ECによる在庫適正化へのチャレンジ
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6月16日の日本繊維新聞、「マイナス成長時代の指針」に、急成長中、EC総合サイト、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイの前澤社長のインタビュー記事が掲載されていました。
ネット上のアウトレットやファミリーセール専門業者が台頭する中で、同社がアウトレットをやらないと断言する理由を聞かれて
(以下引用)
「アウトレットもファミリーセールも余剰商品を前提にして成り立つ商売ですよね。ECビジネスの発展の先にあるのは、アパレル製品供給の適正化という”流通革命”です。それによってファッション業界を活性化しようというのが僕たちの目標。アウトレットとは本質的に相容れないと考えています。」
「ECをもっとうまく使えば、余分な製品をつくらないくてよくなる。最終的には機会ロス、在庫ロスをゼロにするのがEC企業としての僕らの使命だと思っています。そうなれば無理に価格を下げるセールやアウトレットに頼る必要もなくなります。」
(以上引用)
リアル店舗ではありますが、日ごろ在庫コントロールのコンサルティングをさせていただいていて、すごく共感するところがあったので、引用させていただきました。
なぜならば、在庫コントロールの本質も、適正供給の追及、「売り切る」ための理念と技術にありますからね。
そして、その成果は、「いつ行っても鮮度溢れる店頭」という形で表れるはずです。
特にメーカー出身SPA、直営店系の方々とお話をしていて、時折、違和感を感じることに、「セール予算」であったり、各品番、セールで売る分を見込んで「多め」に発注する、という行為があります。
計画通りに売り切れないために、常時、実現粗利よりも値入を取り、その差を「値下予算」として確保しておくのは分かるのですが・・・端からプロパーで売れないと分かっている量をあえて作るということに、何か最初から「負け戦」をしているようだなぁと感じる時があるのです。
必然的に、売れなければセールで売ればよい、アウトレットに回せばよい、と現場のプロパー(当初価格)で「売り切る」執念が薄れてしまいますね。
結果は、生活者の価格不信、プロパー消化率の低下、セール比率、残品率の上昇となって現れます。
スタートトゥデイのZOZOの話も、適量(売れる分=売ろうとする分)完全買取、プロパー売り切りに執念を燃やしている、そして、シーズン中にEC上で一元管理された在庫とすべての顧客とを直接つなげているところに強みがあるわけで、本質的な「在庫コントロール」を行う上での条件は整っていると言うことができるのではないでしょうか。
ECではありませんが、ファストファッションにしたって、今着たいものを「リアルタイムに」「ベストプライスで」「適正供給」されるからあまり値下をせずとも次々に売り切れて行くわけであって、基本、彼らは、イベントとしてのセールはたくみに利用していますが、セール期を設ける必要がなく、52週シームレスな鮮度溢れる店頭展開になるわけです。
今でも、1月と7月のセールを基本に売り減らし型MDを組んでいらっしゃる企業も、そろそろ発想の転換が迫られている時ではないでしょうか?
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