匠(たくみ)の人材国際化
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6月28日の日経MJに、ファーストリテイリングが、今後、ユニクロの中国以外の生産比率を高めるにあたり、生産工場の技術指導にあたる専門職、「匠(たくみ)」の人材国際化に取り組むことに関する記事が掲載されていました。
日本の繊維産業で、技術職として長い業務経験を持ち、現在、ユニクロの中国工場で技術指導を行う匠さんは、現在、約30人、すべて日本人のようですが、今後、同社のバングラデシュ、インドなど南アジアに広がる生産地で、活躍する外国人匠を育成すべく、まずは、中国人を採用し、日本人匠の技術を継承しながら、中国以外の国で生産されるユニクロ商品の品質向上に役立てて行こうというものです。
ユニクロが、中国以外で行う生産工場は、私が知りうる限り、ユニクロが現地で独自に開拓した工場ではなく、同社の約70社の既存の中国系企業(上海、香港、シンガポール本社)が、中国より安い労働力を活用すべく、南アジアに進出し、設立した工場に相乗りしたパターンだと思いますが、
・既存の日本人匠さんの高齢化、技術絶滅の危機
・パートナー企業の中国以外の生産地への進出のバックアップ
・これまでユニクロの品質神話のバックボーンとなってきた匠の技術が、生活者にとって未知の原産国で生産する場合でも、関与することによる生活者への安心感のアピール
などの目的で、外国人匠(あるいは候補)の採用に乗りだしたというわけです。
あと、現在のベテラン匠さんが、中国なら、まだ食事も口に合うし、日本語が話せる現地人もそこそこいて、活動しやすいでしょうが、南アジアとなると、それよりは、過酷な環境が待っているってのもあるのでしょうね。
記事には、将来、日本の専門学校を卒業した日本人にも、匠の技術を伝承してゆくというコメントもあり、一方では、それに期待したいところですが、即戦力になるのは、中国工場で匠の技術を教わった、教え子の中国人技術者っていうが現実なのでしょう。
以前、商社で国内生産に携わっていたころ、職人のオヤジさんの背中を見ていた自分としても、日本の技術を、なんとか、少しでも、日本人にも継承しておけないものかな、と考えることも多い今日この頃です。
関連エントリー-日本の「匠(たくみ)」の火を絶やさないために
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