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May 27, 2011

東京スタイルのローズバッド買収

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 5月23日の日経新聞、24日の繊研新聞に、東京スタイルが、セレクトショップのローズバッドを運営するエレファント及び関連事業を買収することに関する記事が掲載されていました。

 ローズバッドと言えば今最も元気で、商業施設がテナントとして入居して欲しくてたまらないセレクトショップのひとつ。

 業界でも、服だけでなく、シューズ、バッグなどの服飾雑貨や、アクセサリーの構成比の高い、魅力的なセレクトショップとして定評があります。

 ROSE BUDウェブサイト

 私個人も若いころ?原宿のメンズのスラップショットは利用させていただきましたし…十数年前、渋谷の明治通り沿いにローズバッドがオープンしてから、通りがかる度にお店の様子を覗かせていただいたものです。

 ペルシャのバザールのような世界観の店舗に、感度を保ちながら、そこそこの商品ボリューム、ワクワクしながら宝物探しを楽しむ若い女性客たちの賑わいも店舗演出の一役を担っている、感性と活気のバランスが取れているのが魅力のひとつだと思います。

 ウェブサイトによると現在、全国の大都市圏にローズバッドが12店舗、スラップショットが4店舗、そのほかにアウトレットがあるようです。

 今回のM&A、私流の解釈をすると…

 目利き鼻利きのファッション好きスタッフが、人海戦術で積み上げた魅力的な繁盛店(=ローズバッド)が、10店舗を超え、いよいよチェーンストアとしての脱皮をするかどうかの岐路に立ったところで…

 資金力が豊富で、業界内でも買収企業の生かし方を心得た東スタがローズバッドをどう企業化して、魅力を維持しながら、収益性を回復し、多店舗化を図るかという業界注目プロジェクトです。

 (以下プレスリリースによると、ローズバッドグループの売上は増えていますが、収益性は低下しています)

 株式会社エレファント及び株式会社ローズバッドの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ 

 いつも在庫コントロールセミナー(次回は6月24日@東京、7月14日@大阪)の冒頭で申し上げる話ですが…一桁店舗のころはむしろ、システムに頼らない、属人的なオーラを放つ繁盛店であれ。

 10店舗を超え、30店舗、50店舗…100店舗を目指す過程で、運営のテーマ(しくみ)と急所が変わってくるもの。

 一方で、多店舗化を目指さないこともファッションストアのひとつの選択肢でもあります。

 いずれにせよオーナーの考え方ですから正解はひとつではありません。

 しかしこれだけ顧客からも業界からも評判のよいローズバッドの魅力、磨きをかけながら、商店から企業ビジネスに進化していって欲しいですね。

 とても楽しみにしています。

 追伸:ここのところ、業務の関係で、ブログ更新が滞っております。電車の中から、ケイタイでアップしている、ツイッター(PCサイト左側バナー部分に内容表示されています)もありますので、よろしかったらお読みください。

 @demandworks

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【お知らせ】6月23日(木) 『SPAのためのアパレル品質向上セミナー』開催します。
詳しくは 
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May 20, 2011

しまむらの物流の強み、その裏側にあるもの

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 5月18日の日経MJ一面に大震災発生後の復旧にあたり、あらためて「強み」を発揮した、しまむらの自社物流インフラに関する記事が掲載されていました。

 同社は、ファッション流通の中でも、もっとも被災した店舗が多かった企業のひとつ(全国1647店舗中402店舗が被災し、震災直後、109店舗が営業停止)でしたが、ライフラインである実用衣料を取り扱う使命から、被災地の需要にこたえるべく、メーカー、本部、店舗が一丸となって、復旧のスピードも業界トップクラスの速さだったと思います。

 自社物流の強みを活かし、第三者に頼らず、自ら直接被災地に寄付を届けに行った姿勢は、とても感動的で、以下のブログエントリーでご紹介させていただいた次第です。

 関連エントリー‐しまむらの被災地支援に見る企業の社会的責任

 同社の物流システムは、国内外の多くの企業が視察に行くほど、完成型のひとつと言われています(私も小売りチェーン勤務時代に拝見させていただき、その裏側にある姿勢を参考にさせていただいたものです)。

