在庫を減らして利益を上げる原理原則
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売れ残るリスクをとるか!?
売り逃すリスクをとるか!?
「在庫を大幅に減らしながら、利益を上げる」-小売の常識を覆す!
という新聞広告に目が留まって、「ザ・ゴール」でおなじみの世界的ベストセラー作家、エリヤフ・ゴールドラット氏が書かれた
「ザ・クリスタルボール(原題は"Isn't It Obvious")」
を読みました。
内容は、アメリカのホームファッションチェーンのある店舗を舞台に、現場の気付き、仲間の理解・協力、反対・抵抗、試行錯誤の後、在庫を減らして、同じ来店客数でも買上げ率を上げ、売上と利益と投資効率を飛躍的に伸ばしたサクセスストーリー。
どこにでもありそうな現場で繰り広げられる小説仕立てのストーリーに引き込まれながら、ファッションを含む物販小売チェーンの顧客視点に立った正しい在庫の減らし方、あるべき物流改革、サプライチェーン改革の基本中の基本、王道が学べるとても面白い本だと思います。
アマゾンのレビューを見ると、「目新しいことは何も書いていない」、「そんなの日本の流通の常識」というコメントもいくつかありますが、たぶんそう言われる方は、学者や現場経験のないコンサルタントの方で、業界トップ企業の事例が業界のすべて、常識、現場は思い通りに動くと思っていらっしゃる方ではないかと思います。
多くの現場の現実をご存じの方は、とても楽しく読んで、納得し、気付き、勇気をもらえるのではないかと思います。
私自身も、10年前に当時の勤務先(アパレル小売チェーン)で、在庫コントロール部を立ち上げ、最初は不信、ついには協力を得て、数年がかりで在庫を削減して利益を向上させた時のことを思い出しながら本書を読み、「ある、ある」、と頷きながら読ませてもらいました。
売上予算を取るために現場が出来るだけ多くの安心在庫を抱えたがるのは当然だと思います。店舗が仕入予算を持っていたらなおさらでしょう。
物流担当者も、一般的に、官僚かのごとく、また、バイヤーもなぜか仕入先の肩を持ち、従来の仕事のしかたを変えるのを嫌がるところがあります。
しかし、それが機会損失、在庫の硬直化、店頭鮮度低下、在庫過多、顧客不満足、顧客離れ、キャッシュフロー悪化のボトルネックになっているものです。
そんな従来のやり方の変更に対するアレルギー、抵抗をひとつひとつ和らげながら、現場に成果をイメージしてもらいながら、在庫を減らしてゆくのは至難の業ですが、最初の抵抗が、店頭在庫最適化がもたらす顧客満足への信念と執念と根気によって、大きな協力に変わることもあるのです。
サプライチェーン改革に奇策はありません。
多くのファッション企業の方に読んでもらい、やってみよう、と思って欲しいなと思います。
最後に、小説の結びのところで、主人公たちが自社での国際的な成功を見届けた後、多くの業界で同じ課題を抱え、伸び悩んでいる企業のためのサプライチェーン改革のために乗り出さないか?と夢を語り合っているシーンがありますが、私のライフワークに重なるところもあり、とても共感いたしました。
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