ユニクロに出来なかったことを
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ゴールデンウイーク前にユニクログループの低価格業態、g.u.ジーユーが池袋東口のユニクロの隣に都心大型路面店をオープンしたというニュースをテレビで観て、池袋マーケットリサーチがてら、ちょっと覗いて来ました。
大阪梅田地区の百貨店戦争とは対象的に、首都圏は、このゴールデンウイーク、越谷と港北のアウトレット、池袋のジーユーといったディスカウント、低価格を切り口にしたものくらいしかテレビなどで話題になるファッション商業施設はなかったような気がします。
狭い間口に、店内もあえてそうしたのか?・・・お客さんがすれ違えないくらいの什器の詰め方、中央2段壁面3段掛けは当たり前の商品ボリーム、現金問屋のようなワンラック(什器)、ワンアイテム(品番)、ワンカラー(色)ハンギング陳列、オープン目玉プライス390円(サンキュー!)と990円のプライスPOPしか見えない売り場は圧巻というか圧迫感を感じ、ここ最近の商業施設や新店とは、別世界の空間のように感じました。
店内は、ユニクロとはまた違った客層の学生さんや家族連れの方々が黙々と品定めをし、問い合わせに追われる店舗スタッフさんが忙しそうに走りまわり、店内アナウンスが響き渡っておりました。
店内にこんなキャッチコピーのポスターがたくさん貼られているのに目が留まります。
「ユニクロにできなかったことを。
ユニクロがベーシックなら、ジーユーは旬のファッションを。
ユニクロが適正価格なら、ジーユーは驚きの低価格で。
いまほしい物を、もっと気軽に楽しんでほしい。その想いがあるからです。
あなたのファッションを、もっと自由に。
ジーユーだけに出来ることを、これからも。」
一見素敵なキャッチコピーのようですが・・・
確かに、ベーシック回帰したユニクロに比べて、ジーユーが、外部企画ソースなどを活用して、ティーンズ、ヤングカジュアルのトレンドを程よく取り込んでいるチャレンジは立派だと思っています。しかし、
ユニクロが適正価格なら、ジーユーは驚きの低価格で
という部分がひっかかります。
何が?というと・・・ユニクロの「適正価格」はいいとして、ジーユーの「驚きの低価格」に対する疑問です。
ユニクロは、独自のSPA(アパレル製販直結)モデルで、品番を絞り込み、世界の工場、中国で、大量計画生産をすることによって、ベーシックカジュアルウエアの低価格良品質を実現しました。
柳井さんが自身の本や、いろいろなメディアで言われるように、ユニクロの品質の良さ成功の秘密のひとつは、素材の品質、すなわち、価格の割には、優れた素材を使っているところにあるのは、業界の多くの方が認めるところだと思います。
では、ユニクロの半額あるいはそれ以下のジーユーの「驚きの低価格」は、どうやって実現したのでしょうか?
想定される解は2つあります。
ひとつは、ジーユーのビジネスモデルがユニクロのそれ(原価率40%程度)と同じならば、ユニクロとは逆に(不良品ではないけど)業界最低水準の素材を使っていること。=素材が良くないから安い
もうひとつは、しまむらや、フォーエバー21もそうであると推測されますが、原価率が高く(60%くらい)、低販売管理費率(20%台半ば)と在庫コントロールで値下げを圧縮して、最終利益を確保するディスカウンターモデルであること。=こちらは、お客さんにとっては、価格の割には、お値打ち感が感じられる
いずれにしても、ユニクロの確立されたビジネスモデルとは違った形でなければ、「驚きの低価格」は、実現できないことは間違いありません。
客観的に見ると、まだどっちつかず、ビジネスのDNAも、サプライチェーンも(ユニクロの工場+ODM活用のようですが)、広告宣伝もユニクロにおんぶにだっこなのでしょう。
どちらに近いか?と言えば、ピリングや静電気の起こりそうな合繊素材を多用しているところを見ると、前者に近いかな、と思います。
しかしながら、ユニクログループの看板がある以上、お客さんは別物とは考えませんので、素材の品質が良くない事業をよしとするのであれば、グループの看板を傷つける、極めてリスクが高い取り組み、と言わざるを得ません。
日本にも、ジーユーが狙っているマーケットは実際、存在すると思います。どうビジネスモデルを磨き上げるのか?今後を楽しみに見守りたいと思います。
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