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March 21, 2012

ファッションビジネスの売り逃し

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 3月19日の繊研新聞に、2月29日東証マザーズから東証1部上場に指定替えとなった、ゾゾタウンを運営するスタートトゥデイの前澤社長のインタビュー記事が掲載されていました。

 同社が成長のキーワードとして掲げる「ファッションビジネス業界の効率化」

 関連して、私の琴線に触れた部分を紹介させていただきます。

 記事によれば、同社が約94億円の商品取扱高を上げた昨年12月に、ゾゾ内の再リクエスト総額は約65億円分あったことに対し、(以下引用)

 「あるブランドの協力で調査したら、リクエストの6割の商品が店頭や倉庫に存在した。つまり売り逃し商品だ。買いたい人がいるのに商品を届けられない歯がゆさ。この実態を知ったら、経営者はどうするだろう。」(以上引用)

 店頭でも売れるものを、すべてゾゾ最優先に回すことは難しいにしても・・・この前澤社長の商売人根性、何とかしようという執念、実際の取り組みを業界の経営陣の方々は見習うべきでないでしょうか?

 なぜなら、同じことがリアル店舗でも毎日のように起こっているからです。

 ファッションビジネスのキモは、常に同時多発する「売り逃し」と「在庫過多」をどう最小限に食い止めるかにあります。

 私が専門にする在庫コントロールも、需要予測と購買行動分析から、その2つへの対処を年中考える業務に他なりません。

 しかしながら、実態をつかめず(つかまず?)、具体的な対処ができず、放置しているケースが業界にどれだけ多いことか・・・

  そのあたりに取り組むだけでも顧客満足、売上、在庫、キャッシュフローは確実に改善することは誰もがわかっているはずです。

 どうせ実態なんかつかめないんだから・・・という「負け癖」ついていませんか?

 eコマースの成長期にあたり、リアルとウェッブの相乗効果を目指す業界の中で・・・

 私がeコマースの流通革新に期待していることのひとつは・・・前澤社長が言われるように、売り逃しの実態をつかもう、具体的な対策を講じようと考え、行動に移すきっかけになってくれることです。

 決してeコマースにしかできないことじゃない、その諦めない、何とかしようとする執念こそが大事なのだと思います。

 お客さんが欲しかった商品を手に入れる喜び、それを手助けできたことを自分のことのように喜ぶ店舗スタッフのために。

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3月11日で閉店していたUT STORE HARAJUKU.(旧ユニクロ原宿店)

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 先週の日経MJ、ユニクロ銀座グローバル旗艦店オープンの記事の中で、ちらっと触れられていましたが・・・
 
 UT STORE HARAJUKU(旧ユニクロ原宿店)が、10日前、3月11日に閉店していたことを、今日、明治通りを歩いていて確認しました。

Photo_2

 1998年に開業し、GAP原宿店のテコの力も利用して、2000年前後のユニクロブーム、フリースブームの舞台になったユニクロ原宿店。

 日本のアパレル業界の歴史の1ページを飾る同店に、業界の皆さんは何度も足を運んだことでしょう。

 業界に長年いて、ある時期はお決まりの定点観測店舗のひとつで・・・いろいろ勉強させていただいたというか、これからのことを考えさせられたものでした。

 ユニクロさんって、オープンは派手にやりますが、閉店セールの大好きな紳士服チェーン出身?に関わらず、閉店はひっそりと行われるんですね(笑)。 

 日経MJの記事によれば、UTのフラッグシップの役目は、銀座店の11階に引き継がれれたとのこと。

 ユニクロは、しばらく原宿から姿を消しますが、また、大型物件の出物があれば、きっと戻って来られることでしょう。

 ひとまず、店舗に敬意を表して・・・長い間大変お疲れ様でした、と言わせていただきます。

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March 20, 2012

しまむらの業績は一番わかりやすい衣料消費インデックス

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 3月19日の日経新聞、月曜経済観測に、ファッションセンターしまむらを展開する、しまむらの野中社長のインタビュー記事が掲載されていました。

 内容は、東日本大震災後の都道府県別消費動向から、同社のメイン客層である主婦の購買心理、最近では、ティーンズ向けトレンド商品を強化していることから、カジュアルマーケットのトレンド動向まで、とてもわかりやすく語られていました。

 しまむらは、ご存じの通り、全業態含めて全国1700店舗以上を展開し、今のところ手薄な東京、大阪の都心部を除き各地域で一定のマーケットシェアを持っており、なおかつ、実用衣料から1470円、1870円をプライスポイント(最多価格帯)とする低価格のシーズントレンド商品まで幅広く品ぞろえ、おもいやりをもって安定供給しているので、

