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5月6日に、ユニクロの4月度既存店月次売上高が前年比12.4%減収と発表され、2か月連続の2ケタ減となったことをメディア各社が取り上げております。
前年対比119.2%を売った昨年の4月のハードルは、消費トレンドのパラダイムシフトがユニクロにフォローな現在、決して難しい数字ではなかったと思いますが、4月の前年に比べての気温の低さは、巧みな単価コントロールで着実に客数を維持するしまむらや、シーズン中のマーケットの変化対応に強く、やはり客数維持の得意なポイントが以下のような状況ですから、致し方ないところはあるかと思います。
売上高 客数 客単価
ユニクロ 87.6% 92.2% 94.9%
しまむら 90.7% 92.8% 97.7%
ポイント 89.8% 90.9% 98.8%
それよりも、3月に既存店売上が前年割れした時にもブログで取り上げましたが、
関連エントリー-ユニクロ、3月既存店16.4%減より気がかりなこと
課題は商品政策にもありそうです。
以下、4月~ゴールデンウィークに各所でユニクロの店頭を見た感想を少し・・・
・ウィメンズトップスはデザインに走り、スタイルのよい女性を想定したものが多く見受けられる。デザイナーとのコラボも多数
・UJウィメンズも同様、スキニー、スリムフィットのオンパレード
・UTは、ディズニー、アニメキャラなどが圧倒的に多い。オンラインストアを見るとそれ以外にもいろいろあるんですがね。
店頭は完全にメジャーキャラクターものしかないのか?という印象。こちらは、海外店舗向け企画に傾斜してしまったのでしょうか?
・メンズのスリムフィットシリーズのバリエーションが結構増えている(店舗によってかもしれません)
・3月、4月の販売計画の狂いの調整もあるかと思いますが、ボトムまとめ買い、UTまとめ買い、POLOまとめ買い、など「まとめ買い割引きセール」がロングランで行われている。
・シルキードライのアンダーシャツ、クルー&Vの白が上旬にすでに完売状態(欠品)
・同ニットトランクスのXLサイズが完売状態(欠品)
一方
・キッズは、キャラクターが増えたのも手伝ってか、よく売れている模様
・POLOも、無難にまずまず売れているでは?
などなど
全般的に、万人に受けるベーシックカジュアルが強みのユニクロらしからぬ、「着る人を選ぶ商品」が、この春には多く、誰もが着られ、幅広い客層に支持される、アンダーウエアーなどのベーシックアイテムを中心とした、本来守らなければならない、既存顧客向けの品ぞろえや在庫コントロールが手薄になっているのではないか?という印象を受けます。
私も、小売チェーン勤務時代、既存店の売上が月次で前年を割ってしまった経験を何度もしていますが、その時の反省として、気温要因も確かに大きいものがありましたが、よくよく在庫を分析すると、往々にして、
コア顧客(想定している中心顧客)および、サブコア顧客(その品ぞろえに共感して買ってくださる、次に大きな塊を形成している顧客層)に対する、品ぞろえ漏れ、サイズ問題(細身すぎるとか)、欠品、そして、プライスラインの崩れが原因だった
ということが多かったです。
新しい顧客開拓、流行の先を行く客層に支持される商品、あるいは、ちょっと高めの商品が売れ始めると、バイヤーの多くが、そっちの方に走ってしまう傾向にありますから、ある程度の営業サイドからの歯止めも大事だと思ったものでした。
ベーシックカジュアルの先輩である米GAPも、品ぞろえがファッションに振れ過ぎた時、業績が低迷し、ベーシック回帰をした時に回復することは過去によくあったように思います。
さて、ユニクロは、今の品ぞろえで、4月よりもハードルの高い(※)、5月を乗り超えることができるでしょうか?
※前年5月の既存店売上高前年比は118.3%で、同4月より若干低めですが、2005年の売上を100とした時の指数で比べると、4月が112.3に比べ、5月は126.6になっているため
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