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September 30, 2011

小売ビジネスを科学する!サイゼリヤの「おいしいから売れるのではない、売れているのがおいしい料理だ」を読んで

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 サイゼリヤ創業者で現会長の正垣泰彦さんの書かれた

 「おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ」(日経BP社)

 を読みました。

 会長、社長を筆頭に理系出身の社員が中心に、チェーンストアビジネスを科学的に考える外食チェーンとして定評のあるサイゼリヤの正垣会長初の著書ということで大変興味深く読ませていただきました。

 知る人ぞ知る話ですが、正垣会長は、チェーンストア理論でおなじみの故渥美俊一先生のペガサスクラブの、最も優秀な門下生のひとりであり、同理論を上手に取り入れて成功した経営者としても有名です。

 その昔、十年も前の話ですが、私も渥美先生の薫陶を受けていたころがあり、当時よく、渥美先生から

 「外食チェーンでは先を走るマクドナルド、吉野家、サイゼリヤはすでにカーブを曲がっていて、もはや背中は見えない。よっぽどのことでは追いつけない。一方、アパレルチェーンの連中は、それに比べたらユニクロの背中はまだ見えているぞ」、と発破をかけられたものです。

 残念ながら10年経った今、アパレル業界はユニクロの背中が見えなくなるくらい、すっかり独走を許してしまったようです(汗)

 昔話はさておき・・・

 同著は、正垣会長が外食産業関係者や飲食店経営者に語りかけるような異業種の話ではありますが、その話をアパレル小売ビジネスに置き換えたら・・・と考えながら読んでみると、実に当てはまることが多いと感じたものです。

 ファッションでも、小売ビジネスに携わる方々には、一般生活者の購買行動や、自分たちの経営感覚、業務のあり方、作業の決め方を考えるという視点で、共通点も少なくなく、気づきの多い書籍だと思います。

 では、私が、参考になると思い、ドッグイヤーをつけた箇所からいくつかご紹介しましょう。

○顧客にとって、「おいしい」、「まずい」(顧客満足)の基準は、(絶対的なものではなく)料理の品質と顧客の求める「用途」が合っているかどうかで決まる

 商品さえ良ければ売れるという作り手の自己満足の時代から、顧客が求める用途にあった品質と価格のバランスの時代へ。客数増(特にリピーター)こそがその唯一のバロメーター。

○店で起きるあらゆる現象を観察し、可能な限り、数値や客観的なデータに置き換えて因果関係を考える。

 売上だけでなく、経験値でも何でも、因数分解して、数値化(見える化)して、常に仮説検証を行う姿勢こそ「小売ビジネスを科学すること」の第一歩です。

○標準化のコツは、従業員の中で一番優秀な人間がやっている名人芸を誰にでもこなせるようにできないかと考えること

 いわゆるベストプラクティス、課題解決、成長、人財育成のヒントは社内にあるもの。

○「テーブルをきれいに拭く」という言葉は「布巾をテーブルの上で左右に4回往復させること」と決めよ

 これは耳が痛い!作業指示とは、本来、誰がやっても同じ結果が得られるようにしなければならないものです。

 その他にも、なるほどそういう風に考え、伝えればできそう、と気づきが結構ありました。

 渥美先生が、普遍的なもの、共通項を抽象的に語ったチェーンストア理論が、サイゼリヤ正垣会長流に非常に身近にわかりやすく感じる書籍でもあります。

 この本を

 外食とファッションビジネスは全く違うから参考にならないと思うか?

 それとも

 異業種からも学ぶもの、ベンチマークできるものは沢山あるという貪欲な姿勢で読むか?

 で皆さんの未来は変わって来ると思います。ご興味持たれたら是非ご一読を。

関連エントリー‐サイゼリヤの生産性向上への取り組み
関連エントリー‐訃報 渥美俊一先生逝く

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September 24, 2011

ユニクロの1000坪級超大型店国内100店舗構想

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 9月16日に池袋東武百貨店の9、10階に、続いて、先週9月23日には台北に、それぞれ1000坪の超大型店をオープンさせたユニクロ。

 来月10月14日には、ニューヨーク5番街に1400坪、続いて10月21日には、ニューヨーク34丁目(エンパイアステイトビルと同じブロック)に1300坪の超大型店を開業予定です。

 いやはや、9月14日に発表されたファストリの事業戦略発表会では、2012年にグループ年商1兆円を達成した後、2016年以降は毎年5000億円(毎年ですよ!?)の売上上積みをして、2020年にグループ売上5兆円、経常利益1兆円を目標にするという柳井さんの高い理想には、いつも驚かされますね。

 リンク 2011年 ファーストリテイリング事業説明会資料
 
 資料によると、海外のグローバル旗艦店で、1店舗あたり数十億円の売上を叩ける!と自信を持った柳井会長は・・・M&Aではなく、ユニクロ国内&海外事業の積み上げ、自力で5兆円を目指そうとお考えなのでしょうか?

