中国から日本、そしてアジアを見る
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4月10日の日経新聞一面、「こもるなニッポン」という連載記事にあった、北京大学大学院留学中のカリスマ留学生として知られる加藤嘉一さん(25)のインタビュー関連記事を読んで、頼もしい、目から鱗、と感じるとともに、日本人の海外留学状況を憂いました。
加藤さんは日本の高校を卒業して、北京に留学し、現在、大学院で国際関係を学ぶ傍ら、日中関係について、中国語で本音を語れる日本人。雑誌、ネットのコラムニストであり、テレビ番組に出演するコメンテーターとして、中国メディアが日本について知りたい時は、彼に聞け、というくらい引っ張りだこの方になっているようです。
彼は、中国語が一切話せない状況で中国に飛び込み、現地で、日本のことを知りたい、日本から学びたい中国人が必死に日本語を学び、日本語で話そうとするのが当たり前の状況と、一方、国際的な場面でも、日本語しか話さない多くの日本人の現状を憂いて、生放送でも中国語で話すことを売りにしている一皮むけた日本人であり、希少な存在であるところが人気の理由のようです。
近い将来、間違いなく、アジアの中心になる中国に身を置くことによって、日本が、そして世界が違って見えることに関する加藤さんのコメントの数々がとても刺激的でした。こうなんなきゃだめだよな~、自分が若かったらこんな生き方したいよな~とか思いながら・・・
急速なグローバル化が進む世の中で、本当は、日本でも、加藤さんのような若者がどんどん出てくることが望まれますが(カリスマ読者モデルもいいですが、こういった人を次世代のリーダーとしてメディアがどんどん取り上げるべきですね)、連載記事にあるように、世界に出てゆくどころか、逆に「こもって」しまっているのが日本の実情のようです。
記事にあった留学生に関するデータをご紹介しますが・・・
・アメリカの留学生、伸びの著しいインド(9.2%増)、中国(21.1%増)、韓国(8.6%増)に比べて、前年比二桁減(13.9%減)になっている日本。
・世界で学ぶ留学生は、日本は3万人を割り込んだのに対し、人口1/3の韓国は7万5千人。
・ハーバード大学1年生1600人中、日本人はたったひとり!?一方、同校出身者の中で、外国人では、英国、カナダの次に多くのOBを排出しているのが韓国。
日本人の多くが、経済も文化も、日本がまだ、アジアを引っ張っていると考えているかもしれませんが・・・もう、欧米、いや世界の企業のレーダーには日本は映っていない、と先日お会いしたイタリア在住の方、アメリカ在住の方がそれぞれ口をそろえておっしゃっていたのが印象的でした。
世界の政治家たちは、日本を飛び越えて北京に頻繁に行っているのは有名。アジアの空輸のハブは、羽田問題でも話題になったように、今、韓国仁川(インチョン)にある。また海運のアジアのハブは上海になりつつあります。日本を含むアジアマーケット攻略のために、IKEAやH&Mといった地政学のわかるグローバル企業があたりまえのように、アジアハブ物流の地として選んだのは上海です。
とにかく、もう、日本、東京は、アジアの一部であって、中心(センター)じゃないんですよね。
日本の業界では、危機意識の強いユニクロのファーストリテイリングくらいでしょうかね、グローバルヘッドクオーターを東京から上海に移そうと本気で考えているのは。
遅かれ早かれ、多くの日本企業にとって、中国は売りに行く場所(いちマーケット)ではなく、そこに身を置き、日本を含むアジア全体を見渡す場所(センター)として考えて行かなければならなくなるのでしょうね。
そんな時代に向けて、我々は今、どんな準備をすべきでしょうか・・・冒頭で触れた加藤さんの生き方が示唆するものは少なくないように思います。
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