 メーカーがあらかじめ店別に梱包したカートンを、全国に9つある地区別自社物流センターで自動仕分けをし、翌日、開店時には、店頭で販売ができるように、自社ルート便で夜中のうちに全国1000店舗以上の店舗に届けたり、

 同ルート便の戻り便では、ITで科学的に判断、指示の出された店間移動商品を回収、翌日移送先店舗に配送することによって

 業界屈指の値下率の低さ=プロパー消化の高さを誇っているのは業界でも有名な話。

 仕入れた商品を、技術を駆使して、「売り切る力」は、業界内でも同社の右に出るものはないと思います。

 以前、経済紙の記者の方から、しまむらの物流が業界で最先端のひとつであるなら、なぜ他社はそれを真似しないのか?できないのか?と聞かれたことがあります。

 私は、その答えは、チェーンとしての規模が大きいとか、投資額が莫大であるとか、ITに優れた人材がいるとかいないとかの話ではなく、

 顧客が誰かが明確で、そのお客さんのために、店舗と本部が一丸となって、どんな商品、サービス、価値を提供しようと考えるのかという、

 顧客と従業員に対する「思いやり」と

 業務の全てを妥協なく、その方向に向ける「覚悟」と「執念」の問題だと思っています。

 小売業の使命は、顧客が求める商品を、タイムリーに、一人一人の手元に確実に届けることだと思っていますが・・・

 日本のファッション流通企業の中で、しまむらほど、その使命に対して真摯に取り組み、そして執念を持って、まっとうしようという姿勢の企業はそうは見当たりません。

 業界の中には、しまむらの店頭の美的感覚を見て、あんなのファッションじゃない、と批判をする方が少なくありませんが・・・そう言う方々には、表面的な部分だけでなく、その裏側にある、ファッションのひとつのビジネスモデルの完成型と、それを実現するための、ロジスティックの真骨頂もしっかり学んでいただきたいですね。


 そんな、ひとつの完成型を築いたしまむらも、記事の後半部分にもあるように、現在、岐路に立たされています。

 ここ数年、同社は、日本の出店の空白地を埋めるべく、都心部で、商品が高回転する立地や、SCのテナントとしての出店が増え、これまで郊外路面店向けに発揮した物流システムがそのままは通用しないという課題と向き合っているわけです。

 しかしながら、「思いやり」と「執念」をもった同社のことですから・・・得意のPDCAを回しながら、きっと乗り越えてゆくと確信しております。

 同社が試行錯誤の末、また業界の新しい解を導き出すことを、楽しみに見守っております。

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May 18, 2011

5月上場、香港の中古ブランド品販売会社の株式応募倍率が過去最高を記録

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 5月18日の日経新聞に、5月23日に香港で株式公開(IPO)を予定している、中古ブランド品販売会社、「米蘭站控股(ミラノ・ステーション)」の個人投資家向け株式への応募倍率が、2100倍と過去最高を更新した、という記事を読んで、ちょっと、この会社に興味を持ちました。

 Milan Station 米蘭站

 最近、たまたま読んだラグジュアリーブランドに関する資料によると、香港のラグジュアリーバッグマーケットは世界一の急成長市場で、今年は、いよいよ、年々縮小が続く日本のそれと逆転し、向こう3年間は急成長、しばらく中国本土よりも大きなマーケット規模を維持する見込みのようです。

 やはりタックスフリーの地、中国本土およびアジア、世界からの観光客需要が大きいようですね。

 プラダも今年の6月には香港での世界初上場が決まっていますし、米コーチも準備しているようです。

 ミラノステーションは、そんな香港で、人気の中古ブランド品の買い取り、店頭販売会社です。日本で言えば、コメ兵やブランドオフのようなお店でしょうか?(WEBサイトを見る限り結構洗練されている・・・)

