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April 20, 2011

B3(ビースリー)の強みと成長性、そして素敵な「ディテール」

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 4月20日の日経MJ一面に婦人ストレッチパンツ専門店、バリュープランニングが展開する「B3(ビースリー)」の成長の秘密に関する特集記事が掲載されていました。

 お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、同業態に関して記者の方から取材を受け、専門的な視点から感ずるところを語った私のコメントも左下のビジネスモデルの強みと課題のところに掲載されています。

 婦人(ミセス)向けで、履き心地が良く、耐久性に優れたストレッチパンツ、平均単価14000円と決して安くはない商品の販売に特化し、全国180店舗、年商100億円超の規模に成長したB3には、何年も前から注目していましたが、今回の取材であらためて、ニッチながら、大きな成長性を感じたものです。

 ミセスの、しかもボトム(パンツ)と言えば、業界の中でも、最も効率の悪いアイテムではないでしょうか?トータルで商品を展開しているアパレル専門店だったら、サイズ展開の多いパンツは、全服種の平均商品回転に対して、半分くらいの効率ってのが業界の一般的な数値だと思います。

 固定客はつきやすく、単価は高いが・・・購買頻度が低く、いつでもサイズをそろえておかなければならない、一年中在庫の悩みとの戦いというのが、パンツの商品管理の特徴です。

 そんなミセスアパレル各社が本腰を入れづらい商品にあえて特化するという逆張り、在庫リスクを百貨店の対面接客化粧品販売で鍛えられた方々が多いという、接客販売力で売り切ります。

 その年間回転率は20回転(売上ベース)というからびっくりです。

 高齢化が進む中、履き心地のよいパンツを求める婦人人口はますます増える。多店舗出店の最大の課題である人材育成は、百貨店化粧品売り場のOGと、アイドルタイムを活かした商品知識の蓄積と念入りなロールプレイイングで補完する。立地を選ばないので、家賃比率は低い分、高い販売効率と粗利率を、手厚く人件費に配分できるというビジネス構造。

 在庫負担をどうマネージしているかは非常に興味深いですが(きっとFCも多いんでしょうね)、とても成長性を感じるファッション企業のひとつですね。

 今回の取材、記事で一番印象に残ったのは、その市場性やビジネスモデルもそうですが、バリュープランニングさんという会社は、ファッションビジネスで最も大事な「ディテール」にすごく配慮されているな~と感じたことです。

 店頭には、透明なカプセルに入ったパンツが陳列されています。見た目が奇抜できれい、省スペースでの在庫管理の目的もありますが・・・

 試着を求めた客の目の前で丸めたパンツを取り出して広げた時、シワになりにくり素材特性をさりげなく訴える役割を果たしているとのこと。

 これを考案した人は、「その瞬間」お客さんがどんなお顔をしてくれるかな?なんて想像しながら、ワクワクしながら、考えたんでしょうね。大切な人へ贈る、プレゼントの品を考える時のように・・・

 とても素敵なディテール、エンターテイメントだと思います!

 今後、18年間(社長さん、ゴルフ好きでビジネスプランをゴルフのホール数に見立てているそうです(笑))で中国・アジアへの出店含めて年商1000億円を目指すというB3(ビースリー)。  

 日本では在庫管理の難しさが参入障壁になり、一人勝ちのミセスのパンツ専門店ですが・・・中国、アジアで、先入観のない新たな競合とどんな勝負を見せるか?これからの成長もとても楽しみですね。

関連エントリー-単品特化でオンリーワンを目指す

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