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May 08, 2010

ユニクロの2ヵ月連続既存店売上高2ケタ減と店頭で感じた品ぞろえの違和感

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 5月6日に、ユニクロの4月度既存店月次売上高が前年比12.4%減収と発表され、2か月連続の2ケタ減となったことをメディア各社が取り上げております。

 前年対比119.2%を売った昨年の4月のハードルは、消費トレンドのパラダイムシフトがユニクロにフォローな現在、決して難しい数字ではなかったと思いますが、4月の前年に比べての気温の低さは、巧みな単価コントロールで着実に客数を維持するしまむらや、シーズン中のマーケットの変化対応に強く、やはり客数維持の得意なポイントが以下のような状況ですから、致し方ないところはあるかと思います。

        売上高    客数    客単価
ユニクロ  87.6%   92.2%  94.9%
しまむら  90.7%   92.8%  97.7%
ポイント  89.8%   90.9%  98.8% 

 それよりも、3月に既存店売上が前年割れした時にもブログで取り上げましたが、

関連エントリー-ユニクロ、3月既存店16.4%減より気がかりなこと

 課題は商品政策にもありそうです。

 以下、4月~ゴールデンウィークに各所でユニクロの店頭を見た感想を少し・・・

・ウィメンズトップスはデザインに走り、スタイルのよい女性を想定したものが多く見受けられる。デザイナーとのコラボも多数

・UJウィメンズも同様、スキニー、スリムフィットのオンパレード

・UTは、ディズニー、アニメキャラなどが圧倒的に多い。オンラインストアを見るとそれ以外にもいろいろあるんですがね。
店頭は完全にメジャーキャラクターものしかないのか?という印象。こちらは、海外店舗向け企画に傾斜してしまったのでしょうか?

・メンズのスリムフィットシリーズのバリエーションが結構増えている(店舗によってかもしれません)

・3月、4月の販売計画の狂いの調整もあるかと思いますが、ボトムまとめ買い、UTまとめ買い、POLOまとめ買い、など「まとめ買い割引きセール」がロングランで行われている。

・シルキードライのアンダーシャツ、クルー&Vの白が上旬にすでに完売状態(欠品)

・同ニットトランクスのXLサイズが完売状態(欠品)

一方

・キッズは、キャラクターが増えたのも手伝ってか、よく売れている模様

・POLOも、無難にまずまず売れているでは?

などなど

 全般的に、万人に受けるベーシックカジュアルが強みのユニクロらしからぬ、「着る人を選ぶ商品」が、この春には多く、誰もが着られ、幅広い客層に支持される、アンダーウエアーなどのベーシックアイテムを中心とした、本来守らなければならない、既存顧客向けの品ぞろえや在庫コントロールが手薄になっているのではないか?という印象を受けます。

 私も、小売チェーン勤務時代、既存店の売上が月次で前年を割ってしまった経験を何度もしていますが、その時の反省として、気温要因も確かに大きいものがありましたが、よくよく在庫を分析すると、往々にして、

 コア顧客(想定している中心顧客)および、サブコア顧客(その品ぞろえに共感して買ってくださる、次に大きな塊を形成している顧客層)に対する、品ぞろえ漏れ、サイズ問題(細身すぎるとか)、欠品、そして、プライスラインの崩れが原因だった

 ということが多かったです。

 新しい顧客開拓、流行の先を行く客層に支持される商品、あるいは、ちょっと高めの商品が売れ始めると、バイヤーの多くが、そっちの方に走ってしまう傾向にありますから、ある程度の営業サイドからの歯止めも大事だと思ったものでした。

 ベーシックカジュアルの先輩である米GAPも、品ぞろえがファッションに振れ過ぎた時、業績が低迷し、ベーシック回帰をした時に回復することは過去によくあったように思います。

 さて、ユニクロは、今の品ぞろえで、4月よりもハードルの高い(※)、5月を乗り超えることができるでしょうか?

 ※前年5月の既存店売上高前年比は118.3%で、同4月より若干低めですが、2005年の売上を100とした時の指数で比べると、4月が112.3に比べ、5月は126.6になっているため

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Comments

ユニクロは在庫売切方式じゃなかったでしたっけ?
その販売予想を指して在庫コントロールと言うなら別ですが
冬の定番ヒートテックは売上が上がっていた時期でもずっと欠品でした

Posted by: 名がありません | May 12, 2010 10:37 PM

名がありません さん

いいご質問をありがとうございました。

ユニクロはおっしゃるように「在庫売切方式」と呼んでもよいかもしれませんが、それは多品種多頻度投入のファストファッションが取る「売り切れ御免」方式ではなく、「計画的に仕込んだ商品を広告宣伝力によって実売期にしっかり売って、シーズン末までには売り切る方式」と言うべきでしょうね。

在庫コントロールとは、総量需要予測から始まり、カラ―サイズ単位で、適時店別在庫を最適化する技術だと思っていただければよいと思います。

ユニクロの総量需要予測の精度はそこそこかもしれませんが、シーズン中のカラ―サイズ別は店頭を見る限りずさんと言わざるを得ません。

興味がある商品を見つけた時、自分のサイズを探そうとした時に、S-山盛り、XL-山盛り、M,Lゼロという状況にどれだけ出くわしたことか・・・

ヒートテックにしても、シルキードライにしても、広告宣伝するのではあれば、シーズン末ならまだしも、実売期に顧客の期待を裏切って、特に白の中心サイズなどは切らしてはいけませんよね。

品薄感を煽るのが目的であれば別ですが、それは+Jではやってもいいかもしれませんが、ユニクロがやることではないでしょう(笑)

Posted by: taka | May 13, 2010 06:17 PM

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