クロスカンパニーのトム・ブラウン社への出資
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当初、この資本提携(20%出資)のニュースを聞いた時、いくらアースミュージックアンドエコロジーを中心としたクロスカンパニーが今、絶好調であっても、ちょっと無理があるのでは・・・と感じたのですが、今週のWWDジャパン1539号のインタビュー記事を読んで少々見方が変わりました。
業界では、歴史的に、商品回転が速いマーケットの企業が、より上層マーケットにチャレンジする時、今回はミッドトレンドマーケットのポイントと並んで、日本版ファストファッションの一角とも言えるクロスカンパニーが一足飛びにラグジュアリーマーケットのトムブラウンと提携するわけですが、(比較的ですが)その効率の低さ、キャッシュフローの乏しさ、感性の違いから、待てない、我慢できなくなるのが一般的ではないかと思います。その逆(上から下へ)の成功事例はけっこう多いのですが・・・。
そんなわけで、今回も心配でしたが、記事によると
○クロスカンパニーの売上高・・・09年度で274億円の見込み
(09年1月期実績は222億円、経常利益31億円;8月4日の繊研新聞より)
○トムブラウンインターナショナルの年商・・・6億円程度(同額の借入あり?)
○クロスカンパニーがトムブラウンインターナショナルの株式を20%取得
○クロスカンパニーと同社の石川社長が折半出資でトムブラウンジャパン(資本金1億円)を設立
○日本およびアジアの商標使用権を獲得
○7年後の2016年にジャパン社の年商目標100億円
○その事業内訳はファーストラインで20%、ライセンスおよびセカンドラインで50%、その他で30%
なるほど・・・トム・ブラウンは、デザインに対する評価、知名度の割には、やはり新興のせいか、意外と、まだまだ売上規模は小さいのだな、という印象を受けたのと、トムブラウンのブランド名を使って、価格のこなれたマーケットで、ファーストラインの数倍のビジネスが出来るのだな~ということ。
それゆえにクロスカンパニーにとっては、「お得」?だったのかもしれません。
もちろん、事業がスタートしてからの相性もあると思いますが、その成否はクロスカンパニーの手腕次第と言ってもいいのではないでしょうか。(記事中のトムブラウン氏の資金繰りに対する楽観主義的な発言はちょっと軽い感じがして気になりましたが・・・)
デザイナー名も覚えやすく、デザイン的にもこなしによっては、日本でも、とても裾の広そうなアメリカントラッドブランドである「トム・ブラウン」。
若く、現実的な発想を持った急成長企業、クロスカンパニーがクリエイションとビジネスのバランスにどのように折り合いをつけるか楽しみにしたいと思います。
それにしても・・・仏クリスチャンラクロアの破たん、ヨウジ・ヤマモトの身売り検討報道にしても・・・ラグジュアリー&ハイエンドマーケットは大変なことになっています。これからもファッションマーケットの常識、階層を飛び越した、いろんなことが起こりそうです。
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