GAP(ギャップ)創業者ドナルドフィッシャー氏の訃報を知って
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9月29日の繊研新聞などに、米ギャップの共同創業者で、同社名誉会長のドナルドフィッシャー氏が亡くなられたことに関する記事が掲載されていました。81歳だったとのこと。
1969年に、若者に人気のレコードとリーバイスジーンズを販売するファッションストアとしてサンフランシスコで1号店をオープン。
このブログで頻繁に登場するSPA(Speciality store of Private label Apparel;日本では「製造小売業」と訳される)という言葉は、確か、この方が宣言した「造語」だったはず。
20世紀の間に、それまで世界最大であった米リミテッドグループを抜いて世界最大のファッション専門店の地位を築き、ユニクロはじめ多くの世界各国で活躍中のカジュアルウェアーSPAのお手本、刺激になった功績はあまりにも大きいでしょう。
私のギャップとの出会いは、学生時代のアメリカ訪問時。初めて見た時、ジーンズ好きの貧乏学生の私にとって、とっても格好よかったです。
そして、総合商社アパレル部門で働くようになり、約10年間、日本のアパレル企業、チェーンストアさんのために、世界中からアパレル製品を開発輸入する仕事おをさせていただきましたが、アメリカ、香港、中国、インド・・・各地の工場で出会う、ギャップのコットンリッチなカジュアルウエアーを見るたびに、こんな素敵な風合い、肉厚の綿製品を日本の生活者に届けたい、と元気を頂いたものでした。
ですから、個人的にも、洋服の中でも、格別、綿100%へのこだわり、綿のクオリティにはうるさくなったのも、ギャップの影響だったのではないかとも思っています。
現在、残念ながらギャップはアメリカで飽和状態、リストラの進行中、世界のファッション業界の中で、トップの座をZARAやH&Mといった第2世代SPAに明け渡しつつあります。
日本でも、100店舗を超えて頭打ち、11月に原宿駅前に旗艦店をオープンして、来年は銀座にもユニクロ、H&Mを含む20社に競り勝って落札した旗艦店オープンで巻き返しを図るところ。
日本進出当初は、百貨店出身者を水先案内人に、上から下に降ろすマーケティング、日本のマーケットに合わせたローカル企画の充実もよかったかもしれませんが、時代は変わりました。
日本の百貨店顧客に訴える高品質、それなりの価格もよいですが、すぐに半値になる値下げを待つ顧客をたくさん生んでしまったのも事実。ユニクロが急速に進化したことによって、今、日本の中で、ポジショニングが揺らいでいるのも否めません。
これからは、最初からベストプライスで、プロパー(正価)で売り切る価格設定を期待したいところです。
多くの日本の洋服屋さんがアメリカで憧れたファッションストアであるギャップ。
これからの巻き返しを楽しみにするとともに、末筆ながら、ドナルドフィッシャー氏に敬意を表し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
追伸:繊研新聞さんあたりで追悼企画として、次世代のために「ギャップの軌跡に学ぶカジュアルアパレル専門店の原点」のような特集記事を企画してくれないかな~
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