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11月20日の日経MJに、1998年日本本格参入から10年間、2ケタ成長を続ける女性に人気のコスメ製造・販売ストアブランド、仏ロクシタン(L'OCCITANE)に関する記事が掲載されていました。
都心の路面、百貨店、有力ファッションビルの好立地に店舗を構え、通りがかる度に、店頭イメージを頻繁に変えてくる面白いコスメストアだな、という印象を持ち、また、毎月の主要ファッションビルのテナント別業績にも、多くの館で好業績を上げているお店としてマークをし、気になっていたロクシタン。
L'OCCITANE EN PROVENCEホームページ
今回の記事には、その業界の常識を打ち破るビジネスモデルと成長の理由がとてもわかりやすく解説されています。
フランス本社で、南仏プロバンスの植物原料を使い、肌に優しいコスメを提供するロクシタンは、世界70カ国・地域で1200店舗を運営し、日本では、現在、68店舗を展開、年商は、日経推計で前年比4割増の150億円。
記事で、気になったロクシタン成長の秘訣をまとめると
○新商品投入のスピードの速さ
大手化粧品メーカーが春夏、秋冬の年に2回の大型商品投入し、広告宣伝費を投入して半期を通じて、同じ商品を売り続けてゆくのに対して、ロクシタンは、3-4週に一度、店頭に新商品を投入し、その都度全体の3割の商品を入れ替えるという細かさ。
記事に主力商品の年間MDプランが一覧表になって掲載されていますが、よくよく見ると、それぞれの主力商品の展開時期が、アパレルビジネスのシーズンを細分化した、「サブシーズン」のくくりとほぼ同じくらい、年間13MDほどある短サイクルMDを組んでいることになります。これは驚き。
○幅広く、バランスのとれたカテゴリー展開
上記が実現できる背景として、売上に対する商品(カテゴリー)構成比の違いを大手化粧品メーカー、コーセーとの比較するグラフが出ています。
コーセーがスキンケア50%、メーキャップ40%、その他10%
なのに対して、
ロクシタンは、ヘアケア26%、ボディーケア25%、スキンケア24%、その他フレグランスなど25%
という展開バランス。
ひとつのカテゴリーに偏ることなく、幅広く、バランスよく展開することによって、主力商品打ち出しをその時の生活社のライフスタイル、モチベーションに合わせてローテーション、店頭に変化を持たせる演出ができるのは、このカテゴリー展開とバランスにあるようです。
○売上の3割を占めるという、割安ミニサイズ詰め合わせ
いろいろ試して自分に合うものを見つけたい、節約したい、という顧客のソリューションにかなった企画商品が豊富。
それ以外にも、DMを中心とした顧客囲い込み、予約販売による需要予測、方向修正など、ロクシタンのいろいろなビジネス戦略が掲載されていて楽しく、感心しながら読ませていただき、また、とても勇気づけられました。
化粧品業界以外にも、靴、服飾雑貨、アクセサリーなど、ファッション商品なのにもかかわらず、今でも、企業決算都合の半期だとか、業界が勝手に決めた古典的な2つのシーズン、ロングサイクルでモノづくりをしていて、「アパレル業界とは違う」からシーズンを細分化できない、変えられない、と言われている業界がいくつもあります。
しかし、このロクシタンのチャレンジは、業界大手が相変わらず、旧態依然とした商品サイクルを展開しているのに対し、生活者のライフサイクルの視点、ファッションの視点にたって、短サイクル化で生活者のライフサイクルに合わせ、ソリューションに応えて成長をしている好事例だと思います。
業界の常識(作り手の都合)だと言って、できない理由を並べ立てる前に、できる方法を考えて実行している化粧品業界の新星、ロクシタンに勇気づけられるとともに、同社から学ぶことがたくさんあるのではないかと思った次第です。
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