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February 20, 2010

中国人春節特需で思う日本の観光立国化

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 今週は新聞各紙で、中国人が旧正月(春節)の長期休暇(13日~21日)に日本に訪れ、買い物をして帰る「春節特需」に関する記事が目につきました。
 
 業界にいると、旧正月(春節)は、アパレルや靴の中国生産がらみで話題にのぼること(そのころは中国生産が止まるので、早めに発注せねば・・・うんぬんという話)はあっても、日本での観光客特需がここまで集中的に新聞紙上で話題になったのは初めてではないでしょうか?

 以前から、表参道のブランドショップの売上の3割はアジア人によるものだとか、竹下通りの売上の半分近くはアジア人需要だとか、銀座の百貨店の・・・そんな話はよく耳にしていましたが・・・

 スクラップした記事から少し気になる数字を列挙してみましょう。

 (日本繊維新聞2月16日号)
○09年訪日外国人旅行者679万人=18.7%減の中 中国人は0.6%増の100万6200人
○主力百貨店の外国人観光客による売上(※)が急速に回復、09年11月、12月、1月は前年比二桁増
 ⇒今回の春節には大いに期待。
 ※免税手続きをした売上のみの比較の模様

 (日経新聞2月18日号)
○中国人観光旅行者の物品購入費は平均7万8680円と欧米人の約3倍
○年間4500万人の中国からの外国旅行者のうち、日本にはまだ100万人(シェア2%)しか来ていないのは個人の観光ビザに年収25万元(約330万円)の制限をつけているから

 これらの数字をみると、今後、中国人の観光旅行客による需要にはものすごく潜在力がありそうな気がしますね。

 その少し前にスクラップした2月13日の日経新聞の記事にも気になる内容がありました。

 西武有楽町店の跡地に某家電量販店(=ヤマダ電機)の名前が挙がっていることに対して、「銀座」の街並みが変わることに対する近隣商業関係者の「戸惑い」と「期待」を綴った文章の中で、

 今秋増床する三越銀座店に、増床するなら家電製品を扱って欲しいと中国政府関係者が働きかけたとか。

 実現するかどうかはわかりませんが、中国側は「ブランド品」と「家電」といった中国人観光客の2大「お目当て」が1か所で買える拠点ができることに対する期待を表すもののようです。


 目下、国内市場が頭打ちになった日本流通企業にとって、中国に進出して企業規模を拡大することが課題ではありますが、このように、日本が中国人を中心として、アジア人観光客をもっと受け入れ、日本で売上を拡大することも、今後見過ごせない政策のひとつになりそうです。

 日本の市場が大きすぎたために、海外進出の発想と態勢が遅れた日本企業、日本人にとって、変に海外に出て行って失敗するより、日本国内に上手に引き込んで商売する方が手堅いような気がしてなりません。

 世界に誇った製造業が空洞化する日本で、観光立国化を掲げるのは民主党。海外に出てゆくにしても、国内で待ち受けてアジア人を顧客にするにも、英語と中国語の語学は必須になりそう。これから、日本を背負って立つ若い方々にはいずれにせよ、その二つの語学を習得してもらいたいと思います。

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Comments

こんばんは、ブログを気が向いた時に時々読ませて頂いてます。
百貨店の紳士に数年いたこともあり、なかなか楽しく読ませて頂いてます。

読んでいてふと思ったのが、これは百貨店の立ち返りかな?と思いました。2000年前後から百貨店はいつのまにかアパレルと一部百貨店の食品に執着し、文具や玩具、家具調度類、日常雑貨、本などは縮小を迫られ、一貨店ないし十貨店になっていたように思えます。
元々日本の百貨店は買い易さと一ヶ所で済ませる利便性の元で構築されて来たと考えているので、現在のアパレル中心の百貨店からついで買いの百貨店へ立ち返ることは、日本人にとっても利益があるのではないかと思います。
懐古主義ではないですが、昔ではカメラ、また電子レンジが発売された当初のことを上司から聞いたり、楽器関連があったり、パソコンが売られていたことを今思えば、百貨店で家電を売るのは寧ろ自然なことだったのではないかと思います。
新しい物や高級品に胸をときめかせるのはいつになっても楽しいものです。
時代は悪くなってしまいましたが、石津謙介氏の言うファッションとはライフスタイルであるという原点に立ち返り、百貨店で生活のトータルコーディネートをするという提案は今の世の中案外活力剤になるのではないかと思います。

長文失礼しました。

Posted by: りおっく | February 23, 2010 04:09 AM

りおっくさん

コメントありがとうございます。

おっしゃる通り、確かに百貨店は当初の役割を失ってしまいましたね。

客層は変わっても、ワンストップのライフスタイル提案は大切な役割だと思います。

これからもよろしいお願い致します。

Posted by: taka | February 24, 2010 08:21 AM

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