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January 12, 2011

中国生産問題の課題と対策に関する一考察

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1月11日の繊研新聞の「11年の課題と展望」に、日本のファッション業界が抱えている一連の中国生産の課題と対策がコンパクトにまとめられていました。この問題は、今、ファッション業界が抱えている最大関心事のひとつなので、整理して、共通認識をしておくべきでしょう。

 記事を要約すると、

 これまで、中国沿岸部(上海近辺)の工場に、安価で、多品種・少量・短納期型生産を、要求、依存していた日本のアパレル生産は、

 中国の経済成長による「人件費アップ」と、出稼ぎ工員が出身地近くで就労するようになったことによる「人手不足」によって、

 商品原価アップ、納期遅れ、品質不良、生産キャンセルに見舞われています。

 ただでさえ、生産キャパシティが減少している上に、

 価格面では、景気のよい中国内需に負け(日本企業の3倍~4倍の工賃を出すとか)

 数量面と納期面では、計画的大量発注が常識の欧米企業に負けているというものです。

 中国が他のアジアの国に対して、短期間で飛躍的に品質向上を果たした要因のひとつに、「機械化」があります。日本が鍛え、投資して機械化を果たし安定品質をアウトプットできるようになった中国工場のキャパが今、中国内需と欧米企業に奪われている、中国の工場側にとっても「回収」の時期なのでしょう。

 そんな進化した中国生産のインフラに対し、日本企業だけが、旧態依然としているというのが、現状ではないでしょうか?

 これに対し、日本企業が取っている策は、

 ・コストが安い奥地に生産地を移転する「ディープチャイナ」政策

 ・中国以外の東南、南西アジアに生産地を移す「チャイナプラスワン」政策

 ・既存の取引先に、安定発注を保証したり、設備への出資をしたり、工場に資本参加して、日本向け専用ラインを設置する策。特に、30-100人の小規模工場の囲い込みを行っている商社のケースも紹介されています。

また、

 ・流通生地の豊富な、(虎門市場など)中国南部の広州生地市場周辺の工場も見直されているようですね。

 このほかに、業界内で聞く策としては、

 ・沿岸部の工場に出稼ぎに来ていた優秀な縫い子さんを出身地近くで独立支援するケース(小規模工場や内職という形で)

12日の日経新聞にも記事が掲載されていますが、

 ・国内生産への回帰が話題に上ります。

 いずれにせよ、なんでもかんでも、ひとつのやり方ではなく、まず、自社の商品を

 ①リスクを取って、早めに発注できる商品群
 ②ある程度の売上が読めるため、生産の安定保証ができる商品群
 ③従来のように多品種少量で回したい商品群

 に分ける必要があることは言うまでもありません(日本の企業は結構ここが弱い)

 また、国産回帰にしても、日本の職人さんの技術を見直しして、活用できる比較的高額な商品群はよいですが、低価格商品については、1月12日の繊研新聞の一面にあるように、手間の割に、上げてもらえない安い工賃を、外国人研修生の安い時給と補助金でまかなっている構図があり、このままでは、長続きはしないでしょう。

 以前、中国生産に詳しい業界の知人が、

 「世界の工場」を、大人なのに子供料金で使っていたのが日本のアパレル企業、そろそろ大人料金を払っても採算の合うビジネス構造にしなければ・・・

 と言っていたのが印象的でした。

 今、業界の抜本的なビジネス構造改革が迫られています。

関連エントリー-転換期を迎えた中国アパレル生産

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