 発表の中で、気になっていることのひとつは・・・国内ユニクロ事業で

 1000坪級の超大型店 100店舗
 500坪級の大型店 200店舗
 300坪級の標準店 500店舗
 小型店駅ナカ店   200店舗

 をスクラップ&ビルドで構築しようという部分。

 近い将来、ユニクロが国内1000店舗超で日本のアパレル小売市場の10%の売上シェアを取ることは、ある程度、現実味をもって想定していますが、1000坪級の超大型店を日本国内に100店舗出店する構想には、正直、少々驚きと戸惑いを隠せません。

 1000坪の売場面積ってどんなもんかというと、渋谷のH&M(約900坪)と同フォーエバー21(約1200坪)の中間くらいの大きさになります。かなり広いですよ。

 ユニクロが開業済みまたは開業予定の超大型店をネットで調べてみましたが、

 開業日    店舗名   売場面積
 2006.11.10 ニューヨーク ソーホー 1000坪
 2007.3.30  神戸ハーバーランド店 1190坪
 2007.5.25  世田谷千歳台店 900坪
 2010.5.15  上海南京西路 1090坪
 2010.10.1  心斎橋店 800坪(B1~4F)
 2011.4.26  あべのキューズモール店 1020坪
 2011.9.16   池袋東武百貨店内 1000坪(9、10階)
 2011.9.23  台北グローバル旗艦店 1000坪(1~3階)
 2011.10.14 ニューヨーク5番街店  1400坪
 2011.10.21 ニューヨーク34丁目店 1300坪

 年商10億円台の後半と思われる神戸ハーバーランド店を下限に、20億円台の超大型店や、年商がそれを上回ると思われる、銀座店や新宿西口店の大型店出店実績から、無理な話ではないと思われたのでしょうね。

 また、ニューヨーク、ロンドン、そして東京などで、H&M、フォーエバー21、トップショップなどグローバルSPAによる超大型店のガチンコ勝負を目の当たりにしたら・・・

 日本中はもちろんのこと、世界のファッション都市で地域一番店になりたいと思う柳井さんの気持ちは理解できないでもありません。

 しかし、世界の主要都市、日本の政令指定都市に数店舗づつ、というならまだ現実味はありますが・・・

 日本で1都道府県に2店舗の割(現実的には首都圏に3割以上を集中されるでしょうが)で1000坪級の店舗を出店するのは、

 ・出店機会
 ・品揃え
 ・顧客の商品の見つけやすさ、買い物のしやすさ

 などの点で、けっこう無理があるように思います。

 まず、郊外SCの大型業態撤退跡ならまだしも、都心部路面では、なかなか出物がないのではないでしょうか?

 とは言え、今回の池袋の東武百貨店、新宿南口の高島屋のような百貨店の上層階や、家電量販店の大箱の一部を転借するパターンであれば、意外と出店機会はあるかもしれません。

 H&Mを始めとするグローバルSPAの大型店出店候補地を先手で押さえてしまおう、彼らより大きな店を作ってしまおう、と焦る気持ちもあるのかもしれません。

 いずれにしても、ベーシック回帰で、品番を絞り込むユニクロが、1000坪をどう商品で埋めるのか?とても見ものですね・・・くれぐれもグループ企業のg.u.(ジーユー)のように、1什器あたり1品番1色・・・現金問屋のショールームのような陳列にならないことを祈りますが・・・

関連エントリー-ユニクロのジーンズの進化に感心(千歳台店レポート)
関連エントリー-ユニクロがニューヨーク五番街に世界最大店出店、その勝算は?
関連エントリー-ユニクロ心斎橋グローバル旗艦店関連エントリー-フォーエバー21渋谷店は国内最大のファッションストアに
関連エントリー-ユニクロが来夏、新宿駅東口に1500坪級の超大型店を出店予定

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September 16, 2011

H&Mのプライスポイント

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 業務柄、ファッションストアの店頭ウォッチ、定点観測は欠かせませんが、ここのところ気になっていることのひとつが、H&Mのプライスポイント・・・

