メーカーズシャツ鎌倉のビジネスモデルを見習ったベンチャーの出現を待望
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11月29日の日経MJの一面に国産の高品質シャツを5145円の均一価格で販売する、メーカーズシャツ鎌倉の特集記事が掲載されていました。
記事を読まれた方はお気づきかと思いますが、記者の方の取材にご協力し、記事の一番最後に私のコメントも掲載されています。
採用されたコメントは、同社の課題を指摘した部分だったので、ビジネスに対して、「辛口」ととらわれるかもしれませんが・・・(笑)、日経の記者の方とメーカーズシャツ鎌倉のビジネスモデルについて語り合った時は、とても楽しく、話が弾んだものでした。
同社の強みは、業界に数多くある「製造直販(SPA)モデル」の中でも
○シャツというある意味単純ながら客層の広い単一アイテムに絞ったこと
○均一価格で、セールをしない価格の信頼性
○百貨店でおなじみの高品質素材、国内生産ながら、高い原価率設定(60%)のため、生活者には極めてお値打ち商品が提供されていること
○商社を介さず、素材メーカー、工場とダイレクトに取引したこと
○仕入先には、現金決済をしたこと
○それらを維持するための高効率立地への厳選出店
もちろん、誰がやってもうまくいったわけではなく、ヴァンジャケット全盛期に同社に在籍されていた貞末会長がブラさなかった、妥協しなかったファッション感性や商売人気質があっての話だと思います。
この、業界の中では、まだまだ中小規模、年商20-30億円の企業が、なぜ、ここまでメディアで注目されているのか?
業界の方ならお気づきだと思いますが、上記の同社の強みの多くは、業界の慣習、常識から見れば「逆張り」です。更に言えば、記事の見出しにもあった、「損して得取れ」ができる、大手ではなく、ファミリービジネスならではの成功かもしれません。
しかしながら、規模は別にして、国内生産再生の救世主的なビジネスモデルであり、志のあるベンチャー的な企業がロールモデルにできる最後のモデル?かもしれませんね。
そして、貞末会長のインタビューコメントにもあった
「我々以外の国内アパレルや衣料専門店は安易に海外生産に傾斜したが、その前に限界まで国内工場の生産性を高める努力をすべきだった」
この言葉には共感するとともに、勇気づけられます。
アパレルビジネスは、規模が拡大すると、いずれは中国始め、海外の人件費の安い国に生産分散、移転を余儀なくされる局面が来るでしょうけど、この「限界まで」取り組む覚悟のある企業は、その後、取り残されるのではなく、きっと海外でも、言語や文化が違っても、同じように、腰を据えて、限界に挑むことができる企業になるでしょうから、恐れることはないと思います。
そんな意味で、メーカーズシャツ鎌倉のような国産、製造直販のベンチャービジネスが今後も生まれることを待望する今日この頃です。
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Comments
こんにちは
鎌倉シャツの記事、とても勉強になります。
「工場の閑散期に逆に多めに発注」というwin-winの徹底に感嘆し、
今後、生産・販売ともどのように伸びていくのか注目していたいです。
縫製の巧拙や原産国名というより、
「いいものを作る」という気持ちが企画の至るところに垣間見られるのが、
鎌倉シャツだけでなく日本製服の好きなところです。
Posted by: aya | December 02, 2010 09:44 AM
ayaさん
>「いいものを作る」という気持ちが企画の至るところに垣間見られる
そうですね、原産国はどこでもそんな商品に心打たれます。
そうそう、日本製と欧州製(特にイタリア製)に多いかも・・・
Posted by: taka | December 03, 2010 09:11 PM