米GAP(ギャップ)社の中長期計画
クリックして人気blogランキングへ
現在、ZARAのInditex、H&Mとともにアパレル専門店世界売上トップ3の米GAPギャップですが、同社が10月14日に投資家向けにリリースした中長期計画の概要が同社ウェブサイトにありましたので目を通してみました。
GAP INC. UPDATES INVESTORS ON STRATEGIC PLAN FOR THE NEXT THREE TO FIVE YEARS
向こう5年間の同社の成長戦略の骨子は次の4つのようです。
・オールドネイビーの北米(アメリカ・カナダ)外への出店。
・中国、イタリアへの進出。
・オンラインストアで販売するブランドの拡大と日本への展開による売上倍増。販売先は北米から80ヶ国向けまで拡大。
・フランチャイズストア倍増により200→400、展開を現在の2ヶ国から24ヶ国に拡大。
ベネトンの牙城でもあり、欧州の大手ベーシックカジュアルSPAがしっかり根を下ろすイタリア、そして競合に対して、出遅れ感のある中国、それぞれの国でどんなポジショニングを採るかにも興味はありますが…
やはり気になるのは、
○低価格業態OLD NAVY(オールドネイビー)の海外出店
ご存じかと思いますが、オールドネイビーは、すでに基幹のギャップ業態を抜いて同社一番の稼ぎ頭となっています。(米国内では50%弱、全世界でも40%超の同社内売上シェア)
そして、
○日本でのオンライン含めた新展開
ですね。
リリースによると、今年のヨーロッパに続いて、2011年に日本でも、GAP、OLD NAVY、BANANA REPUBRICのオンラインストアが立ち上がるようですが、米ギャップ社にとって、日本は北米に次いで2番目に売上を上げている国ですから、さぞかし期待も高いことでしょう。
オールドネイビーについても、日本は海外出店の最有力候補地と言えそうです。
ところで、米社はGAP業態の日本での出店をどう評価しているのでしょうかね。
1990年代、本国よりも、少し高級路線で上陸し、そこそこよいイメージのポジショニングをキープして来た好事例?導入時はそれでよかったと思いますが、一方では、日本という米国に次ぐ世界で2,3を争う規模の大きなマーケットで、全国たった120店舗強、750億円程度で頭打ちになってしまっているというジレンマもあるのではないかと思います。
だって、GAPをベンチマークして、そのテコの力をうまく利用したユニクロは、その間、800店舗、6000億円規模になったわけですからね。ちなみに、世界的にユニクロ業態単体とGAP業態単体を比べても、いまやユニクロの方が売上は大きいんです。
それゆえに、同社が、いずれ、オールドネイビーを日本に上陸させる時、どんな形で、その後そんな風に展開するか、とても楽しみであります。
オールドネイビーは、GAPの低価格業態といっても、ユニクロのジーユーとは全く違って、商品の価格は安くても、店舗演出に凝り、モータウン時代の素敵なレトロアメリカの世界観がある、ある意味「体験型」の楽しい大型店です。私がアメリカに住んでいた時も、リサーチする時も、安物買いをしている感じにさせない、お買いものをしていて楽しかったお店のひとつ。
私は、ファストファッションによって、商品に革新を起こす最終戦争段階に入った世界のファッションマーケットにおいて、次の勝負は、店舗空間による感動買い物体験の提供だと思っています。
そんな意味では、オールドネイビーの日本上陸は、そんな時流にマッチするのではないかと見ています。
勝手に想像を膨らませてしまいましたが、ギャップで取りきれなかった分、オールドネイビーというカードは、日本市場を攻略する上で、とても面白いカードだと思っています。
関連エントリー-ギャップジャパンの低価格業態、ザ・ギャップUSA
いつもお読み頂きありがとうございます。
こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
>>>人気blogランキング に参加しています。
【第1位】→stay(10.10.28現在)
| Permalink | 0 | Comments (0) | TrackBack (0)