 香港を中心に、マカオ、中国本土計14店舗、10年12月期決算は売上高7億3000万香港ドル(約77億円)の人気チェーンとのこと。店舗名は ”Milan Station”と ”France Station"があるようです(笑)

 2001年創業で、香港人のいろいろなブランドバッグをとっかえひっかえ持ちたい、という需要に応えているとのこと。

 日本以上にブランドニセモノの多く、疑り深い?その分、目の肥えた消費者も多い地で、ブランドの中古の買い取り、販売で上場とは・・・相当のノウハウが御有りなのでしょうね。日本のブランド並行輸入販売店も見習うべきところがあるかもしれません。

 今年は、香港、上海リサーチに行こうと思ってますので・・・香港のチェックポイントに入れておきましょう。

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May 13, 2011

日本でファッションのフラッシュセールサイトはどれだけ普及するだろうか?

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 5月10日の日経新聞に、ソフトバンクがアメリカ最大級の会員制高級ブランド割引販売サイト、ギルト(世界会員350万人)に資本参加し、日本円で約52億円を出資したことに関する記事が掲載されていました。

 ソフトバンクは同時に日本法人ギルトグループの第三者割当増資を引き受け、日本法人の折半出資株主にもなるようです。

 また、13日の日経MJには、米ギルトにソフトバンクだけでなく、ゴールドマンサックスも含む投資家集団が、合計約115億円もの資本注入をする背景として、最近のアメリカのフラッシュセールサイト(アメリカでは、時間限定の瞬間セールを行うということで、こう呼ばれます)を取り巻く背景に関して詳しい記事が掲載されておりました。

 アメリカでは、今年5月にアマゾンがフラッシュセールに参入したり・・・

 昨年2月には、本来ブランドを大事に販売すべき百貨店のノードストロームが、米ギルトよりも多い会員数400万人を誇るオート・ルックを買収したり、

 ニーマンマーカスやサックスフィフスアベニューも自社でフラッシュセールサイトを立ち上げたようで・・・

 アメリカのフラッシュセールサイト市場は激しい競合、再編の状況にあるようです。

 日本での、フラッシュセールサイト元年は、米ギルトの日本進出である2009年(3月)でしょうか?

 関連エントリー-ギルト(GILT)の日本進出は、日本でのブランド販売の常識を崩すだろうか?

 ほぼ同時に計4社のフラッシュセールサイトが立ち上がりました。

 関連エントリー-欧州最大の会員制ファミリーセールサイト、ブランズ・フォー・フレンズ(brands4friends)が上陸

 アメリカでは盛んな、販路として、位置づいているようですが、私は、日本においては、ファッションフラッシュセールサイトの認知、市場の広がりよりも早く、フラッシュセールサイトの企業参入が相次いだため、誰も旨味を得ずに、撤退組が出たという印象を受けています。

 毎日、登録サイトからメルマガが来ますが、苦肉の策で、当初とは違った趣旨にビジネスも広がっているような気がします。

 ソフトバンクがギルトに資本注入して、日本でもフラッシュセールサイトの認知が高まり、果たして勝ち組は生まれるのか?とても興味深く見守って行きたいと思っています。

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May 10, 2011

事務所を移転しました。

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 この度、事務所を移転しました。

 昨年11月に、同じ青山一丁目駅近くに移転したばかりでしたが、3月の震災で事務所が入居していたビルが被災し(汗)、退去勧告が出ていたので、近隣に引っ越しするものです。

 <新住所>
 〒107-0062
 東京都港区南青山2-2-8 DFビル10F
 (東京メトロ青山一丁目駅5番出口から西麻布に向かって徒歩2分右側)
 03-5775-7780 03-5775-7758
 
 
 ※電話番号、FAX番号はこれまでと変わりません。

 これを機に一層、業界のお役に立てるよう努力研鑽をいたします。

 新事務所があるビルには、共同セミナールーム(30人収容)が附属施設として併設されています。
 
 今年は、施設を利用して、業界勉強会、企業研修会、セミナーなど、業界のSPA化、人財育成をサポートするプログラムに積極的に取り組んで行きたいと思っています。

 6月23日(木)には、アパレル品質向上セミナー第2弾を計画しています(詳細は後報します)

