サイゼリヤの生産性向上への取り組み
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12月21日の日経新聞、「経営の視点」に2009年9月期、営業利益10%強と、ファミレス業界で断トツの高収益をたたき出した、サイゼリヤの生産性向上への取り組みが紹介されていました。
ほとんどのメニューが500円未満と低価格を売りにしているサイゼリヤですが、経費を削ってたたき出している利益かとおもいきや、同社の都心店舗のパートアルバイトさんの時給は1200円前後と高水準、かつて時給引き下げは一度も行ったことがなく、逆にじわりじわりと上がっているとのこと。
その秘密は同社の生産性の向上への飽くなき取り組みだということがわかりました。
○掃除機を使わずに、120センチ幅のモップを使って掃除にかかる作業が半分で済んだ話
○皿洗いの時間を短縮するために、油を落としやすい食器づくりに取り組んだ話
○自社農場で、加工しやすい野菜づくりや、安定供給のために南半球に加工場を構えている話
○期間限定の値下げなどをしないのは、急激な客数増、その反動で店舗作業が乱れることを避けるためだという話
などなど・・・
記事にはありませんでしたが、サイゼリヤのレジ位置が店舗によって違うのは、厨房とレジとドリンクバーを近くに配置して生産性を上げるためという話も聞いたことがあります。
業界や仕事の常識を疑い、業務のひとつひとつを科学して、どうしたらもっと生産性を上げられるか?を常に考え、カイゼンする社風を支えているのは、同社の大半を占める理科系出身社員さんだそうです。
記事のタイトルに
デフレ嘆く前に常識疑え
とあります。
不況、売上不振になると、どうしても、給与・時給を下げたり、スタッフの頭数を減らしたり、労働時間を減らして、単にコストカットをして、がんばろう、乗り切ろうという話がでます。こんなご時世ですから、今、そんな話身の回りでも起こっているはずです。
しかしながら、サイゼリヤのように生産性向上の取り組み、努力なくして、ただ、ただ現場で働く人に負担をかけ、モチベーションと売上のダウンスパイラルに陥るケースってたくさんあるのではないでしょうか?
現場のスタッフが、作業が増え、やり方が分からず、余裕を持って、気持ちよくお客さんと向かい合う時間を十分に作れない、接客のための十分な情報を提供できないのは、本部の責任に他なりません。
常識を疑って、どうしたら、生産性を上げ、気持ちよく仕事ができるか?現場の仕事のひとつひとつを科学するクセをつける。理系の人じゃなくても、現場主義の発想を持った人なら誰でも考えられるはず。
これは経営効率の問題でもありますが、同時に売り場に来店されるお客さんや現場を守る人たちに対するおもいやりの問題でもあると思います。
サイゼリヤの記事を読んでいて、私も専門店チェーン勤務時代に店舗作業軽減に長年取り組んだころのことを思い出すと同時に、異業種であるファッション業界も、儲からない理由をデフレのせいにするのではなく、現場と向かい合って、まだまだやれることはたくさんあるのではないかと思ったものでした。
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Comments
僕も専門店本部員でしたが、前職場も業績悪くなると人件費の切りつめを真っ先に考えるようなところがありまして今回のコラム何度もフム、フムとうなずきながら拝見いたしました。
話しかわりますが、以前ABCマートのリアルレザーのお話しあったと思いますが、こちら店頭に並んだ後どのように思われていますか?
僕は、これABC大飛躍の萌芽になるかもと期待しているのですが。
Posted by: kanji | December 24, 2009 10:36 AM
kanjiさん
いつもコメントありがとうございます。
ABCのリアルレザーシリーズ、店頭で見ましたが、ブラック、ブラウンのスムースレザーの商品は、より精度が高まるとよいかなと思いましたが、5900円ウォーキングシューズシリーズは10,000円クラスのものに比べて遜色ない、というのが私の感想です。
今後の広がりも楽しみですね。
Posted by: taka | December 28, 2009 07:35 AM