合皮素材の質感向上による価格革命
4月9日の繊研新聞の連載記事、「下がる価格」の2回目に、最近のファッション業界で起こっている情勢が事例含めて上手にまとまっていましたが・・・
今、ファッション販売の店頭で起こっている「価格革命」を後押しする要因のひとつに、ジャケットや靴に使われる合成皮革(靴ではレザーに対しケミカルと呼ばれます)の質感、商品仕上げの面(ツラ)の劇的な向上が挙げられます。
これには多くの方が、ここ数年の間に感じていらっしゃると思いますが、店頭で、パッと見、レザーに見劣りしない高級感あふれるクオリティのヴィンテージ風ライダースジャケットやファッションセンス抜群の婦人靴を見かけることが多くなりました。
「これPU(ポリウレタンの略)に見えないよね」と唸ってしまうことしばしば・・・
先日、常々「合皮は絶対許せない」とおっしゃっていた素材にものすごくこだわりのある知人のデザイナーの方が、納得して買ってしまった、というお話をされていたのも印象的でした。
この合皮の質感向上により、3-5万円くらいが相場だったそこそこの感覚のライダースジャケットは、1万円を切り、1万円台だった婦人靴の感性が1/3の価格で実現できるようになったわけです。
この革命は、価格のみならず、ファッション商品の肝である、タイムリーなスピード提供にも影響を及ぼします。
通常最低2か月はかかると言われる革製の靴の生産リードタイムが、合皮(ケミカル)なら最短3週間に短縮。
また、靴業界のビジネス最大のストレスのひとつ、国内産業保護のため、年間1200万足にしか認められていない革製の靴に対する輸入関税割り当て(革靴などが法外ではない?関税で輸入できる枠。実績に基づく事前申請制)、今週が経済産業省での申請週間でしたが・・・合皮(ケミカル)素材の靴は、そのような市場参入障壁の影響も受けないわけですよね。
今、百貨店婦人靴売り場では、大きな「縄張り」を持っていたトークツの破産の背景もあるかもしれませんが、急速に、これまでおしゃれなケミカル素材婦人靴を提供していたメーカーとの取引の拡大や、既存の婦人靴メーカーへのケミカル素材のファッション婦人靴への要望が高まっています。
こうして、また、素材クオリティの向上が、多くの生活者が気軽に楽しくファッションを楽しむ裾野を広げる・・・品質革命が起こす価格革命の一例でしょう。
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