 同社の既存店売上高前年対比をはじめ、同社の数値は、かなり信頼性の高い衣料消費インデックス(指標)として、業界、投資家の中で、定評があります。

 これまでの?ユニクロのそれが、ヒット商品やプロモーションによって乱高下しているのとはとても対照的だと思っています。

 まあ、それも企業、経営者の生きざまですので、どちらが正解とは言えませんが・・・

 持続可能な成長、従業員の成長・働きがいがテーマの私としては、しまむらさんから学ぶことの方が多いですが・・・ドラマとしては、ユニクロさんの方が面白いですかね~(笑)

 そんなしまむらの野中社長によれば、

 消費の底堅さを実感している

 といいますから、業界にとっては明るい話ではないでしょうか?

 さて、以前も何度かブログでご紹介しましたが、同社が決算ごとにリリースする決算概要は、ファッション流通企業がKPI(key performance indicator)=重要業績評価指標としている数字をとても細かに公表しているので、経営者、経営企画担当者のバイブルと言っても過言ではありません。

 しまむら 直近決算概要

 うちのマーケットは違う、うちはトレンドファッションを売っているのだ、と思われる方も、過去数年間分を一読されたらいかがでしょうか?

 目から鱗の数値が沢山出ていますよ。 

 よく業界の初対面の経営者の方から、業界水準(数値)を教えてくれ、と言われることが少なくありません。

 事情をお聞きして、数値を選んでご紹介することもありますが、まずは決まって、しまむらの決算概要をご覧になったらいかがでしょうか?とお勧めすることにしています。 

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March 14, 2012

「社員(ヒト)の成長=事業の成長」の方程式

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 先日、クライアント企業さんの年に一度の経営方針発表会に出席させていただきました。

 成熟市場、業界低迷が叫ばれる中、10期連続増収増益、今でも業界の中でもトップクラスの高い成長を続ける同社。

 昨年のトップの世代交代後、初めてのイベントは、前社長(現会長)時に比べ、新社長らしい、とてもシンプルなスタート。

 しかしながら、後半部分の、店長さんや本部若手社員の方々にフォーカスを当てる場面になると、同社の社風を十二分に発揮する、来場者の心を引きつける、とても素敵な演出が待ち受けていました。

 おそらく来場の方々皆さんが同じように感じられたこと・・・

○会社の経営陣は、フィルターを通さず、しっかり現場を見ていらっしゃる。

○だから現場もそれを信頼して、一生懸命頑張れる。

○成長に貪欲な社員の方々のモチベーションの連鎖。

○人を育てる文化、そして、いつかは、自分を育ててくれたあの人に追いつきたい、あの舞台に立って恩返しをしたい、というモチベーションの連鎖。

 同社の年間既存店増収記録の更新を毎年確認することは、

 事業の成長が、決して、時代性やブームとか、一過性のプロモーション的な「しかけ」ではなく、

 社員(ヒト)の成長=事業の成長 

 という、業界の人財育成を生業している私の信条でもある方程式を確信する機会でもあります。

 人は、学び、工夫をし、今までとやり方を変えて実行した時に、成長し、その結果は数字に表れる。

 ものだと。

 それは、私が成熟企業に勤務していた時にすら、いくつかの小さな事例で手ごたえを得て気づき、独立後、沢山の成長企業を応援しながら確信した真実であります。

 まだまだ伸び代もあることを感じ、これから一年の取り組みのイメージを思い浮かべながら会場を後にさせていただきました。

関連エントリー-「マネジメント」の意味
関連エントリー-社員の成長なくして企業の成長なし
関連エントリー-人は教える時にもっとも学ぶ

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March 11, 2012

ユナイテッドアローズがGoogle(グーグル)ローカルショッピングに参加

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 3月7日の日経MJに、セレクトショップ大手のユナイテッドアローズ(UA)が、検索エンジンサイト、Google(グーグル)が提供するサービス、Googleローカルショッピング(Google ショッピング内のサービス)に参加し、クロームハーツ、アウトレットなどを除く、同社のほとんどの業態の全店の商品在庫情報をネット上で公開し始めることに関する記事が掲載されていました。

 Googleローカルショッピングとは、Googleから→ショッピングと進み、商品名を入力すると、複数のECサイトのポータルになっており、そこから商品が購入できるサービスですが、

 更に、商品名の下に「付近の店舗」というリンクが表示されたものについて、Googleマップで在庫のある店舗の所在地、営業時間、電話番号などが表示される付加サービス。

