スタートトゥデイの売上高と商品取扱高
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5月2日の繊研新聞に日本最大のファッションECサイト、「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイの2012年3月期計画に関する記事が掲載されていました。
最近、経済紙や業界紙が、スタートトゥデイの正味の売上高よりも、「商品取扱高」の大きさを取り上げることに、ちょっと違和感を感じていたので、同社の2011年3月期の決算短信、決算説明会資料と併せて読んでみることにしました。
スタートトゥデイの2012年3月期計画
商品取扱高計画 840億円 (47%増)
うちテナント出店の商品取扱高 670億円(62.4%増)
直営店売上高 95億円(18.7%減)
メーカーEC支援事業 75億円(78.8%増)
同社の正味の売上高計画 322億円 (35.3%増)
うちストア運営受託販売手数料 183億円
直営店売上高 115億円 ※東日本大震災チャリティT売上込み
EC運営受託販売手数料 20億円
その他 4億円
上記のように、自社で商品を買い取り、在庫リスクを取る直営店の売上高よりも、ブランド(テナント)から商品を預かり、受託販売して、手数料を得ている方がはるかに大きくなっており、今後も、買い取りから受託に移行するビジネスの方が多いようです。
それを比率で表すと、2011年の商品取り扱い高に占める直営店の売上高が約20%、2012年には11%にまで下がる見込みです。
こう見ると、ゾゾタウンはEC小売業というより、EC支援サービス業であるという認識を持った方がよさそうです。
しかし、同社が決算短信の、「目標とする経営指標」のところで、「商品取扱高」を重視すると言い切るところに込められている思い・・・
ECになかなか踏み込めなかったファッション業界の高感度企業に対する同社の功績は、計り知れませんからね。
決算書上、金融機関や投資家には正味の売上高が重要ですが、同社の業界へのインパクトの度合は、確かに商品取扱高で計るのがよいかもしれない、と納得がいった次第です。
ただし、ブランド側はスタートトゥデイとの付き合いの中で、ノウハウを蓄積し、いずれは、ゾゾタウンを卒業して、自前で運営する方向を取るのが業界にとってのあるべき姿だと思っています。
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