 それから・・・そんな場を利用して、業界の人財育成の輪を広げて行きたいと思っています。

 ご自身の実務経験に基づく専門性を活かして、業界の人財育成を行いたい、勉強会を開催したい、といった志のある業界関係者の方がいらっしゃったら、是非、ご連絡ください。

 弊社のミッション、方向性(ファッション事業のSPA化、多店舗化です)にマッチした内容、スキルであれば、セミナーの開催、先生デビュー?をサポートさせていただきます。

 これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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May 09, 2011

先週の記事別アクセスランキング

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 先週のブログの中でアクセスが多かったエントリー(投稿記事)をランキング形式でご紹介します。この1週間、業界で注目されていた話題がわかるかも?

 ゴールデンウィークはいかがでしたでしょうか?

 天気はまずまずだったので、店頭前売りは、そここそいい結果が残せたのではないかと思います。

 夏物の新作販売だけでなく、春物をしっかり消化できたところは5末に向けて完全夏の売場にもっていけそうですね。

 ツイッターアカウントは>>>こちら

 先週のランキングは以下の通りです。
         
【ランキング】

1位-ユニクロに出来なかったことを(11.05.02)

2位-並行輸入品ってなに?(05.6.9)

3位-スタートトゥデイの売上高と商品取扱高(11.05.03)

4位-Bershka(ベルシュカ)日本1号店(渋谷)を覗いてきました(11.4.21)

5位-アバクロ銀座店に行ってきました(09.12.2)

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May 06, 2011

今年のIFIビジネススクール大学講座①明治大学

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 今年度上期のIFIビジネススクール大学講座での講義は、3大学でご指名いただいておりますが・・・

 昨日5月5日は、念願が叶い、母校の明治大学で、「ファッションビジネス論」の第1講、「グローバルファッションビジネスのマクロトレンド」の講師を務めさせていただきました。 

 商学部の主催でしたが、複数の学部の3年生、4年生、250名が、これから始まる12講の総論的な位置づけにもなる講義を聴講されました。

 1988年の卒業から23年が経ち、ようやく母校に少しばかり恩返しが出来たような気がしてうれしかったですね。

 IFIビジネススクールの大学講座は、学生さんにとって、業界の企業で働いている方々の実体験に基づく話が聴ける、とても貴重で、とてもいい刺激になる場だと思っています。

 いつも冒頭で、いろんな大学の学生さんにもお話していますが・・・就活を前に、毎回来て下さる講師の方々が業界の中で、どんなキャリアを積んで来て、だからこそ、こんな話をして下さるんだ、と講義の内容だけでなく、その方々のキャリア、背景、人柄についても興味を持ちながら聴いて欲しい、とアドバイスをしています。

 我々の講義が、少しでも、ファッションビジネスへの興味を刺激し、そして、将来、ファッション業界で活躍しよう、リードして行こうという志につながれがればいいな、と思って取り組んでいます。

 今回は、配布資料にこのブログの検索方法に加えて、ツイッターアカウントも記載したところ、講義終了後から、フォローをしてくれる明大生が結構いらっしゃいました。メールでコメントをくれる学生さんも普段より多く、感謝をしています。

 どうもありがとう。

 次回は再来週、青山学院大学と東京経済大学で講師を務めます。

 IFIビジネス・スクール WEBサイト

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May 05, 2011

月刊「販売革新」5月号に執筆記事が掲載されました。

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 5月2日発売の月刊 販売革新(商業界)5月号特集、「製造小売りのリスクに勝つ!」の中で、「部門別SPAの手引 衣料品編」を執筆させていただきました。

 商業界HP 販売革新 5月号

 ユニクロなど先行SPAの背中を見て、値入れの向上(低い原価率)を目指したPB化、SPA化を進めている事例が業界には多いですが…

 在庫過多、効率低下に悩まされ、品質問題含めて、いざとなったらベンダー(仕入業者)が何とかしてくれる、とバイイングの延長でお考えの企業がまだまだ多いのではないでしょうか?

