訃報 渥美俊一先生逝く
ダイエー、イトーヨーカ堂、イオン、セゾングループ・・・日本の多くのチェーンストア創業者とともに、アメリカのチェーンストア理論を研究し、今日まで、多くの日本のチェーンストア経営者に影響を与えてこられた日本リテイリングセンターの渥美俊一先生が、昨日多臓器不全のため逝去されました。83歳でした。
訃報は、昨日夕方から夜にかけて、妙に「渥美俊一」の検索キーワードでこのブログに来られる方が多かったので、ネットニュースを検索して知ったものでした。
私も、このファッション流通業界で仕事をするようになって、渥美先生には多くのことを学び、勇気づけられたひとりですので非常に残念です。渥美先生のその機関車のような指導者ぶりは先にも後にもいらっしゃらないでしょうから・・・
直接お話をさせていただく機会はありませんでしたが、商社勤務時代にアメリカ出張を繰り返していた私は、自然とアメリカのチェーンストアでのショッピングの楽しさに魅了され、独学でリテイルマーケティングの本を読み始め、その中に、渥美先生や同じ日本リテイリングセンターコンサルタントの桜井先生の本が何冊かあったのが先生を始めて知るきっかけでした。
商社を辞めて、アメリカに滞在し、帰国後勤務したアパレルチェーンでは、その会社が、渥美先生が設立されたチェーンストアの勉強会組織ペガサスクラブの会員だったこともあり、何度も渥美先生の泊り込みのセミナーに参加させていただき、チェーンストアで働くものとして、そのロマンとロジック、そして、使命感を駆り立てられたものでした。
先生が講義される内容をそのままやったら大変なことになりますが、
アメリカでの感動体験+チェーンストア理論の座学+小売チェーン店頭での実践(実務のPDCA)
を行い、理念、原理原則、指針は普遍的なものがあると体感しています。
百貨店やGMSの凋落によって、チェーンストア理論が通用しなくなったことを指摘する人も少なくありませんが、それは、彼らが、チェーンストア理論の「売り場面積の拡大」の部分ばかりに取り組むことによって、本来チェーンストアが目指すべき、時代に合わせて、一般生活者の生活をアメリカ並みもしくはそれ以上に豊かにする商品開発を行う、という命題を二の次にしてきたためだと思っています。
すべてが、会員企業ではありませんが、ユニクロ、しまむら、西松屋、ニトリ、ABCマート、カインズホームのベイシアグループなど、現代の勝ち組企業は、カテゴリーキラーとして、SPA手法に本格的に取り組むことによって、出店による規模の拡大によるバイイングパワーの獲得だけではなく、高品質低価格商品をしっかり開発し、生活者の生活を豊かにし続けているわけですが、この根底には、今でも渥美先生が主張、体系化したチェーンストア理論の原理原則があり、それを応用しながら、成功している事例ではないかと思います。
多くのことを勉強させていただいたことを感謝し、心よりご冥福をお祈りいたします。
渥美先生について触れた過去のエントリーをご紹介しておきたいと思います。
関連エントリー-「流通革命は永遠に続く」ダイエー創業者中内功氏死去
関連エントリー-日経ビジネス記事「ベイシアの諦めない経営」を読んで
関連エントリー-「マネジメント」の意味
関連エントリー-カリスマ経営者と後継者育成
関連エントリー-ユニクロ本来の仕事
関連エントリー-「アパレルSPA(製造小売業)原論」とも呼べる書籍
いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ビジネス・業界ブログランキング 【第1位】→stay(10.7.22現在)
| Permalink | 0
Comments
代官山のご自宅にうかがい、インタビューをさせていただいたことがありました。ジャーナリスト出身だけあって、取材する側へのホスピタリティの心を持っておられましたね。誠に残念です。
Posted by: ぽにょ | August 12, 2010 12:45 PM
ぽにょさま
コメントありがとうございました。
業界としては、本当に残念な方を失くしたと思います。
先生が目指したビッグストア、チェーンストアはまだ日本では、途上ですが、教え子さんたちに期待をしたいと思います。
Posted by: taka | August 13, 2010 04:48 PM
経営コンサルなんていい加減な商売でねw
そんなに自信があるなら自分で店舗持って
実際経営してみろって話なんだよね。
そうすれば自らの屁理屈がいかに実務とかけ離れてるか
解るからな。
彼の本はどの本も皮相的なことをただ書き連ねただけの駄本だねえwどれもこれもプラクティカルじゃあないんだよねw
まあ、いなくなってセイセイしたよw
ご愁傷さまwwww
Posted by: 小売業界は馬鹿ばかり | May 31, 2011 03:51 PM