変わる紳士服チェーンのビジネスモデル
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2月4日の日経MJに、団塊世代の定年、少子化でこれまでのビジネスモデルの変革が迫られる青山商事、AOKI、コナカ、はるやまの紳士服チェーン大手4社に関する記事が掲載されており、大変興味深く読ませていただきました。
あらためて思ったのは、紳士服チェーンって、素材開発、生産キャパの確保、計画生産のオリジナル商品で50%台中盤の高粗利率とユニクロ他、カジュアルアパレルチェーンより先にSPAモデルに取り組んでいた業態なんですよね。
主戦場が郊外ロードサイドで、売れ残っても翌年売れるような定番的な商品も少なくなく、アパレルの平均に比べ、多サイズの在庫を構えていなければならないこともあり、高粗利とローコストで、「売れなくても(低効率でも)儲かる」しくみづくりがビジネスモデルの要のひとつであったと思います。
そんなビジネスモデルも、郊外市場が飽和、縮小しているのに加え、
・高粗利率を支えてきた国内工場の縮小・廃業、中国工場の日本オーダー離反
・(郊外立地でも)スーツのデザインが流行に左右されるようになり、今年売れたデザインが来年売れるかどうかわからない傾向になっている
など、環境の変化により、
生産計画の見直し、粗利の確保のしかた、在庫コントロールの精度向上・・・経営を根本的に見直す時期に直面しているようです。
要は、安く作り込んで、ドンと構えて勝負の資金を寝かすビジネスから、回転、キャッシュフロー重視の経営への転換です。
○青山商事の首都圏都心部出店においては、できるだけ個別店舗のバックヤード在庫を持たずに、首都圏の倉庫からジャストインタイム方式でタイムリーに必要な分だけ商品補充をする物流に投資をし、
○AOKIの郊外SC店舗では、低効率のスーツよりも、単価は安めながら、購買頻度のより高いシャツを売り逃しをせずに、どううまく回転させるかに取り組んで、
それぞれ一定の成果を上げているのは、いい話ですね。
これらの記事を読んでいて、昨今の中国問題に端を発するアパレルのものづくりの環境変化についても感じることがあります。
短サイクル(QR)、小ロット生産がやりづらくなった昨今、プロダクトアウトよろしく、時間をかけて商品開発に取り組むことに業界全体の振り子が触れているようですが・・・
それは、決して昔のような、単なる計画生産、売り減らしビジネスへの回帰とは違うと思います。
売れる分だけ作り足すマーケットインのQRでは、あまり売れ残り在庫の心配がいりませんでしたが・・・右肩下がり時代のプロダクトアウトは、仕込んだ商品在庫をどうきめ細かくコントロールするか?どう売り切るか?が勝負になることも忘れてはなりません。
そう、プロダクトアウトと在庫コントロールはセットで考えるものなのです。
さもなければ、在庫の山を前に、歴史を繰り返す業界の諸氏は、やっぱりマーケットインだ、と言いかねませんからね・・・
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