 記事の内容は、「手引き」とまではいきませんが(4ページで書ける訳がありませんから)、バイイングの域を越え切れない、安易なSPA化?に対する、注意事項をまとめたものになります。

 商品をどう開発すればいいのか?は業界のお得意の諸先輩方にお任せするとして・・・

○SPA化に向けての心構え(責任と覚悟)

○どんなビジネスモデルを目指すのか?3パターンの事例紹介と共通点

○完全買取による在庫リスク、売り切りリスクを、在庫コントロール技術を駆使してどう軽減するのか?

○顧客からの品質クレーム、返品をベンダーのせいにするのではなく、真正面で受け止め、真摯に品質向上に取り組む体制を目指して

 について触れています。

 日本では、商社さん、OEM、ODMメーカーさんも結構、頑張っていらっしゃるんで・・・

 経験者をそろえて、自社開発をするにしても、ベンダーさんの手を借りるにしても、「商品を作ること」はできると思いますが・・・

 作った「商品をしっかり売り切ること」、責任をもって「品質向上に取り組むこと」

 リスクとリーダーシップを取り、そのリスクをどうマネジするかもセットで考えて頂きたい、というのが私が今回の執筆に込めたメッセージです。

 ご興味あれば、書店でご購入、お読み頂き、ご意見賜れば幸いです。

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May 03, 2011

スタートトゥデイの売上高と商品取扱高

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 5月2日の繊研新聞に日本最大のファッションECサイト、「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイの2012年3月期計画に関する記事が掲載されていました。

 最近、経済紙や業界紙が、スタートトゥデイの正味の売上高よりも、「商品取扱高」の大きさを取り上げることに、ちょっと違和感を感じていたので、同社の2011年3月期の決算短信、決算説明会資料と併せて読んでみることにしました。

 スタートトゥデイの2012年3月期計画

 商品取扱高計画 840億円 (47%増)
 うちテナント出店の商品取扱高 670億円(62.4%増)
   直営店売上高          95億円(18.7%減)
   メーカーEC支援事業      75億円(78.8%増)

 同社の正味の売上高計画 322億円 (35.3%増)
 うちストア運営受託販売手数料 183億円
   直営店売上高         115億円 ※東日本大震災チャリティT売上込み
   EC運営受託販売手数料    20億円
   その他               4億円

 上記のように、自社で商品を買い取り、在庫リスクを取る直営店の売上高よりも、ブランド(テナント)から商品を預かり、受託販売して、手数料を得ている方がはるかに大きくなっており、今後も、買い取りから受託に移行するビジネスの方が多いようです。

 それを比率で表すと、2011年の商品取り扱い高に占める直営店の売上高が約20%、2012年には11%にまで下がる見込みです。

 こう見ると、ゾゾタウンはEC小売業というより、EC支援サービス業であるという認識を持った方がよさそうです。

 しかし、同社が決算短信の、「目標とする経営指標」のところで、「商品取扱高」を重視すると言い切るところに込められている思い・・・

 ECになかなか踏み込めなかったファッション業界の高感度企業に対する同社の功績は、計り知れませんからね。

 決算書上、金融機関や投資家には正味の売上高が重要ですが、同社の業界へのインパクトの度合は、確かに商品取扱高で計るのがよいかもしれない、と納得がいった次第です。

 ただし、ブランド側はスタートトゥデイとの付き合いの中で、ノウハウを蓄積し、いずれは、ゾゾタウンを卒業して、自前で運営する方向を取るのが業界にとってのあるべき姿だと思っています。 

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May 02, 2011

ユニクロに出来なかったことを

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 ゴールデンウイーク前にユニクログループの低価格業態、g.u.ジーユーが池袋東口のユニクロの隣に都心大型路面店をオープンしたというニュースをテレビで観て、池袋マーケットリサーチがてら、ちょっと覗いて来ました。