 顧客は、その店に出向いて行って、商品を確認(試着)の上、購入することができるわけです。

 昨年発足当初、ヨドバシカメラ、ブックファースト、東急ハンズ、HMV、無印良品等がこの店舗在庫情報サービスに参加しており、この度、上新電機、紀伊国屋とともに、ユナイテッドアローズ(UA)がファッションストア第1号として、加わったようです。

 試しにUAの自社通販サイト、UAオンラインにあるの商品名を、いくつかGoogleショッピングに入力してみると・・・出ますね、商品在庫のある店舗情報。

 もともと、UA自身も、UAオンライン上で1時間ごと情報更新で店舗の在庫を公開していますので、その情報を適時、Googleに提供することによって、実現したのでしょうね。

 O to O(オンラインtoオフライン)時代に、店舗の商品在庫をネット上で一般公開し、お客さんを在庫のある店舗に誘導する試みは、小売りビジネスに求められる最新サービスのひとつだと思っています。

 私の専門分野である、「在庫コントロール」の観点から見ても、これは、ある意味画期的なことだと思うんですよね。

 なぜなら・・・

 在庫コントロールは本来、需要予測と顧客購買行動分析に基づき、お客さんが、店舗にお買いものにいらっしゃった時に、欲しいと思う商品の在庫を欠品させておかない、がっかりさせない、いわゆる売り逃しを出来るだけ少なくして、売上を最大化させる技術のひとつだと思っていますが・・・

 当然のことながら、お客さんの行動は、予測通りになるとは限らないもの・・・

 であれば、ある程度の在庫調整、在庫コントロールの努力はするものの、あとは、お客さん自身に在庫のある店舗を見つけてもらって、出向いて行ってもらい、ご購入頂くことによって補完して頂く。

 素敵ではありませんか?

 これは、今までの業務の常識を変える?お客さんとのコラボであり、かなり革新的なことだと思うのですよね。

 但し、これを実現するには、一方で、企業側の覚悟も必要なんですよね。すなわち、在庫管理の徹底も欠かせませんから。

 せっかく情報開示しても、入力ミスや棚卸ロスが重なり、データ上あるはずの在庫が店舗になかったら・・・お客さんをがっかりさせる、という逆効果になりますからね。(もっとも、在庫開示しても、念のため、お電話で確認いただいてから来店いただくべきものですが・・・)

 ですから、在庫情報公開と会社ぐるみの在庫管理の徹底への取り組みは同時進行でなければならないのです。
 
 このGoogleローカルショッピングのサービスは、もちろんスマホにも対応しているようです。

 そして、この先にある未来のサービスは・・・

 店頭で欲しくなった商品のタグ上のJANコード(バーコード)をスマホやケイタイに載ったアプリでスキャンすると・・・

 商品情報、在庫情報が表示され、お客さんが自ら考え、行動を起こせるようになること、なのでしょうね。

 関連エントリー-顧客を在庫管理に巻き込む最新技術

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March 10, 2012

【御礼】3月9日弊社主催勉強会「SPA時代のアパレル商品知識」にご来場頂き、ありがとうございました。

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 3月9日に弊社主催で開催させていただいた勉強会、「SPA時代のアパレル商品知識、ワーキングウーマン向けロングパンツ編」にご来場の皆様、春ピーク週の直前、ご多忙のところ、また、雨にもかかわらず足を運んでいただき、誠にありがとうございました。

 このシリーズ勉強会も、おかげさまで3回目。各回、満席近くお申し込みいただいております。

 3回連続で出席いただいた方々が何人もいらっしゃって・・・大感謝です。

 特に、この2回目、3回目は、グローバルSPAと日本ブランドの比較、とても面白かったです。

 縫製は丁寧だけれども、シルエットバランス(パターン)がいまひとつの日本ブランド

 一方、価格重視のため、日本のこれまでの基準からすると、縫製には多少手抜きがあったとしても・・・どんなサイズの方でも、着用時、シルエットをきれいに見せようと努めるH&M、ZARA

 少ないサイズで、大は小を兼ねる的に考える日本ブランドと、ファッションは全ての人のためのもの・・・洋服文化の大先輩である欧州企業の服に対する考え方の違いを垣間見たような気がしました。

 誰が言ったか?外国の服は日本人には合わない?いやいや、むしろ日本のブランドの方が日本のお客さんに我慢をさせていやしないでしょうか?

