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October 07, 2009

世代交代と人財育成

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 10月6日の日本繊維新聞に、「アパレルの人材育成」という見出しで、大手アパレルでデザイナーを務め、その後、独立されて、業界の人材育成に回られている女性デザイナーのコラム(インタビュー?)が掲載されており、デザイナーのみならず、営業系職能まで、業界の人材全般を取り巻く環境について共感しながら読ませていただきました。

 コラムは、多くのファッション、アパレル企業が、即戦力ばかりを重視し、学校を出たての新人を採用しないで、キャリアを積んだデザイナーを中途採用、外部からの登用ばかりをしたがる(時には社内デザイナーがその「下働き」に徹している場合も)一方、デザイナーは若くなければいけない、と40歳を過ぎたら肩たたきをする風潮に異論を唱え、社内ベテランデザイナーによる自前デザイナーの育成の循環を訴える主旨でした。

 今、業界では、顧客ターゲットに対して、同世代で「等身大」の発想で共感を呼ぶMDができるかどうか、それを過去の成功体験に固執せず、新しい発想をもってできるかが、勝ち組のキーワードのひとつですから、これまで、第一線で実績を積み重ねて来た、がんばってきた人たちが歳を取って行く場合、

・それまでの顧客を追いかけ、顧客と一緒に歳を取っていくMD、売り方に変更するのか、

あるいは

・次世代の若手にバトンタッチするか、

・その都度業態をスクラップ&ビルドするか

が問われると思います。これは業界の永遠の経営課題のひとつですね。

 実際に、今、元気な企業の共通点のひとつは20代後半から30代前半の方がある程度の権限委譲を受けて、商品企画、販売の現場の最前線で思い切りがんばっている会社だと思います。

 そして、その方々自身の日々の仕事の工夫、進化=成長こそが、まさに企業の成長そのものに直結し既存店の増収を生み出していると確信しています。

 一方で、成長を一過性のものではなく、持続的なものにするには、時代に応じて、メインプレイヤーは変わるとしても、よき企業文化の継承と体系的な人財育成サイクルは必須です。

 コラムのデザイナーの方が言わんとするように、「キャリアを積んだ人材は積み重ねた実績を伝承する教育係になれるはず」で、安易な肩たたき、首切り対象ではないはずです。キャリアとともに歳を重ねる人材を上手に活用できず、人件費増要因としか見れない会社が多いのは業界の問題のひとつだと思います。

 現場で実績を上げ、営業系、商品系の管理職になれるか、そして、席の限られた経営陣に残れるかだけが「出世」の本流と考えられがちですが、これからは、同等に、次世代を見守りながら、育成する側に回ることにプライドを持つ人材が増えること、それを評価する企業文化、そしてそんなプロセスで人材の層を厚くする会社が社会から高く評価される時代にならなければならないのではないでしょうか?

 世界を見渡しても、そのあたりが強い組織を築きあげ、持続的成長を実現している企業の条件、グローバルスタンダードですからね。

 そしてそれは、企業側の姿勢が変わればよい話ではなく、同時に働く側にも意識の変革を迫ることになります。

 是非、今の会社、ポジションで、自分がどう実績を上げるか、今の上司にどう評価されるかだけをモノサシにするのではなく、自分の仕事をどう「見える化」「わかる化」し、次世代に継承するか、どう次世代を育てるかというビジョンを持って業務にあたっていただきたいと思います。

 そして、そんな気持ちで仕事をしていれば、万が一会社がどうなろうと?、どこに行っても通用するセンスとスキルが養われることになりますからね。

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Comments

ブログに取り上げていただき、ありがとうございます!
女性人材というテーマは、アパレル業界のとても重要な課題とは思っているのですが、なかなか紙面に反映出来ず、今回はあのような形での取り上げさせていただきました。
経営の中枢に関わるテーマでもありますので、非常に難易度が高く、なかなかそこまで突っ込んで行けないというのもあります。
論点を丁寧に整理していただいて、私も大変参考になりました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

Posted by: nissenY | October 08, 2009 11:07 PM

nissenYさん

コメントありがとうございました。

日ごろの思いをこめて、勝手な取り上げ方をさせていただいたこと
お許しください。

これからも、記事楽しみにしています。

よろしくお願いいたします。

Posted by: taka | October 11, 2009 11:35 AM

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