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12月15日オープンの準備を進めているアバクロこと、アバクロンビー&フィッチ銀座店が気になって、週末にお店の前に行ってみました。
銀座4丁目から、5丁目の交差点を超えたあたりから、何やらウッディな香りが・・・もしや、と思ったら、やはり、アバクロ店内から漂うオリジナルフレグランス"FIERCE"の香りではありませんか~。アバクロは、オープンにあたって、銀座6丁目交差点界隈をこの香りで満たして洗脳?しようという作戦なのでしょうか(笑)
店頭にCOMING SOONだとか、派手なオープン告知はありませんが、10日から始まったという店頭に立ち並ぶ、イケメン「ストアモデル」による告知イベント?(立って通行人の質問に答えているだけですが)に女性を中心とした通行客の人だかりが・・・噂を聞いた、モデルと一緒に撮影する女性が次々と歩み寄る一方、韓流スターやアイドルグループのプロモーションと勘違いする奥様たちの声、シャツの前ボタンを全開して、裸身を露出するモデルに冷たい視線を浴びせるおば様たちも・・・そんな通行人の声にしばし耳を傾け、楽しんでおりました。
この様子は
銀座経済新聞や
Fashionsnap.com
をご覧ください。
さて、オープン前およびオープン当日のメディアの取材は一切受け付けず、H&Mやフォーエバー21とは逆にマスメディアを全く利用しないシークレット戦略で期待を煽る?アバクロ銀座店。
アバクロ日本進出、まだ見ぬアバクロ日本1号銀座店=アジア旗艦店をどんな風に見て楽しむか?アバクロの魅力について触れた過去のブログエントリーも交えてファンのひとりである私なりに、ご紹介をしたいと思います。
アバクロのアメリカでのメインターゲットは、大学生。といっても、Casual Luxury カジュアルラグジュアリーのコンセプトよろしく、ちょっと高級感、高めの価格設定のため、大学生が背伸びして買ったり、親に買ってもらう時に指名されるカジュアルウエアブランドというところが実情です。日本では、ハワイや西海岸に旅行、滞在した30-40代の男女客層がファンになるケースが多いようにトラッド、アメカジがベースにあるので、幅広い客層を取り込んでいますね。
ぱっと見は、ご存知、MR.アメリカンブランド、ポロ・ラルフローレンに、いい雰囲気のヴィンテージ加工、ダメージ加工を施した商品群と店舗内装。
しかし、見よう見まねで同じような商品、内装を施すファッション企業にまねができない、アバクロストアの本当の魅力、こだわりを表す表現として、「五感を刺激するファッションストアー」という言葉が使われることがあります。と言っても、「味覚」はないと思いますが(笑)、
○視覚=高級感溢れる内装。世界的に著名な写真家、ブルース・ウェーバー撮影による店内モノクロセクシーなモデルのフォトは来店客の目を引きつけます。すべてにおいて、”ボリューム”と”張り”に「気合」を感じる魅力的なVMD(ヴィジュアルマーチャンダイジング)技術は、世界の中でもトップクラス。店舗の雰囲気を盛り上げるために採用されているという「ストアモデル」の顔立ち、スタイルは、憧れの的。
○聴覚=クラブにいるような、大音量、胸を打つヒットチャートのBGM
○嗅覚=店に入ったとたんにウッディーなオリジナルフレグランスが香り、
○触覚=床のじゅうたんの上を歩く気持ちのよさ、ヴィンテージ加工を施した柔らかい手触りの商品群
多くの来店客に、入店間もなくスイッチを入れ、とりこにしてしまうこれらのきめ細かい演出は、ファッションのショッピングってのは、エンターテイメントビジネスなんだな~ってことを教えてくれます。
業界では、いったん中止になった2007年が日本進出のベストタイミングだったと語る方が多いです。
そのころは、まだ、アメリカでのアバクロの業績も勢いがありましたし、H&M、フォーエバー21などファストファッション上陸前で、日本でも若干高めの価格も十分訴求力があり、通ったであろうと。
価格帯については、オープンしてみないとわかりませんが、WEBサイトのアメリカの小売価格をそのまま円価で設定(内外価格差=1.0)したら、おそらく、日本のGAPと同じくらいの価格帯になるのではないでしょうか?そのあたりだったら、結構いけそうな気がしますが・・・スケベって、ポロラルフローレンや、ディーゼルみたいなポジショニングをとってしまったら、わかりません。
いま、アメリカでのアバクロは、不況下にあっても、従来の高級路線を変更せず、既存店売上前年対比は8掛け、7掛けと通年でも赤字になりそうな危機の状態の中、インターナショナルな出店戦略に活路を見出そうとしています。
私も、そんな状況の中で、アバクロの日本進出を少々ネガティブに見ていたひとりです。
しかし、直近のアバクロのサイトを眺めていて、自身のアメリカのアバクロでのショッピング体験を思い出し、あらためて、元気をもらったような気がしました。特にミラノの旗艦店のオープンの動画(A&F MILANのところ)を観てみてください。わくわくしてきます。
Abercrombie&Fitch
アバクロ日本進出から日本のファッショニスタ、そして業界が感じ、学ぶこと。
それは、ファストファッションの浸透によって、安くても、品質がよい、安くてもおしゃれな商品は常識となり、今や、マーケットにないものはないくらい商品の選択肢は豊富になりました。
そんな、商品のバリューだけの競争が最終段階に入って行くファッションマーケットにおいて、今後は、ファッションビジネスは空間、体験、共感、感動というエンターテインメント性の競争に突入するのではないか?
そして、デフレ経済下、萎縮ムード、草食化?のマーケットに、アバクロが”FIERCE”=勇猛さ、強さ、カッコよさをアピールすることのチャレンジは日本でどう映るのでしょうか?
アバクロは時代のムードを変える起爆剤となる力を持っているのでしょうか、それともKYと一蹴されてしまうのでしょうか?
オープン後、お店を訪れるお客さんが発するオーラーを、肌で感じ、共感するために、できるだけ早めに銀座店に行ってみようと思います。
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