 とても考えさせられる内容でした。

 今後とも、グローバルSPA、世界で活躍する大先輩から真摯に学んで行きたいと思います。

 次回は、4月後半のゴールデンウィーク前、詳細決まりましたら、またブログでご案内申し上げます。

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March 08, 2012

しまむらの中国出店が始まる

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 3月7日の繊研新聞に、いよいよ4月に中国本土1号店の出店が決まった、しまむらに関する記事が掲載されていました。

 記事によれば、4月13日上海近郊のショッピングセンター長風景畔広場に、

 〇 日本とほぼ同じ約1000平方メートル(約300坪)の売場面積で、
 〇 日本と同じ品ぞろえ
 〇 日本と同じ価格設定
  (ということは1470円⇒RMB129と1870円⇒RMB159くらい?)

 で出店するようです。

 ネットで調べてみると、出店予定地は、ユニクロ、H&M、C&Aが大型店で出店している、東京で言えばららぽーとの立地に近い?ショッピングセンターのようで、郊外から出店を始めたしまむらにとっては、そこそこ都心近くの集客、成長率の見込める立地から、グローバルSPAとの競合環境の中でのスタートになります。

 とても興味があるのは、

1. 国内量販メーカーの博物館?と言っても過言ではないほど、名古屋岐阜地区の有力メーカーさんからの仕入が多いしまむらが、日本の代表選手として、それらのメーカーからそろって現地渡し(ドロップシップメント)の協力を得たのだな、と納得したことと

2. 私が今年1月に行った上海マーケットリサーチでは、上海は、グローバルSPAの陣取り合戦の渦中にあり、まさしく、そのメジャープレーヤーたるユニクロ、H&M、C&Aたちと早速、お手合わせをするということで・・・しまむらが、中国で通用するかどうかの結果がすぐに出るだろうということ

3. また、低効率を高粗利率、安い人件費でカバーして利益を出しているチェーン店が圧倒的に多い中国市場で、しまむらは、日本の郊外でも、低効率ながら、低粗利率、ローコストオペレーションで利益を残すことで、鍛え上げられた企業ですから・・・前者とのビジネスモデル間の勝負にもなるわけです。

4.3月8日の繊研新聞にもあった・・・これは、他のグローバルSPAにも言えることなので、乗り越えられない障害ではありませんが、1品番あたり数万円かかるという中国政府が製品に課す、検査の時間、手間とコストは、多品種展開のファッションストアの障害になりはしないか?ということ

 まだまだ、中国では、ブランド志向が強いとも言われますので、中国の生活者が、しまむらの商品を買う動機づけがどんなところにあるのか?(マーケティング面)もとても興味深いです。

 しまむらが中国で成功すれば、日本の量販アパレルメーカーの未来も明るい、ということになり、業界の試金石であることも間違いないでしょう。

 出店、そして、中国の生活者の反応がとても楽しみです。

 しまむらが、昨年2月に中国進出を宣言した時のエントリーがありますので、併せてお読みください。

 関連エントリー-しまむらが中国出店へ 

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March 07, 2012

無印良品(MUJI)の素材調達(ソーシング)活動改革

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 3月7日の日経MJに無印良品の家庭用布製品(ファブリック)事業の立て直しの取り組みに関する記事が掲載されていました。

 かつてはその分野では、指名買いをされるポジショニングにあった無印良品も、IKEA(イケア)やニトリのようなホームファッションのカテゴリーキラーの競争に晒され、業績が低迷、待ったなしの改革中。

 特に、素材調達に関して、それまで商社任せだった担当者が原料まで入り込み、直接サプライヤーと交渉することにより、品ぞろえ、商品クオリティが改善され、2011年3月~11月期の同部門の売上高が前年比で二桁増、業績がV字回復と成果が現れ始めたという話です。

 無印良品が語りかける商品開発ストーリー(キャッチコピー)・・・

 私もそうですが、多くの方が、共感し、素敵だと感じていると思いますが、

 店頭で実際の商品を見ると、店舗の世界観、包装やパッと見は、シンプルで好感を持てるものがあるものの、大変申し訳ありませんが・・・

 特に素材に関しては、昔ながらの量販店クオリティの域を出ておらず、「わけあって安い」ではなく、「価格なりの価値」に、ちょっとがっかり、あるいは、まあそんなもんかと妥協している方も少なくないのではないかと思います。

 要は、ストーリーはとても素敵なんですが・・・実際のモノづくり現場は、商社経由の妥協系のモノづくりだった?というのがこれまでの現実だったということで、

 一方、商社はあくまでも輸入代行、実際に自社で採用したプロが直接入り込んで、数量をまとめ、百貨店並みの素材クオリティに迫る、ユニクロのモノづくり、クオリティーに対する姿勢に大きく差をつけられてしまった背景、納得してしまいます。