 すなわち、ファッションストアが、最も商品在庫を積込み、顧客に価格イメージを焼き付けながら、最も数量を販売しようとする「最多価格帯(アパレルメーカーが言う中心価格ではありません)」が年々下がっていることです。

 2008年秋、H&Mが銀座に上陸した時は、3990円

 2009年秋、フォーエバー21のプライスポイント1990円を意識して、3490円

 に下げたH&Mが、2011年、この秋からは、更に500円下げて、2990円にしています。

 スペインからの運賃を価格に転嫁するZARAに対して、H&Mは、各国マーケットの市場価格にあわせることで知られていますが、円高の追い風もあるとは思いますが、これから日本で出店攻勢に入る地域一番店主義の同社がプライスポイントを下げて来たことに少々警戒感を感じざるを得ません。

 関連エントリー-WWDジャパン8月1日号「『H&M』は日本でこれ以上拡大できるか?」に寄稿記事が掲載されました

 中国問題も相まって、ファストファッションに振り回された日本のアパレル企業が、付加価値を付けることに躍起になっていますが、それはよいこととして、それをあまり価格転嫁しすぎると、過去に何度も失敗した轍を踏むことになりかねない、ちょっと違った方向に行ってしまうように思います。決して景気は上向いているとは思いませんので・・・・

 中国の内需の減速、欧米の不景気から、中国生産のキャパシティは以前と比べて空き始めているような話を耳にすることが多くなりました。中国問題で反省した業務改善、体質改善はこれまで通り進めながら・・・外資含めた状勢の変化にも敏感になっておきたいところです。

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September 12, 2011

この秋冬のあったか機能インナー

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 ちょっと前の記事になりますが・・・9月6日の繊研新聞に、この秋冬の各社のあったか機能インナーの販売計画に関する記事が掲載されていました。

 残暑厳しき折・・・(今年の9月は、エルニーニョがなくて、残暑ないはず、と聞いていたのに、やはり残暑でしたね)まだ、話題にもしたくない気もしますが、業界内では、気になるところでもありますので、少しご紹介しておきます。

 企業または店舗名  ブランド名   本年計画   昨年実績
 ユニクロ       ヒートテック    1億枚     8000万枚
 しまむら       ファイバーヒート  昨年以上  約3000万枚
 イオン        ヒートファクト    昨年以上  約2000万枚
 イトーヨーカ堂   ボディーヒーター  1000万枚  450万枚
 グンゼ       ホットマジック     500万枚  450万枚
 ジーユー      あったかスタイル  500万枚  約200万枚
 良品計画      ぬくもりインナー  昨年並み   120万枚以上
 ワコール       スゴ衣       106万枚   98万枚

 前年は各社が完売状態になったようでしたので、

 関連エントリー-保温機能性インナーは大手各社がほぼ完売の模様

 各社強気の仕込みをしてくるようですが、記事に出ている全国調査によると、知名度が96.3%、代名詞にもなっているユニクロのヒートテックに対して、どんな差別化をされるかが注目ですね。

 昨年着ていたものは、きっと多少ピリングも起こっているでしょうし、値段もこなれているので、皆さんも、新しいものを着比べていただくとよいのではないかと思います。

 似たり寄ったりという声もありますが、個人的には、昨秋は各社の違いを楽しみ(?)、イトーヨーカ堂の綿の混率が高いボディーヒーターが気に入っておりました。

 記事の中で、目にとまったのは、各社が温かさ、保温機能をうたう中で、しまむらはあえて、吸水速乾機能(ドライ)を付加するようです。

 私も電車の中や、鍋、ラーメン、うどんを食べた後は、ヒートテックに散々大汗かかされているので、暖かけりゃいいってもんじゃない、生活者目線でこれは、いいかも。

 また、ビジネスマンは白Vの半そでが晩期まで必要なのに、秋が終わると、早々に販売終了させて、9分袖に販売を移行していたユニクロが、どれだけ反省して、どこまでその需要に応えてくれるかも見ものです。

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September 09, 2011

経営者の思いは現場に伝わっているか?

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 9月9日の日経MJの一面および三面に掲載されていた、日本マクドナルドの原田CEO、ファーストリテイリングの柳井会長の対談は、多くの方々がお読みになったのではないでしょうか?

