「激安ジーンズ」の販売状況と課題
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2月1日の繊研新聞に、昨年3月にユニクログループのg.u.(ジーユー)が990円ジーンズを発売したことが引金となり、量販店各社がこぞって、下をくぐって1,000円を切るジーンズをリリースした大手スーパー各社の「激安ジーンズ」の販売状況と評価に関する記事が掲載されていました。
・イオンの880円ジーンズは8月末に発売し、2月末までの販売計画100万本に対して1月中旬時点で130万本販売済み
・ダイエーの880円ジーンズは9月に発売、1月末で26万本販売済みは年間50万本の目標を2ケタ上回る勢い
・西友の850円ジーンズは、数量は非公開ながら当初計画の3倍
と予想以上に売れているようですね。
従来の単価の取れる自社商品が売れなくなり、売上額が減るのでは?という多くの業界の客観的な見方に対して、
イオンでは、「他の商品が食われることなく880円だけでなく、1980円、2900円も2ケタ増」
ダイエーでは「カジュアルパンツ全体の売れ数は50%増で自社内競合はない」
とし、「テレビを見て来店した新規客」が(おためしで)購入するケースが、ここまでの客数増には大いに貢献したと評価しているようです。
客層としては、ジーンズをはくのが初めてという60代が半数、40~60代の中高年が中心とのこと。←商品のシルエット、面(ツラ)からして予想通りです。
課題としては、(ユニクロのような)ついで買いはなく、波及効果は薄い、来店客数が増えているうちに、どれだけ魅力があり、客単価(セット買い)と粗利額を稼げる魅力的な商品開発が追いつけるか?にある、と記事は結んでいました。
この見方に同感であるとともに、加えて私が懸念しているのは、ジーンズというアイテムは、Tシャツやインナーやフリースのように、年間何枚も買う、「何枚あってもいい商品」ではなく、一般統計的に、年間2本は買わない商品だということです。
安いからといって、まあ、中には、一度に2本買う人もいるかもしれませんが、3本は買わないし、そこそこ耐久性があるデニムジーンズは、はきこんで馴染む、味が出るものだと思うので、一度買った人は、よかったとしても、悪かったとしても、しばらくは買わないでしょうから。
そんな衣料売り場にとっては、回転率が低く(年間2回転台)、従来比較的単価の取れた商品群を無理して薄利で売り続けてしまうことの企業収益へのインパクトとサイズ管理の徹底による顧客満足の維持がどこまでできるか?ということと、店頭鮮度の低下を心配します。
この「お試し需要」が一巡した後の各社の状況をウォッチしておきましょう。その顛末は、きっと業界の教訓になるはずですから。
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