 大阪梅田地区の百貨店戦争とは対象的に、首都圏は、このゴールデンウイーク、越谷と港北のアウトレット、池袋のジーユーといったディスカウント、低価格を切り口にしたものくらいしかテレビなどで話題になるファッション商業施設はなかったような気がします。

 狭い間口に、店内もあえてそうしたのか?・・・お客さんがすれ違えないくらいの什器の詰め方、中央2段壁面3段掛けは当たり前の商品ボリーム、現金問屋のようなワンラック(什器)、ワンアイテム(品番)、ワンカラー(色)ハンギング陳列、オープン目玉プライス390円(サンキュー!)と990円のプライスPOPしか見えない売り場は圧巻というか圧迫感を感じ、ここ最近の商業施設や新店とは、別世界の空間のように感じました。

 店内は、ユニクロとはまた違った客層の学生さんや家族連れの方々が黙々と品定めをし、問い合わせに追われる店舗スタッフさんが忙しそうに走りまわり、店内アナウンスが響き渡っておりました。

 店内にこんなキャッチコピーのポスターがたくさん貼られているのに目が留まります。

 「ユニクロにできなかったことを。

 ユニクロがベーシックなら、ジーユーは旬のファッションを。
 ユニクロが適正価格なら、ジーユーは驚きの低価格で。
 いまほしい物を、もっと気軽に楽しんでほしい。その想いがあるからです。
 あなたのファッションを、もっと自由に。
 ジーユーだけに出来ることを、これからも。」

 一見素敵なキャッチコピーのようですが・・・

 確かに、ベーシック回帰したユニクロに比べて、ジーユーが、外部企画ソースなどを活用して、ティーンズ、ヤングカジュアルのトレンドを程よく取り込んでいるチャレンジは立派だと思っています。しかし、

 ユニクロが適正価格なら、ジーユーは驚きの低価格で

 という部分がひっかかります。

 何が?というと・・・ユニクロの「適正価格」はいいとして、ジーユーの「驚きの低価格」に対する疑問です。

 ユニクロは、独自のSPA(アパレル製販直結)モデルで、品番を絞り込み、世界の工場、中国で、大量計画生産をすることによって、ベーシックカジュアルウエアの低価格良品質を実現しました。

 柳井さんが自身の本や、いろいろなメディアで言われるように、ユニクロの品質の良さ成功の秘密のひとつは、素材の品質、すなわち、価格の割には、優れた素材を使っているところにあるのは、業界の多くの方が認めるところだと思います。
 
 では、ユニクロの半額あるいはそれ以下のジーユーの「驚きの低価格」は、どうやって実現したのでしょうか?

 想定される解は2つあります。

 ひとつは、ジーユーのビジネスモデルがユニクロのそれ(原価率40%程度)と同じならば、ユニクロとは逆に(不良品ではないけど)業界最低水準の素材を使っていること。=素材が良くないから安い

 もうひとつは、しまむらや、フォーエバー21もそうであると推測されますが、原価率が高く(60%くらい)、低販売管理費率(20%台半ば)と在庫コントロールで値下げを圧縮して、最終利益を確保するディスカウンターモデルであること。=こちらは、お客さんにとっては、価格の割には、お値打ち感が感じられる

 いずれにしても、ユニクロの確立されたビジネスモデルとは違った形でなければ、「驚きの低価格」は、実現できないことは間違いありません。

 客観的に見ると、まだどっちつかず、ビジネスのDNAも、サプライチェーンも(ユニクロの工場+ODM活用のようですが)、広告宣伝もユニクロにおんぶにだっこなのでしょう。

 どちらに近いか?と言えば、ピリングや静電気の起こりそうな合繊素材を多用しているところを見ると、前者に近いかな、と思います。

 しかしながら、ユニクログループの看板がある以上、お客さんは別物とは考えませんので、素材の品質が良くない事業をよしとするのであれば、グループの看板を傷つける、極めてリスクが高い取り組み、と言わざるを得ません。

 日本にも、ジーユーが狙っているマーケットは実際、存在すると思います。どうビジネスモデルを磨き上げるのか?今後を楽しみに見守りたいと思います。

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