洋品店を継ぎ、カジュアルウエアへ業態転換後、売上高日本一の衣料チェーンへ、しまむらの藤原会長は、就職した呉服店をベースに、非同族ながら、オーナーからの厚い信頼の下、日本最多店舗の企業へと導いた、共に創業者ではない経営者であることはご存知のことと思います。

 お二方に共通することは、ご本人の能力や先見性が優れていたのはもちろんですが、一番は、まだ店舗が少ないころから、日本一クラスになることを前提に、常に、次のターニングポイント(規模)を意識した仕事のやり方、しくみを整えてきたところではないでしょうか?だから、今の2社があるのけっして偶然ではないのです。

 その過程においては、それこそ生きるか死ぬか修羅場を何度もくぐって、決断をされて来られたでしょうから、どんなに優秀なサラリーマンをもってしても、信念、度胸、決断力、精神力ではかないません。特にこれだけの規模になってますからなおさらでしょう。

 しかしながら、同じチェーンストアの形をしていても、それを作り上げるプロセス、人材育成法は違ったと思います。

 両社を見ていて、個人的には、ユニクロは、どんな優秀な人を連れてきても、ビジネスモデルは引き継げるかもしれませんが、柳井会長のようなギャンブラー的なジャッジは出来ないだろうということと、しまむらは、合理的な組織づくり、高速配転により多くの社員の方が標準的な仕事のやり方や発想ができるので、大きな心配は要らないだろうと思いますが・・・

 クライアント企業さんの成長段階に応じて、組織論・人材能力開発をあらためて考える機会が多いです。

 以前、セミナーを聞いた日本リテイリング協会の渥美俊一先生のチェーンストアの組織論に関する本が昨年末に出版され、読み返しています。

 これすべて真に受けると大変なことになっちゃうと思うのですが、さすがに、米国、日本の企業事例から抽出されたエッセンスなので、とってもいいことも、ある程度の規模になったら「アレンジして」使えることがいっぱい書いてあります。

 クリエイティブ系(商品企画・バイイング)とオペレーション系(店舗運営)の2極に偏りがちなファッション流通業界の中で、企業成長、多店舗化の過程において、「高速配転によるスペシャリスト育成」と「エデュケーターの役割」があらためて重要だと感じました。

 そして、それを外部からご支援しているミッションにとてもやりがいを感じています。


 

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関連エントリー-CLO(チーフラーニングオフィサー)というお仕事

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April 06, 2009

先週の記事別アクセスランキング

 先週のブログの中でアクセスが多かったエントリー(投稿記事)をランキング形式でご紹介します。この1週間、業界で注目されていた話題がわかるかも?

 月初めで、新聞紙上には3月度の上場ファッション流通企業の業績関連の記事が掲載されていました。3月は昨年の高いハードル(好業績)に対し、天気、最高気温の条件は昨年に劣らなかったと思いますが、朝晩の最低気温が上がらなかった(寒暖の差)がネックだったようで、各社厳しい業績だったようです。

 しかしながら、そんな気温に合わせて、羽織モノやボトムをしっかり揃えて、売った企業は前年クリアーしているところもあります。また、計画的なプライスラインバランスとハイ&ロー政策(低めの価格帯で客数を稼ぎ、新しい付加価値商品で金額をとる)もキーワードだったのではないでしょうか。

 ユニクロもその一社ではなかったかと思います。
 
 さて、以下、先週のランキングになります。 
       
【ランキング】

1位-しまむら復活のカギは「シマラー」育成?(09.04.03)

2位-コーチが3万円台の新商品群を投入(09.04.01)

3位-フォーエバー21のプレスリリース関連記事でアクセス急増(09.03.24)

4位-京王百貨店が郊外SCに50代以上向け婦人衣料専門店を出店(09.03.31)

5位-イトーヨーカ堂の不要品下取りセール(09.03.28)

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April 05, 2009

イッセイミヤケのMDスクール

 4月3日の繊研新聞に、イッセイミヤケの太田伸之社長が自ら講師を務め、同社の直営店の販売員向けに行っている「MDスクール」に関する記事が掲載されていました。

 第1講の「マーチャンダイジングの基本的考え方」から最終講の「販売計画」まで、ファッションリテイルビジネスの基本に関する講義を1回あたり2時間 X 15回行う「MDスクール」は、今回12期を終え、店頭スタッフの半数以上が受講済みになったとのことです。

 太田さん(と呼ばせていただきます)は私のファッションビジネスの先生でもあります。

 私が今、年に数回講師をさせていただいている 「IFIビジネススクール」 発足当時(1995年)、太田さんが総合プロデュース兼講義をされたアパレルマーチャンダイジング講座を私自身(当時商社勤務)、生徒として、半年間受講させていただいたご縁がありました。

 当時も、ズバッと本質を突く、緊張感のある講義をされる方でしたが、愛読させていただいている太田さんご自身のブログや今回の記事を読む限り、相変わらず熱いです、当時のパワーは衰えないようですね。

 このイッセイミヤケのMD講座の講義テーマと記事の内容を読む限り、デザイナーブランド=アパレルメーカーながら、太田さんらしく、かなりリテイル(小売)ビジネスよりの基本をたたきこんでいらっしゃるようで、共感しました。

