ボブソンが投資会社にジーンズ事業を譲渡
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8月8日付の日経新聞、繊研新聞に、ジーンズメーカーのボブソンが9月15日付で同社の看板ブランド「ボブソン」およびジーンズ事業を投資会社のマイルストーンターンアラウンドマネージメントに売却し、「オシュコシュ・ビゴッシュ」の子供服事業に集中することに関する記事が掲載されていました。
ボブソンブランドは、1971年にスタートした日本のジーンズ老舗ブランド。
20世紀は業界をリードする商品開発も行っていた(04ソフトジーンズとか。昔、買いましたね)、規模に開きはあるかもしれませんが、日本のジーンズメーカーでは5本の指に入るブランドだったのではないでしょうか?それゆえ、いろいろと感慨深いものがあります。
記事によれば、同社は、
「2000年ごろから業界の構造が大きく変化し(日経新聞)」
「業界の主導権がカジュアルSPAに移っており、今のままメーカー型卸として事業継続しても将来性はない。早めに事業転換が必要」と判断した(繊研新聞)
とのことです。
記事にもあるように、ユニクロの3990円ジーンズが、最終的に同社に白旗を上げさせたことは間違いないと思いますが、2000年ごろと言えば、まだまだ、ユニクロのジーンズもNB(ナショナルブランド)ジーンズの眼中にはなく、一方、プレミアムジーンズブームが高まる過程で、リーバイス、エドウィンが中心単価を8000円前後から10000円超に上げていった時期ですね。
その2大NBジーンズが単価を上げれば、大手ジーンズチェーンにおけるボブソンやビッグジョンの仕入枠も少なくなるわけで、そのころから同社は、1万円以上のジーンズにも取り組んでいましたが、一方で、ビジネスのコアは、低価格帯でのポジショングや量販店シフトを強いられるなど、思うようなビジネス展開ができなくなったのでは、と記憶しています。
今思えば、そのころって、ジーンズバブルの絶頂期でしたね。
本当は、そういった低価格・中間価格帯の安心できるNBジーンズがもっと生活者に的確にポジショングされていたら、「ユニクロショック」は今ほどインパクトはなかったかもしれないのに・・・
そもそも、NBジーンズビジネスは、専門店と卸の間では、リーバイスを除き、「入れ替え」の名の下の「委託販売」取引が主流、サイズが多いため、カジュアルウエアの中でも、平均の半分以下の回転率で、歩留りの見えづらい、効率のよい商売とは言えません。メーカー側が資金が潤沢かよっぽど利益率が高くないともたない構造にあると思います。そのしわ寄せは当然価格へ・・・
そこへ、業界のしがらみに関係なく、中間流通を排除して、リスクを背負って本気モードで勝負するユニクロが、NBジーンズを熟知した強~い開発パートナーを得て、NBジーンズの8000円前後のスタンダードクオリティを3990円というベストプライスで販売する「ジーンズ流通革命」を起こし、今や同社は、年間約1000万本、数量ベースシェアで日本のジーンズ販売の約10%を超えるといいますから、業界への影響は尋常ではありませんね。
今回のニュースに始まり、これから、ジーンズ業界、ジーンズビジネスの構造転換を象徴するニュースを次々に耳にするような気がしてなりません。
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