 意外でしたが、お二人、初対面だったのですね。

 日本を代表する経営者であるお二人の、新聞、雑誌のインタビュー&関連記事は、見出しを見つけると、必ず読んでいるので、今回の内容も、いつも通りの、お二人らしい発言だったな、というのが全体の感想です。

 とは言え、私が最も印象に残り、ご紹介したいなと思うのは・・・

 カリスマ経営者としてのお二人の「思い」がどれだけ社員に伝わっているか?という質問に対するくだりです。

 柳井氏 「(きちんと)伝わっていたら、すごくもうかってますよ」

 原田氏 「ちゃんと伝わってたら売上は倍ですね(笑)」
 
 お二人とも

 大組織の中で、自分(経営者)の思いは、半分も現場に伝わらないもの

 と理解され、どうやってご自身の意思を現場まで浸透させるか?現場で起こっていることをいかに正しく知るかについて、だいぶ腐心されているようでしたので、ある意味、安心しました。

 柳井会長は、「間接ではなく、直接伝えない限りだめですね。メールや朝礼を使って直接伝達することを積極的にやらないと。販売員は本部に直接、問い合わせをしない限り、だめだと思います。スーパーバイザーやブロックリーダーが中に入ると、どうしてもバイアスがかかってしまう」

 原田CEOは、「伝わらない最大の障害は、階層的な組織。伝言ゲームはだめです。ちょっとおかしいなと肌で感じると、必ず店に行きます。従業員と話すと、すぐわかるんですよ。お客様も嘘ををつきません。私は、売り上げ情報よりもカスタマーセンターの情報をよく見ますね。(中略)(クレームは)宝の山ですね」

 お二人以外にも、お客様からの苦情にすべて目を通して、現場に出向き、確認。月曜日の朝会は、前週の苦情をひとつ取り上げ、担当者をつるしあげるところから始める大手流通業の創業経営者も何人か存じ上げています。

 どんなに経営者が立派なことを言っても、現場(店頭)で起こっていることが、その企業のすべてであることは言うまでもありません。

 そして継続的に、徹底的に、自ら、経営理念、行動指針を浸透させることが本当に優秀な経営者の役割のひとつでもあるのでしょう。

 ですから、私も業務で、企業をベンチマークする時、店頭を観察し、確認し、その裏にあるものを読む、定点観測は、その企業を知る上で、欠かせない業務のひとつにしています。
 
 たまたま、と言われる方もいらっしゃるかもしれませんが・・・現場は正直、それ以上でもそれ以下でもない。私が長年の店頭ウォッチから感じている持論です。

 皆さんのお店では、経営者の方の思いが現場に伝わっているでしょうか?そのために、どんなご苦労をされているでしょうか?

 関連エントリー-「ユニクロ帝国の光と影」を読んで

 関連エントリー-マクドナルドの次世代ビジネスモデル

 関連エントリー-「強い流通」3つの法則

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September 08, 2011

外資系小売業の成功と撤退

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 先週から今週にかけて、世界14ヵ国に5000店舗以上を展開する、イギリスの最大手流通チェーン、テスコ(日本では食品スーパー「TESCO」や買収した「つるかめランド」を展開)が8年目で日本から撤退するニュースが新聞紙上を賑わせましたが・・・

 9月5日の日経MJ 一面にこのニュースに関する総括的な記事が掲載されており、興味深く読ませていただきました。

 私は、多くの外資系企業が日本から撤退していった際に、見たり聞いたりする、

 「それ見たことか」、「グローバル大手でも、特異な(?)日本市場では成功できない」、

 という閉鎖的、排他的な論調が一番嫌いですが、同紙の内容はとても冷静で納得の行くものでした。

 要は、

×商品を日本のメーカーから調達しなかればならないとか、日本のローカルな商慣習に合わせなければならない、ナショナルメーカーや問屋の強い業界の成功確率は低く、

○独自商品を開発する小売業が主導権を持っている業界または業態は成功確率が高いという話です。

 その観点からみれば、SPA(製造直販)モデルが主流となりつつあるファッション業界は、食品、日用雑貨、家電などに比べて、外資の成功確率は高いと言えるのでしょう。GAP、ZARA、H&M、IKEA・・・あたりが好例でしょうか。

 逆に言えば、前者(×)はまだまだ、生活者主導になっていない、豊かさへの改善余地のある業界なのかもしれませんね。

 我々が外資系流通業から学ぶのは、商品そのものではなく、生活者を豊かにする、ある意味、既存の呪縛から解放するための、企業理念と店頭からサプライチェーンまでのしくみに他なりません。

