グローバルSPA(製造小売)企業の生産ポートフォリオと組織
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11月9日の繊研新聞一面の連載特集記事に、これまで商社と組んだ柔軟な中国の短サイクル生産、高回転モデルが強みであったSPA(製造小売業)のアパレル生産が、コスト高、納期遅れ、オーダーが入らない(キャパシティ不足)などで曲がり角に来ていることに対して、現在、国内の有力SPAが進めている対応が掲載されていますした。
とてもシンプルでわかりやすく、これから対応を取ろうとするファッション企業さんにとっても参考になると思いますので、紹介させていただきます。
ポイント社では商社のマネジメントクラスの経験者を招き入れ、
「まずはいつどこで何がどれくらい作られているかの把握」から着手。
当面の目標として20%くらいの商品の素材、工場を自社調達、ブランド横断共通素材にも取り組む模様です。
アースミュージックアンドエコロジーを展開するクロスカンパニーでは
・デザイン企画は自社のリスク(年初まではODM宣言してたと思うのですが・・・)
・パタンナーは自社が選定する商社の人材
・海外生産は商社リスク
と役割分担を、あらためてはっきりさせながら 5年以内に
・中国での中期生産(企画から店頭までのリードタイム40-50日)で60%
・バングラデシュでの長期生産(同4-6ヵ月)で20%
・韓国・国内での短期生産(同20-30日)で20%
という構成に向けて、生産のリスク分散とポートフォリオを明確にして行く模様です。
両社とも今のところは日本独特の「商社との取り組み」を維持しながらも、外資グローバルSPAや先行するユニクロなどのオペレーションをベンチマークしながら、段階的に進んで行くと考えられます。
ユニクロは、90年代初めまで、国内メーカーからの仕入れを中心とする集荷型専門店でしたが、
①メーカーからの仕入れ中心
②メーカーとの取引を止め、商社との取り組みにシフト
③商社から紹介された工場を自社でコントロール
④商社を外し直接取引
というステップを踏んで来ていますね。
生産ポートフォリオについても、ZARAやH&MやFOREVER21が、なぜその商品をその原産国で作るのか?を考えながら店頭を見ていると見えてくるものがあります。
上記のクロスカンパニーの生産ポートフォリオは、FOREVER21のそれに近いですね。
更に言えば、ZARAやH&Mに至っては、生産サイクル別にサプライチェーン、チームをはっきり分け、ひとつのチームにリズムの違う仕事をさせないことによって、安定的な供給を確保しているところに特徴があります。
マーケットインの短納期生産も、半年から1年がかりのプロダクトアウトも、ひとつのチーム、同じ人たちにやらせるところに日本企業の無理があると思うので、参考にしたいところです。
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