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November 09, 2011

中国進出にあたりどんなビジネスモデルで臨むか?

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 11月9日の繊研新聞に、2011年上半期増収大幅増益で折り返した、セレクトショップ大手、ユナイテッドアローズの中期経営計画(~2014年3月期)に関する記事が掲載されていました。

 記事によると、同社は既存業態のブラッシュアップ、国内市場への更なる浸透に注力し、海外進出で最大のポテンシャルの見込める中国進出に関しては、「まだカントリーリスクが大きいうえ、接客技術でオリジナルと仕入れ商品を販売する手法が現段階では時期尚早と見ている」とのこと。

 業界が次なる成長エンジンとして最大の関心を寄せる中国、アジア進出、早く手を打った方がよいのは間違いないと思いますが、現地の事情を研究して現地で通用する仮説、損益モデルを立てて進出することが大切なのは、言うまでもありません。

 中国進出については、業界の中でよく話題になりますが・・・現地の消費者の好みに合わせた商品MDの改良の必要性について語られる方は多いですが、どんなビジネスモデルで臨むべきかの議論があまり進んでいないように思います。

 人口は多くて、経済成長力も高い、GDPが日本を抜いて世界第2位となり、更なる潜在力があるのは間違いない中国市場ですが、都心部の販売効率(坪あたりの売上)を聞いても、良くて日本の半分、悪い場合は1/5というケースも耳にします。

 冷静に考えても・・・確かに総人口ははるかに多くて、経済規模は総額で日本を超えても、あれだけ広い国土に分散、一部の人に集中しているわけですから・・・

 単純に人口密度が日本の半分以下の(これは人が住めない場所もカウントされていますのでちょっと乱暴な数字ですが)中国の販売効率が低くなるのは当たりまえではないでしょうか?

 参考:ウィキペディア 国の人口密度順リスト

 この人口密度だけ見ると、日本より上位にあり、所得がそこそこの国、シンガポール、香港、韓国、台湾の方が瞬発力はあるはずだし、所得が上がって来たら、中国よりインドの方が効率はよいかもしれません。

 ゆえに、日本トップクラスの月坪売上60万円台を誇るファッション専門店、ユナイテッドアローズが、中国進出に慎重になるのにも頷けますね。坪効率が半分になっちゃったら、違うオペレーション、違うビジネスですから。

 現段階では、バラ色のビジネスプランではなく、
 
 「あまり売れなくても儲かる仕組み」

 をもって、中国進出に臨まざるを得ないようです。

 想定できる選択肢は大きく分けて2つ、

・法外に高い?粗利率で、坪効率が悪くても、歩留りを確保するか?

・リーズナブルな粗利率で、単価は低くても、客数を稼ぎ、ローコストオペレーションで歩留りを残すか?

 都心の一部や当初は両方ありのような気もしますが、中長期戦では後者の方が有利なような気がしますが、いかがでしょうか?

 そう考えると、日本の企業でも、郊外出身のローコストオペレーションに長けたチェーンストアの方が、勝ち目があるかもしれませんね。

 いずれにせよ、ビジネスモデル(損益構造)も日本国内とは別に、新たなチェーンストアシステムを作るつもりで取り組んだ方がよさそうです。

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