 特に、商品分類(誰もがわかるアイテム分類)、展開分類(ブランドの主張としての売り場のくくり方)、定数定量管理がきっちり盛り込まれているところがその典型だと思います。

 仕事柄、メーカー(ブランド)直営店、アパレルメーカー出身SPA、小売出身SPA、セレクト型専門店・・・さまざまなタイプのファッションリテイル企業の方々とお取引があったり、ご相談を受けることがありますが、特にブランドメーカーご出身の直売ビジネスをされている企業の課題のひとつに、商品分類、定数定量管理の発想がなかなか浸透していないことが挙げられます。

 以下、太田さんの記事中のコメントを2つ引用させていただきます。

 「右脳型発想に偏りがちのブランドビジネスだからこそ、論理的な思考の大切さを伝えなければならない」

 「(ばくち的な要素もあるファッションビジネスを)ギャンブラーのようにそれを楽しみながら、科学的にプロパー消化率を上げていく、そんな店長の育成が目標だ」

 ファッションリテイルビジネスに携わっていて、私も常日頃から繰り返し訴え続けていること。

○(企業の会計の都合である)月度ではなく(生活者の生活リズムにあわせて)週サイクルで考えること

○商品分類ごとに顧客需要のトレンドをつかむこと

○金額で設定されている売上・在庫予算を、数量ベースでコントロールすること

 それらが、「科学的」に顧客に近づき、かつ、「科学的」にブランドのアイデンティティを表現する基本中の基本であると。

 会社の理念、方向性を含め、ファッションビジネスへの情熱もこめて、社長自ら販売スタッフさんたちに語りかける姿勢、とても尊敬します。 

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April 03, 2009

しまむら復活のカギは「しまラー」育成?

 4月3日の日経新聞に、前期ひさびさに減収減益に陥ったしまむらが今期2010年2月期には増収増益となると発表したニュースに関連する記事が掲載されていました。

 同社は、ここのところ上がり気味になっていた単価を再び下げ、本来の強みである価格訴求で客数を回復させながら、都心部への出店、ヤングファッション化を推進中。

 最近は、ポップティーンなどの雑誌媒体で、流行ファッションがこんなに安く買えちゃう企画をやったり、自称しまむらファンである人気モデルの益若つばさちゃんを広告塔?に彼女とのコラボ企画商品なんかも発売したりして、品揃えが豊富で安いしまむら好きな女の子、いわゆる「しまラー」を増殖、社会現象化して、ちょっとブームに乗せようという戦略、「あり」だと思います。

 日本最多店舗数を誇るしまむらも、東京や大阪にはあまり店舗がないもので、都心部の方々には意外と知られていない存在ですが(業界でも見たことがないという人が結構います)、ところが、しまむらを体験してしまうと、カルチャーショックを受けながら、とりこになる特に女性、結構多いんですよね。気持ちすごくわかります。

 だって、マーケットがSPA化、PB化して、絞り込み、企業利益重視で、同質化してつまらなくなると、しまむらみたいな、豊富なアイテムが毎週各1だけ入荷して、次々に売り切れて行くお店なんて、そんなにないし、価格もびっくりするくらい安いので、毎日がバーゲンって感じですもんね。

 このあたり、ウィゴーやハンジローのようなユーズドミックスストアにもちょっと共通する魅力だと思います。

 こんなご時世だからこそ、低価格、多品種、かつ店頭鮮度いっぱいの大型ファッション店、メガストアに頑張ってもらわなくちゃ、と思う今日この頃です。 

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関連エントリー-しまむらの8期ぶりの減益
関連エントリー-ババに?しまむら?

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April 01, 2009

コーチが3万円台の新商品群を投入

 3月31日の繊研新聞、日本繊維新聞に、手の届くラグジュアリーバッグブランド、米コーチが、今秋から、従来5-6万円が中心価格だった主力ラインよりも、ワンランク安い3万円台前半からの新ライン「ポピーコレクション」を発売することに関する記事が掲載されていました。

 同社は、日本で、1万人規模の消費者インタビューを実施、結果、従来の顧客層より若い、30歳未満の顧客に潜在需要があると判断、20歳前後でも、気軽に手の届く価格で、ビビッド、キュート、ポップがキーワードの商品群を開発、拡大して行く模様です。

 この新コレクションにより、コーチの品揃えにおける5万円を切る価格帯の商品は、SKUベースで、10-15%を占め、それまで棲み分けられていたと思われる日本のサマンサタバサとも競合関係となり、強敵となるのでは?とアパレルに手こずっているサマンサも、うかうかしていられない、本業のバッグ事業再強化が迫られそうです。

 コーチは、一応ラグジュアリーブランドの下の方に位置付けられながら、マーケットの隙間を狙うのが上手ですね。

 今年からメンズバッグも強化、拡大して行くとのことです。

 秋からの販売スタート、生活者の反応が楽しみです。
 
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関連エントリー-ブランドビジネスの常識を覆す、コーチ
関連エントリー-サマンサタバサが価格帯引き上げ欧米バッグブランドに挑戦

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