「持たざる消費」にどう応えるか?
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2月28日の日経新聞、「春秋」にレンタルや中古品売買店、オークションなどの普及で、「シェア」消費が常識になりつつあることに関するコラムが掲載されていました。
記事に掲載されていた調査データによると、過去1年の中古品購入経験者は
20-30代で7割以上、年齢が上がるにつれて比率は低下し、60代になると半数を切るらしいですが、平均は6割強。
これは周りを見ていてもうなづける数字で、将来は、この比率が高まることは想像に難くありません。
品目はどの世代も、本が多いようですが、中高年の女性では、衣料、生活雑貨が上位に入るとのこと。
低価格高品質のユニクロやファストファッションの普及で、ラグジュアリーブランドから、安くても、品質、デザインが申し分ない、「これでいい」的な必要十分、はたまた割り切り消費まで、新品商品購入の選択肢は出尽くした感があるファッション業界。
金額ベースのマーケット規模は年々縮小していますが、経済産業省や日本輸入繊維組合の統計などを総合すると、あくまでも流通量ベースですとむしろ微増しているようです。
今週の日経ビジネスの見出しにも、「若者は買わない」のウソ、これは以前日経MJに出ていた記事がベースになっているのではないか?と想像しますが・・・
メディアや提供者側の、お金がないので、買わなくなった、貧しくなった、はたまた、欲がない、とまで言い出す・・・こういった見方は本当に正しいのか疑問に感じることがよくあります。
私が学生時代に読んだ岩波新書のベストセラー本に
「豊かさとは何か?」
というのがありました。その結論は、
豊かさ=「選択肢が多いこと」
だったと記憶しています。
当時、カネ余り日本と言われ、お金があるのに、豊かではない日本人、という論調が多かったと思います。
右肩上がりで、いい商品もあるけど、値段は高い、一方、安いものは粗悪、店舗のサービスもひどいものでした。
そんな中、学生時代にアメリカを旅行した私は・・・安くて、いいものがいっぱいある、店員もフレンドリー。本当に楽しかった、アメリカの消費の豊かさに感動し、商社で、世界から「豊かさ」を輸入することを志しました。
それから、今に至るまで、多くの選択肢を提供する企業の登場で、マーケットは本当に豊かになったと思います。
給料は増えていたけど、選択肢が少なかったから、ハングリーだった旧世代。
そんな世代が、外国から学び、競争をし、低価格化、品質向上、サービス向上を目指し、更には、レンタル、必然として、中古市場も生まれ、選択肢はシェアまで広がったので、今はお金はないかもしれないけど、身の丈で、本当の「豊かさ」を享受できるようになった。
そう、新世代は、その定義から言うと、それほどお金がなくても、選択肢の多い、選べる、という点で、バブリー消費なんてしなくても、我々以上の世代より、「豊か」なのではないかな?と思います。
選択肢が増え、情報伝達のスピードも進んで、豊かになった今、より生活者目線に立った、消費者行動の半歩先行く商品、サービスの提供が求められているようです。
関連エントリー-ファッション消費は退化したと思いますか?
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Comments
こんにちは。
以前、ZARAの記事でリンク依頼をした、Acornです。
選択肢の多さって意味では、
確かに今の消費者にとって、ファッションは豊かになっているのかもしれませんね。
でも、個人的な話ではありますが、
今の私が、クオリティ、値段、販路など、トータルで満足できるブランドやショップって、
まだまだ少ないよなぁ、と思います。
そういう意味では、
まだまだ選択肢は増えてもいいし、増えて欲しいですねー。
Posted by: acorn | February 28, 2011 12:26 PM
acornさん
コメントありがとうございます。
そうですね、まだまだファッション企業にスキマはいっぱいあるかも
だから新しい企業が生まれるのでしょうね。
またコメントお待ちしています!
Posted by: taka | March 01, 2011 12:35 AM