消費のキーワードは「3掛け」、「3得(とく)」?
「3掛け」と「3得(とく)」、とは今週の繊研新聞と日経MJの記事中にあった現代消費のキーワードです。
まずは「3掛け」・・・意味するところは、従来の3割程度の値段
前回のエントリーでも触れた、今週の繊研新聞の連載記事「下がる価格」。今シーズン業界で顕著に下がる価格の事例が綴られて来ましたが・・・
百貨店が顧客呼び戻し、新規顧客獲得のために起死回生?で実施する従来価格の3割安(7掛け)を訴求した価格設定をしているところに、
ファッション市場の現実と言えば・・・
レザー(皮革)商品を、見劣りしない、価値観のある合皮素材に置き換えて、納得のいく感性の商品が、「3掛け」の価格で販売されて人気を集めていたり、
この度、日本に上陸したラグジュアリー&ハイエンドブランドの会員制アウトレット通販サイト、GILT(ギルト)もまさしく、正規価格の70%オフ、「3掛け」程度の価格で、今シーズンの商品を含むラグジュアリーブランドの過剰在庫品を販売しています。
ユニクロの独り勝ちや、ジーユーの990円ジーンズなんかも、これまでのマーケットのスタンダードからすれば、3掛けプライスだからこそインパクトがあるんですもんね。
昔、「チェーンストアーの仕事は、流通革新を繰り返すことによって、商品の価格を従来の1/3に下げ、地域住民のくらしを豊かにすること」、なんて教わって使命感に燃えたものですが、世の中は、いよいよその域に近づいてきたのかもしれません。
次に、「3得」・・・ひとつの商品、サービスに3つの得があること
4月10日の日経MJの一面では、最近の売れ筋商品の共通項を、
○価格にお買い「得」感があるのは当然、
○品質、機能、デザイン、自然に優しいなど付加価値による説「得」力があり、
○買っても損はないと自ら納「得」できる
「3得」がある商品、とまとめていました。
以前、このブログで、企画段階で、顧客にとってのメリットが3つ以上あるかどうかをしっかり自問自答しながら商品化している急成長中ファッション企業さんに感心、共感した話をしましたが、まさに同じような話だと思います。
また、低価格に品質と話題を付加したユニクロや、低価格にデザイン性とスピードを増したファストファッション企業の企業努力、小手先かもしれませんが、ベストやストールや伊達メガネのおまけつきの服がヤングマーケットで受けている理由も実際、そこらへんにありますからね。
「売れない時代」とあきらめるのではなく、「どうしたら売れるか」を考えるべきですが、生半可ではない、この「3掛け」、「3得」発想にいろいろと企業努力のヒントがあるのではないでしょうか。
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