世界の工場、中国の賃金上昇が止まらない
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今週から始まった、中国人民元相場の弾力化による元レートの上昇が、中国からの輸入品のコストアップにどれだけ影響を及ぼすかは、日本のファッション流通にとって、気になるところですが・・・
6月21日の日経新聞に、併せて気になる、中国での急速な賃金上昇→コスト高に関する興味深い記事が掲載されていました。
中国経済の成長は、農村出身で人件費の安い労働者が都市部に移動して、主に、外資などが沿岸都市部につくった工場で、工場労働者として働き、そこで生産された製品を輸出することによって実現してきたわけですが、
・80年代から加速する少子化
・農村の余剰労働力の枯渇
一方、
・都市部では余剰労働力はあるものの(大卒の2割が就職できない)、賃金の限られた工場労働者需要へは向かわない
という現実があるようで、長期的な製造業の賃金上昇は止められないという話です。
この農村の余剰労働力が枯渇し、工場労働者の供給が止まり、賃金が恒常的に上昇し続ける転換点を、ノーベル経済学賞受賞の経済学者、アーサー・ルイスの名を取って、「ルイスの転換点」と呼ぶそうですが、中国では今まさに、その時点に達したところ、と中国政府関係者も発言しているようです。ちなみに、日本は60年代にこの転換点を迎えたとのこと。
トヨタやデンソーの中国工場で、賃金アップを要求した労働争議が起こって生産が滞っているのも、この現象の一つのようです。
中国は、人口が圧倒的に多いので、もう少しゆっくり進むのかな、と勝手に思っていたら、とんでもない、あっと言う間に、そんな状況のようです。
中国で生産する各社が、ベトナム、バングラデシュ、カンボジア、ミャンマーなど、特にFTAエリアに生産分散を検討しているようですが、悠長なことを言っていられないかもしれません。
最近、ユニクロの店頭で、カンボジア製、バングラデシュ製を見かけるようになりましたが、H&M、ZARA、FOREVER21でも、バングラ製、カンボジア製の商品が、前からやってはいましたが、急速に増えてきた感があります。
革靴、革製品以外は、ファッション商品に、QUOTA(輸入割当制、日本ではTQ)のない日本では、近隣でもある中国生産の恩恵にどっぷりつかって来ましたが、これからは、中国含めた、広域アジア圏のグローバルソーシングを真剣に考えなければならない時代になるのでしょうね。
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