「ユニクロ帝国の光と影」を読んで
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先ごろ出版された「ユニクロ帝国の光と影」(横田増生著;文藝春秋社)を読みました。
筆者の方が、ユニクロのサプライチェーンを本にしたい、ということで、昨年、何度かSPA(アパレル製造直販)企業のしくみや急所について取材に来られ、この度、出版された本を送っていただいたものです。
私が過去にビジネス誌に書いた記事も一部参考にしていただいているようなので、この本を読んでの感想を少し書かせていただきます。
「ユニクロ・・・」というタイトルを見て、ビジネス書かと思って本を手に取る方もいらっしゃるかと思いますが、
ユニクロの中国生産の管理体制の一部や「ZARAという別解」という章で、スペインのインディテックス本社を取材した部分は、我々も参考になる部分もありますが・・・全般的には、週刊文春を読むつもりでお読みになった方がよいかもしれません(笑)
柳井さんの人柄について、ここまで掘り下げて書かれた本は珍しいですね、私がこの本を読んで思った柳井さんに対する印象を率直に言わせていただくと、帝国の「独裁者」というより、
正直で、素直な方、正論、コンプレックスをバネにした経営者、そこに悪気は一切感じられません。
おそらく、いつも立てられる目標が極めて高く、それゆえに目の前の結果に、満足できずに、直属の部下をあまりお褒めにならないからなのか?保身に走る方、トラの威を借るキツネ、プレッシャーを増幅して、部下に落としてしまう中間管理職や社員の方を社内にたくさん産んでしまったために、現場で不合理な?ことが多数起こり、この本は、それを残酷物語的にいろいろ紹介しているという感じです。
オーナー経営者、特に創業経営者の企業では・・・トップダウン、朝令暮改はあたりまえ、多かれ少なかれ、どんな企業でもそれに近いことは、起こっているような気がしますが・・・ちなみに私も規模は小さいですが、創業経営者の下で働いた経験がありますのでわかりますが、それをいちいち愚痴にしていたら始まりません。
むしろ強烈な個性、リーダーシップがあるからこそ、厳しい時代を乗り切っていけるわけですし、その経営者の「生き様」が企業そのものの姿となり、生活者は商品やサービスに共感して購入したり、話題にしたりするところもあるのだと思います。
ただ、いつも、ひとりの人に過度の期待をしすぎるところはグローバル企業を標ぼうしていても、ある意味独特なのかもしれませんね(汗)
ZARAやH&Mなど先行欧米企業をいつもウォッチ、ベンチマークしていて、共感するのは・・・
彼らが、人間ってのは、不器用なもんで、ひとりに違うリズムの仕事を複数、キャパ以上に求めても、結果はついてこないということをわかっていて・・・
ひとりの人にひとつのリズムの仕事を淡々とさせ、企業全体として、安定的な成果を生み出す仕組みづくりをしているところです。
だから彼らは、世界レベルで成長していても、ユニクロより頻繁に店頭が変わって見えても、「無理してる感」が感じられないんですよね。この違いってどこにあるのでしょうか?
まあ、何だかんだ言っても、会社はオーナーのもの。主役はオーナーですから・・・いつまでも「柳井商店」であって何が悪いのでしょうか?ってところでしょう。
ご自身も、著書の「成功は一日で捨て去れ」の中で、好きな言葉として紹介されていますが
店は客のためにあり、
店員とともに栄え、
店主とともに滅びる
店主とはもちろん柳井さんご本人のこと。今回の本を読んでも、やはり、このフレーズに柳井さんが考える、ユニクロの今、そして未来が込められていると思っています。
関連エントリー-店は客のためにあり、店員とともに栄え、店主とともに滅びる
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