メード・イン・ジャパン復権と日本製の未来
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6月18日の日経MJの一面は 「繊・衣 次の一手~メード・イン・ジャパン復権」という大見出しで、国内生産をあらためて見直し、力を入れる大手アパレル、レナウンのダーバン、ワールド、三陽商会に関する記事でした。
百貨店売り場と言えど、アパレルの中国生産が主流になり、原産国にこだわらなくなった日本人が増え、国内産業空洞化と言われる中、一方で、中国人など外国人観光客に注目される「日本製」の需要への各社の取り組みが紹介されていました。
レナウン、三陽商会は古くから国内に自社工場を持っていた会社ですが、ワールドはここ何年かで、もともとは協力工場であった縫製工場、ニット工場、染色工場などを傘下に収め、垂直統合を進めていたことに、日本のインディテックス(ZARAの運営会社)を目指すのかな、とちょっと楽しみにしておりました。
記事では、日本製のこだわり、丁寧さ、品質の高さがクローズアップされ、大手アパレルがそれをどう顧客に伝えるかの工夫が取り上げられていました。アパレルがキャンペーンを張って、メディアも連動すれば、景気回復で、株や投信で余裕の出てきた新富裕層や、アジア観光客の需要が喚起でき、しばらくは売上アップも期待できるかと思います。
私も20年くらい前、商社時代は国内の縫製工場や染色工場に入り込んで、職人のオヤジさんたちや縫製ラインのリーダーのおばちゃんたちに頭を下げて、学びながら、いい仕事をしていただくのが仕事だった時期もありますので、国産には思い出、思い入れもありますし、今でも、スーツやビジネスシューズや靴下は、日本人にとっては、メードインジャパン=日本製が世界一だと思っています。
しかしながら、記事では触れられていませんが、一方で、メード・イン・ジャパンの未来、すなわち、現場の高齢化、後継者問題は深刻なのが実情。各社がメード・イン・ジャパンをアピールするのなら、あわせて、後継人材育成にどう取り組んでいるのかも知りたいところです。
また、繊研新聞以外のメディアでは取り上げられませんが、今回紹介されている大手アパレルの工場はそうでもないかもしれませんが、いま、国内工場の多くが、外国人研修生による低時給ワーカーなしでは、成り立たなくなっている話もよく聞きます。
差別発言ではありませんが、アメリカのようにMADE IN USAの多くが、最低時給で働く移民によって作られているという現実に、日本の縫製現場の未来を見てしまいます。
日本の縫製技術を後継すべく、ひとつは、中国やアジアの工場に行って、縫製品質アップに活躍するユニクロでおなじみの「匠(たくみ)」さんの発想も悪くないと思いますが、その方々も、高齢であり、このままでは、いずれは絶滅してしまうのも間違いありません。
現代の日本の若者が、洋服作るのってかっこいいよね、ってプライドを感じられる環境づくり、しっかり食っていける収入が得られる構造、そして人材育成の仕組み・・・メディアと、大手アパレルの方々には、そんな取り組みに力を入れていただきたいな、と思っています。
関連エントリー-中国人観光客が日本製に殺到する訳
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