 世界の流通の先輩からはまだまだ、学ぶことは多いと思います。

 真摯に学ぶことなく、外資排他論が業界にはびこっている段階では、まだまだ外資の刺激、洗礼は必要だと思いますので、ますますの「黒船」の上陸を歓迎します。

 結果、外資系が根を下ろすにしても、撤退するにしても、ローカル企業の淘汰や進化が進むでしょうから・・・最終的な勝者は生活者、これが正しい流通のありかただと思います。 

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September 07, 2011

ナルミヤのエンジェルブルー他がイオンのNPBに

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 9月7日の日経新聞によると、ナルミヤインターナショナルは、同社の成長をけん引した百貨店向け子供服ブランド、「エンジェルブルー」および「ミニケー」をイオンの専用ブランドとして共同開発し、今秋からイオングループ100~150店舗で発売、14年度に250店舗、年商25億円を目標に、量販ブランドとして再生させるとのこと。

 新生エンジェルブルーの価格帯は2980円~3980円
 同 ミニケー    は        1480円~1980円

 百貨店時代の半額以下、イオンの子供服売場の中心価格に対しては、3~1割高になります。

 前者は年間6コレクション、後者は4コレクションを投入し、従来の子供服の2コレクションのサイクルを細分化し、価格だけでなく、店頭鮮度も配慮し、量販店の客層に対応しようというものです。

 記事によると、この取組みを視野に入れて、エンジェルブルーの百貨店での展開は昨年をもって終了していたんですね。

 エンジェルブルーの類似商品はすでに量販マーケットに低価格で、かなり出回っているように思いますが・・・

 同ブランドのイオンのNPB化は、価格は別にして(イオンにしては、ちょっと高いかも)、再建中のナルミヤの資産を活かすという観点から見れば、ナイスな選択だと思います。

 旬を過ぎた、かつての人気百貨店ブランド、駅ビルブランドの名を冠した量販店のNPB(ナショナルプライベートブランド)のアパレルと量販店の取り組みは今後も増えるのではないでしょうか?

 アメリカではウォルマートやターゲットあたりのディスカウンターにもすでにたくさんのデザイナーとの取組やキャラクターブランドとの取組のNPB事例が見受けられますからね。

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September 06, 2011

アパレル有力専門店のEC化率

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 9月6日の繊研新聞に、同紙が調査したアパレル専門店のネット販売への取り組みに関する記事が掲載されていました。

 同調査に回答した企業のみの数値になりますが、昨今の業界関心事のひとつである、ECの取り組みを考える上で、参考になる数字だと思いますので、引用、ご紹介させていただきます。

            EC売上高  前年比    EC化率
ユニクロ         23,043   (22.2%)    3.8%
ユナイテッドアローズ  8,997    (31.7%)   10.6%
良品計画         8,566    (4.1%)    5.9%
ポイント          4,665    (30.6%)   4.5%
アーバンリサーチ    2,300    ( - )    12.6%
シップス          2,100    (21.5%)   9.4%
クロスカンパニー    1,890    (136.3%)   4.6%
リステアHD       1,294     (32.2%)   14.9%

※売上高の単位は百万円、アーバンリサーチは前々期決算変更月変更のため、前年比較出来ず。

 売上高の大きさ、伸び率もさることながら、EC売上比率に注目ですね。

 みなさんはこの数字を見てどう思われますか?

 一般的に、本やナショナルメーカー家電など、商品を見ずしてクオリティがわかる、安心して買える商品がネット購買に適していると思いきや、購入経験率も高く、クオリティの知れた、ユニクロや無印良品のEC化率に対して、セレクトショップのそれが極めて高いことに気づかれませんか?

 以前UAさんの取材からわかったことですが、

 関連エントリー-季刊専門誌「流通とシステム」に、ファッション専門店のリアル店舗とネット通販のシナジー効果に関する寄稿記事が掲載されました。

 店舗数が少ないから、店舗のない地域の顧客がECを利用するというよりも、店舗もよく利用する顧客が、ECのヘビーユーザーになる事実。

 ということは、そのストアのEC化率の高さは、「妥協」ではなく、指名買い、「信頼」の高さだということなんですよね。

 そうすると、現在EC化率が低い店舗は、リアル店舗の信頼度、リアル店舗のスタッフの顧客に対するEC利用の啓蒙活動を見直した方がよいのかもしれません。

 EC化率の高いセレクトショップは、そのあたりにしっかり取り組まれているのではないでしょうか?

 関連エントリーeコマースの売り上げ構成比10%を目指そう! 

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