在庫コントロールは生鮮食品売場に学べ
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先日、国内外の大手ファッション企業の最前線で働く30代の方々がコアメンバーの懇親会に招かれ、最近のファッションSPA企業事情、各社の業務オペレーションの違い、その背景にある企業ポリシーに関する話題で場が盛り上がりました。
特に国内のファッションチェーンから外資系へ転職された方、外資系で何回か転職した経験をもつ方が何人かいらっしゃったので、同じ職種、業務でも会社によって考え方、やり方が違うことをあらためて知ることが出来るとともに、たくさんの気づきをいただいたものでした。 Yさん、呼んで下さってありがとうございました。
そのメンバーの中に、たまたまスーパーの生鮮食品売場で働いている方がいらっしゃり、彼は、
・アパレルの方が儲かるのは何故か?
・食品売場がファッションビジネスから学べることは何だろう?
と高い問題意識をもって、ファッション業界の方々の話を聞いたり、いろいろな質問をされていました。
そのやりとりを興味深く聞いていて思ったのですが、
アパレルは、食品に比べると、確かに季節のメリハリもハッキリしていて、単価も高く、粗利率も高いかもしれないけれど・・・最近、ファッション業界で勝ち組かそうじゃないかの分かれ目のひとつに
店頭鮮度管理の精度の高さ
っていうのがあって、その点においては、むしろ生鮮食料品売場の方が、その技術には長けているのではないかと。
すなわち、アパレル業界の勝ち組企業では、もちろん商品企画、品質がしっかり出来ていることが前提となりますが、
○いかに射程(発注→店頭)を短くして的中率を高めるか?
○いかに余計な在庫を抱えずにマーケットの変化に対応していくか?
○そのために必要な、統計に基づく情報分析力、勘と度胸、行動力によって回す仮説検証PDCAサイクルを応援する企業文化、しくみをどう整えるかを常にブラッシュアップしている。
そして、
○その中で、店頭を起点とした「商売人」がどれだけ育成され続けているか?
ということが企業の利益率(歩留り)と成長率を支えていることは間違いないでしょう。
そういう観点で見ると、いかにファッション商品のワンシーズンや半年分の発注販売計画を緻密に行っても、生鮮食品売場の日々の勘かも知れませんが(と言っても経験に基づく統計です)、トライアンドエラーと修正を積み上げた結果には敵わないのではないか?と思えてきます。
だって、彼らは、「毎日」天気と顧客動向を見ながら、どれだけ売るか、どれだけ仕込むか、どうしたら在庫を残さないか、いつ値下げするか、プロパー消化率は?最終消化率は?・・・なんて、ファッション業界の多くの企業が、シーズン単位で考えていることを毎日繰り返しているんですからね。ヒトが商売から「学ぶ」頻度が決定的に違うわけです。
「食べられる分だけ取りなさい」
とはファッション業界のある勝ち組企業の幹部の方が、現場に余計な在庫を持たせないよう、諭すために語っている言葉です。もちろん
「売り切れる分だけ仕入なさい」という意味ですが、非常にわかりやすかったので、感心し、心に残っている言葉のひとつです。
また、私は、
精度を高めること、とは、今より少し、細かい単位に分解して考えること
だと思っています。
そんな意味で、ファッション業界がより圧倒的に射程が短く、日々店頭鮮度を考え、在庫コントロールを行っている生鮮食品売り場をベンチマークし、学べることがたくさんあるのではないかと思ったものでした。
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