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August 14, 2010

中国以外のアジア原産国商品の質感

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 8月13日の日経新聞に人件費上昇や人民元の切り上げによりコストアップが懸念される中国への生産依存を見直すアパレル企業大手の動きについての記事が掲載されていました。

 記事によると東京スタイルはジャケットやパンツ生産の一部を今秋からベトナムへ、紳士服のコナカは現在生産の20%を行うインド生産を早期に35%へ、ワニマークのクロコダイルでおなじみのヤマトインターナショナルは現在地8%の東南アジア生産比率を、4年をメドに主に中国生産分から移行し、30%に持ってゆくとのことです。

 09年の経済産業省や日本繊維輸入組合の統計によると、日本で流通する衣料品の数量ベースで90%強が輸入品、そのうち90%が中国製とのことで、いまや、日本で販売されている10枚のうち8枚以上が中国製という状況の中・・・

 タイ、インドネシア、ベトナム、マレーシア製あたりは海外のカジュアル系ブランドや、外資SPAの店頭で以前からちらほら見かけていたと思いますが、日本ではユニクロが先陣を斬って開拓し始めたバングラデシュやカンボジア製の商品を皆さんは、すでに店頭でご覧になったことがあるでしょうか?

 H&Mやフォーエバー21あたりでは、日本上陸時から、それぞれ無地のカットソー(ジャージー素材のTシャツなど)、デニムなど厚地のボトム、カジュアルシャツなどでバングラデシュやカンボジア製の商品を揃えています。

 比較的特殊ではない、どこでも調達できそうな定番的な素材で、トレンドに左右されづらいベーシックなアイテム、調達期間は長くかかっても、ローコストでコスト競争力を発揮したい商品群にあたります。

 この春夏からは、ユニクロでも主にベトナム製のチノパン、カラーデニム、ジーンズ、Tシャツ、ポロシャツ、同グループのg.u.(ジーユー)でも、カンボジア製のジーンズ、Tシャツ、カジュアルシャツが増えてきましたね。

 私がこれらの商品を見て感じることは、一部の商品を除き、全般的な質感は、現在スタンダードになった中国製に比べると、まだまだ途上だな~、というところでしょうか。

 今でこそ、中国製の商品の面(ツラ)や風合いは百貨店や高級セレクトに並んでいても、申し分ないところまで来ましたが、それらの原産国の商品を見ていると、私が、90年代前半に開発輸入で関わっていた中国からの輸入品のクオリティに近い感じがしてしまいます。まだ許せる域ではない、これでいいのかな~というような。

 ただ、これも店内の横並びの商品との比較で感ずる部分もあって・・・

 H&Mのバングラ製のTシャツや後加工ジーンズは許せても、トルコ製の風合いのよい綿を使ったシャツと比べると、バングラ製のシャツは許せない。

 フォーエバー21の中では、全体の質感が高くないので、許せてしまうかも(私は買いませんが)。

 工業製品的に完成されてきたユニクロの売場の中で、きれいなファインコットンのチノパンの横にあると、いくらラフな感じを狙ったWASHEDチノと言っても、ベトナム製のチノは単品ではそこそこですが、極端に質感が悪く感じるし、素敵な風合いの中国製のプレミアムコットンのTシャツの横にあると、ベトナム製のプレミアムコットンのTシャツは一見同じように見えても、風合いが硬く、ザラっとしたように感じます。

 一方、g.u.(ジーユー)の売り場の中にあると、カンボジア製のダンガリーシャツ990円は、3990円の価値があるように見えます。同カンボジア製の990円のプリントTのボディも結構しっかりしていますし(華僑系の既存取引先の素材調達のたまものでしょうか)。

 これらの店頭をはじめとして、この秋冬以降、ファッションストアの店頭では、中国以外のアジア原産国商品、ベトナム、バングラ、カンボジア製が増えることが予想されます。

 是非、店頭で見て触ってその違いを確かめてみてください。そして、現状とその後の進化を比べていただければ。

 業界があまりにも質感の差があるものを急激に増やしすぎると、買い控えが起こる可能性もあるので、そのあたりは注意して見ていたいと思います。

関連エントリー-アパレル海外生産のチャイナプラスワン 

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Comments

ベトナム、カンボジア、タイ、バングラデシュ生産多いに結構 
質感以前に中国製の衣服など身に付ける気もおこりません、質感うんぬん気にするなら日本製買います

Posted by: kk | November 23, 2010 04:08 PM

中国製のクオリティも良くなってきましたが、やはり、イタリア製と日本製がいいですね。作り手の信念が伝わってくるものが多いですから。

Posted by: taka | November 24, 2010 07:58 PM

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