「世界中を虜にする企業~ZARAのマーケティング&ブランド戦略」を読んで
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ZARAのインディテックスグループが、株式を公開して飛躍的に店舗数を拡大した2000年代に人材開発のゼネラルマネージャーをされていたヘスス・ベガ氏(現在はリテイルコンサルタント)が書かれた
世界中を虜にする企業~ZARAのマーケティング&ブランド戦略
を読みました。
ファッション業界最良のビジネスモデルのひとつとして、ビジネススクールの研究対象になることも多い同社ですが(実際、インターネット上には沢山の論文があります)・・・
プレスリリースなど、公には一切顔を出さない、同社創業者、アマンシオ・オルテガ氏の人柄やコメントなども引用して、元幹部、しかも人材開発系の方が語る、同社初の経営理念本って言ってもよいのではないでしょうか?
語り口は、顧客・従業員と企業の関係を恋愛に見立て、恋愛哲学本のような部分もあり、重要なエッセンスは、魅力的な理想の女性(彼女の名前は・・・ZARA?)が語る恋愛のレッスン本のようであり、もちろんコンサルタントが書いたビジネス書のようであり、
アップル、グーグル、スターバックスなども例に出し、顧客、そして、従業員を愛し、魅了し、いい関係を続けようとする、商品・サービスだけでなく、「五感」で顧客を「誘惑」し、「官能」に訴える21世紀の成功企業の共通点をあぶりだしています。
ひとつだけ、年に2回のセールの時以外、全く広告宣伝を打たない同社のポリシーをセニョール・オルテガ氏(創業者)が語った部分を引用させていただきます。
「広告によって利益を受けるのは企業であって顧客ではない。だからこそ私たちは広告に投資する分を商品の質を上げ価格を下げることに使うと決めたんだ。きみが顧客ならどちらを望む?広告への投資か?それともより質の高い製品やより手に届きやすい価格か?」
"Si, senor!" (スペイン語でYes, sir)
この言葉を聞くと、業界全体が本末転倒なことをしている気がしてなりません。
ZARAの顧客と従業員に向き合う考え方が、とてもわかりやすく書かれていますが、やはり、ファッション企業の経営者の方に読んで、感じていただきたい一冊ですね。
だって、愛をもって、店頭でお客さんと従業員が演じる素敵な舞台を用意することは、経営者さんにしかできませんから・・・
ご興味あればお読みください。
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Comments
いつも興味深く読まさせていただいてます。
今回はZARAについてでしたが、私はこのブランドに品質の良さを感じることができません。コートはそこまで思いませんが、全体的に生地が固く、靴もファッショナブルかもしれませんが、素材に優しさが感じられません(うまく表現できませんが…)。セール品のTシャツなどが陳列台の上に乱雑に置かれているのを見て、まぁファストファッションだし…と思ったりしていたので(そう思うと割高感もありますが)、今回の記事の内容はちょっと意外でした。
Posted by: RIE | February 03, 2011 10:11 PM
RIEさんコメントありがとうございます。
私も同じこと感じることがあります。
ファストと低価格の実現の一番の理由は素材のクオリティですから。
ただ、ファストファッションのクオリティにベストを求めず、Enoughでいい時に取り入れる、と考えたら、使い勝手はいいですし、いいお付き合いができるのでは?
ファストの中で、ZARAは一番理念がしっかりしていると思います。
そして、ハイブランドよりお客さんの気持ちを考えていると思います。
トレンド、感性、着用シーン、自分なりに設定する商品寿命、価格・・・使い分けることで楽しい、いい時代ではないでしょうか?
Posted by: taka | February 07, 2011 11:07 AM
お返事ありがとうございます。
確かに使い分け・組み合わせ次第で賢く利用できますね。実際、しまむらをそのように利用したりしてます…(笑)
ただ、その本に品質を大切にしているというようなことが書いてあることに疑問点を持ったのです。量販店のイオンやイトーヨーカ堂の服は、安くても品質は結構良いものが多くあると思っているので、もう少し素材への努力も余地があるのではないかと。でもその分をデザインに力を入れているなら仕方のないことなのでしょうか。
Posted by: RIE | February 10, 2011 08:34 PM
RIEさん
F21やH&Mよりは許容できるものが多いと思いますが、確かに、日本企業の多くは、素材の風合い(手触り)を大事にしますので、日本人にとっては、ZARAもガサツに感じますね。
豊富になった選択肢の中から、自分に合った商品を選べるいい時代ですね。
Posted by: taka | February 11, 2011 07:53 PM