ファストファッション時代の情報収集
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7月5日の日経MJに、ロンドンに本部を置き、インターネットで、世界中のファッショントレンド、デザイン情報を提供する、WGSNのアジアパシフィック地区責任者のインタビュー記事が掲載されていました。
WGSNは、ZARAのインディテックスグループ、H&M、TOPSHOPのアルカディアグループから日本のユニクロまで、世界のファッションリテイル企業はもちろん、デザインを重視している消費財メーカーまで、多くのグローバル企業が、活用している情報ツールです。
WGSNは、以前、日本語版のリリースにあたり、モニターをさせていただきましたが、
最近、ジャパン社の方とお話をしたら、その後、日本のクライアントでも英語で読みこなすユーザーが多いことがわかり(情報量も英語版の方が圧倒的に豊富なので)、日本語翻訳サービスは休止し、メルマガ形式のヘッドラインニュース配信方式(その部分は日本語)に切り替えられたようですね。
記事を読んで、今の日本のファッションマーケットとファッション企業の情報収集について、的確な指摘があったのでその部分、引用、ご紹介しておきたいと思います。
「日本で今、起きていることは世界の他の多くのところで起きていたことだ。世界的な大手の進出で、日本企業がこれまで経験してきたのとは違う価格構造ができあがりつつある。たとえ国内市場に向けて展開している企業であっても、グローバルな市場の動きを理解していないと自分のビジネスは崩れてしまう。」
これは、まさしく、私が、H&M日本上陸前からブログで訴えて来たことです。
「我々が提供してるのは、単なるデザインのためのツールではなく、360度の情報調査ツールだ。」
「ファストファションなど大手企業の動きはすなわち消費者の動きでもある。これを正確に理解し、差異化のための策を考えねばならない。具体的には、商品開発の過程、出来あがった商品への適切な値付け、店舗でのショッピング体験の提案などで独自性を研究する必要があるだろう。」
WGSNは、シーズン2年前の世界の流行色を予測するインターカラーから、1年半前に欧州トレンド情報会社がトレンドブックとして発売するような情報、欧州素材展の情報、欧米コレクション情報、ハリウッドなどのセレブの着こなし、世界のストリートウォッチから、ファッションストリートの店頭売れ筋情報まで、業界で考えうる、まさしく360度の情報を網羅しているわけですが、
○世界のファッショントレンドや売れ筋商品が、どんな背景、文脈から生まれて来たのか?
○世界の強豪企業は、どんな情報に触れながら、どんなプロセスでその商品を企画し、店頭に並べているのか?
たとえ日本のローカルマーケット向けであっても、もう、グローバルウォーズに巻き込まれてしまったのだから、限られた行動範囲の中で、単に、デザイナーブランドの購入サンプルや、セレブが着用したものをパクッて短期的な売上を作ったところで、残念ながら、欧州のファストファッションSPAには勝てっこないです。
そういう意味で、バイイングに携わる人やデザイン企画に携わる人には、企業がもっともっと海外リサーチの機会を作って、実際、体感させたり、出来ない部分は、WGSNのようなツールを体系的に使えるように育成しなければ、日本のファッションビジネスの未来はないと言えるでしょう。
ちなみにアメリカ本部のWGSNのようなサイトもありますのでご紹介しておきます。
STYLE SIGHT
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