値上げの前にやるべきこと
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3月5日の日経新聞に、昨今の原燃料高で、コストが上昇し、価格の見直し(値上げ)を迫られる食品大手複数社が、店頭での値上げを抑制すべく、メーカー同士で原料を一括調達したり、共同配送を行うなど、の対策を講じ、コストを圧縮していることに関する記事が掲載されていました。
メディア各紙は、原材料高の局面で、どこが値上げをするとかしないとか、「値上げ」そのものを取り上げて、消費マインドを冷やすより・・・このような供給側のコスト高対策やコスト削減努力に関する記事をもっと積極的に掲載して、企業努力を促してほしいと思います。
ファッション業界でも、アパレルの場合、例えば綿やポリエステルなどの繊維素材相場が恐ろしく上がっていますが・・・正直、原料が店頭価格に占める割合は一桁台、数パーセントと食品などに比べると限定的なはずだと思いますし・・・
むしろ、これを機に、物流効率を高めるとか、店頭投入後の在庫コントロールの精度を向上させ、ラスト一点まで売り切る執念を持ち、
製品原価のアップは避けられず、「値入」は悪化しても、少しでもプロパー消化率向上で「値下」を抑制し、最終粗利率確保、シーズン末在庫を圧縮で、今の局面を乗り切ってゆくことが望まれます。
流通の中には、いろいろなムダ、ロスがあると思いますが、価格転嫁する前に、仕入先を泣かせたりするのではなく、小売りが在庫をきめ細かくコントロールすることによって、捻出できる部分が、まだまだあると思います。
その努力の積み重ねは、原材料コストが安定した時に、ご利益として、大きく返ってくるはずです。
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Comments
う~ん、難しい問題ですね。
確かに企業努力を!というのはその通りですが、何と言っても投機から発生した原料高は急激過ぎるし、中国での工賃も同じくらいの高沸、どちらも予想はついたと言われればそうですが、final sampleまで確認後、「キャンセル!。ペナルティー?払うよ」と工場から言われた・・・2~3シーズンくらい前から特に多く聞くようになりました。
これも日本の工場、産地をないがしろにしてきたツケ、といえばそれまでですが、他国特にヨーロッパのように、産業としてある程度政策で守る、という事もして欲しいと思います。
(車とか家電は守るのに・・・)
Posted by: RT | March 07, 2011 10:27 PM
RTさん
鋭いコメントありがとうございます。
おっしゃるように、原料高は投機筋のもの、よってある意味一過性のものかもしれません。
しかし、中国の製造コストは、機械化されたラインに乗るもの以外は、もう安くはならないでしょうね。
よって、原価が下がる=値入がよくなることは望めません。
一方で、新聞記事やニュースで知っていても、消費者が、では高く買いましょう、と実際お金を出すか?というのも疑問です。
価格と販売点数の反比例は真理ですからね。
デフレ経済下で流通が企業努力を重ね、絞った雑巾。
商品の作り手(製造サイド)は、限界まで頑張っていると思いますよ。
しかしながら、まだ余地があるのは、小売業の売り切り努力だと思います。その数字は、消化率(プロパー、最終)に現れますね。
消化率高ければ、多少原価率高くたってビジネスは成り立つんですから・・・むしろ原価率高い商品の方がお客さんは喜ぶ。
業界を長年見ていて、発注から最後の売り切りまで、打つべき手はまだまだあると思います。
まだまだ昔の慣習、やり方から抜けられず、市況のせいにしている企業が多いと思います。
Posted by: taka | March 08, 2011 11:09 AM