しまむらが磨きをかけるバーチャルSPA(製造小売)
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6月28日の日経MJの1面、3面に、ユニクロに次ぐ、業界単独2位のしまむらが着々と進める、次なる成長戦略に関する記事が掲載されていました。
1位のユニクロが、進める海外戦略に対して、今のところ、国内出店を優先し、現在1180の国内店舗(店舗数ではファッション企業日本一)を、2000店にまで持ってゆく構想が進行中のしまむら・・・そのカギとなるのは、言うまでもなく、同社売上シェアが断然低い東京、大阪といった都市部への出店です。
同社が、今の野中社長に代替わりし、都心部攻略の方針を掲げてから、東京・高田馬場、三軒茶屋、南千住とずいぶん、ゆっくりとした、都心出店でしたが、記事によると、それらの店舗を舞台にして、さまざまな実験を繰り返し、手ごたえを得、いよいよアクセルを踏むのではないか、というニュアンスが記事から感じ取れました。
同社の都心部への出店も興味が尽きないところですが、記事で併せて紹介されていた、「バーチャルSPA」とも言える、同社が小売業として自前でノウハウを蓄積し、サプライチェーンに対して、リーダーシップを果たしているいくつかの事例も業界は、しっかりベンチマークすべきだと思います。
まず、しまむらは、ユニクロのようなSPAではなく、メーカーからの製品仕入れが基本の集荷型専門店ですが、その規模とバイイングパワーから、取り扱い商品のほとんどは、同社専売品やPBで、完全買取、価格決定権を持っています。
昨年から、バイヤーが素材開発のため、素材メーカーと直接商談し、同社が素材を押さえた上で、複数の製品メーカーに割り振り(決済は素材メーカーと製品メーカーが直接行う)、商品化し、「製品買い」するものが増えている模様。
トレンド情報収集に関しても、同社のバイヤーが年間延べ100人単位で欧米マーケットを視察しているのも有名な話。
また、最近は特に、バイヤーや商品管理の社員のMD研修や、ものづくりにかかわる研修(パターンの知識まで勉強している!)に力を入れているようですよ。
これらは、あくまで、メーカーをリードし、自社の顧客にとって、着心地がよい商品を共同開発するのが目的で、自社で作ることが目的ではないようですね。
また、記事では触れられていませんが、業界筋によると、ヤング部門の商品は、発注→店頭のリードタイムが、もはや30-40日くらいになっているようで、独自の店間移動システムで売り切るしくみとあわせて考えたら、これはもう立派なファストファッションオペレーションですよ。実際、同社の商品回転率は9回転以上と同業の中でも高いですし。
記事の最後の部分にあった一文を引用します。
「ここ数年、機能衣料で大ヒットを連発するユニクロを追随する衣料専門店やスーパーは多いが、しまむらは一見、同じような機能衣料でも自らの強みを考え、アパレルからの仕入れを基本としながら、個性派商品を次々と打ち出す。その姿は、衣料不況を乗り切る答えがSPA化だけではないことを物語っている」
とても共感できる話だと思いませんか?
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