 私含めて、MUJIのコンセプトに共感するファンは、今回の記事のような改革を心から待望していると思いますね。

 是非、過去に、いいクオリティに触れた経験が豊富にあり、生産現場に入り込んで、コストマインドを持ちながら、妥協のないモノづくりができる方々を各部署商品開発担当に抜擢され、

 コンセプト、ストーリー、商品クオリティ、価格に一貫性のある、世界のMUJIを目指して頑張っていただきたいと思います。 

 今後、ますます改革が進むことを応援しています。

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March 05, 2012

【お知らせ】今週3月9日(金) 『SPA時代のアパレル商品知識勉強会、 ワーキングウーマン向けレディースロングパンツ編』まだ少し空き席ございます。

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 今週3月9日(金)、弊社主催で開催するアパレル業界勉強会、まだ多少空き席がございますのでご案内させていただきます。

 今回は、ユニクロ、ZARA H&Mの30代ワーキングウーマン向けロングパンツを題材に、某国内百貨店向けブランド、某SC系SPAブランドの商品も交えて、サイズ、パターン、フィット、縫製などの技術的な比較を通じ、レディースロングパンツの基本を学びます。

タイトル: 「SPA時代のアパレル商品知識、ニュースタンダードを考える」
       第3回 ワーキングウーマン向けレディースロングパンツ編

日時  : 2012年3月9日(金) 19:00-21:00

場所  : 青山クラブハウス会議室 (東京メトロ青山一丁目駅徒歩3分)

        地図

参加費 : おひとり 5000円(税込)

定員  : 25名(満員になり次第締め切らせていただきます)

講師  : 只野景秋(ケイ・タダノ) 氏 
       パタンナー、弊社パートナーコンサルタント、
      業界実務経歴30年のベテランです

講師経歴:バンタンデザイン研究所卒業後、コムデギャルソン、ジュンヤ
      ワタナベ、エンポリオアルマーニなど、ハイブランドのパタンナー
      を経て、ファーストリテイリング入社。
      在籍中の6年間、ユニクロのパタンナーとして、商品のパターン、
      サイズ、品質改革に取り組み、2010年退職。 
      パタンナー育成とアパレル品質向上アドバイザーとして独立し、
      現在、日本繊維輸入組合の海外テクニカルアドバイザーとして
      新興国の技術向上のため、
      弊社パートナーコンサルタントとして、成長中SPA企業の
      品質向上のために活動中。

 勉強会の趣旨は、評論・批評ではなく、業界で企画生産に関わる人財の知識・スキル向上とこれからの顧客ターゲット、商品戦略を考えるための気づきを得ること、と考えております。

 特に、アパレル業界で、商品戦略、企画、デザイナー、パタンナー、生産など商品開発業務に携わり、勉強を通じて、スキル向上を目指したいと考えていらっしゃる方々のご来場をお待ちしております。

※ご質問、お申込みは・・・ こちらのメールアドレルまで>>>otoiawase@dwks.jp
①お名前、②差し支えなければ勤務先、職務内容、③連絡先お電話番号、④勉強会に興味を持たれた理由、⑤勉強会へのご質問、ご要望などをご記入の上、メールをお願いいたします。

※ケイタイメールでお申込みされる方へ、ケイタイの設定により、お申込みの返信メールが届かない場合がございますのでご注意ください。万が一、メールの返信がなくても、お申込みいただいた方は今のところすべて受付させていただいておりますので、ご安心ください。

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March 03, 2012

2月度の既存店売上高前年越え、ユニクロとしまむらの違いが面白い

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 例年に比べ気温の低い2月度が終了しましたが、既存店売上が前年越えしたユニクロとしまむらの両社のコメントの違いがとても興味深く思いました。

〇ファーストリテイリングIR情報月次データ 国内ユニクロ事業より

 ユニクロ 2月度(月末締め) 既存店売上高前年比 101.2%
 
 「2月は、ヒートテックやニットを中心とした冬物販売が好調だったことから、既存店売上高は前年を上回る結果となりました。」

〇しまむら グループ IR情報 売上速報 より

 ファッションセンターしまむら 2月度(20日締め) 既存店売上高前年比 103.6% 
 
 「記録的な寒波で北日本中心に大雪の影響が見られましたが、タートルネックTシャツや防寒物インナー、パジャマなどの冬物実需品が良く動くとともに、デニムシャツやチュールのロングスカートなどの春物トレンド商品も好調に推移しました。」

 2月はもともと年間の中で、売上分母が低く、大手企業が決算月で、在庫を絞ることもあって、冬物在庫を持ってた会社の業績は結構上振れしやすい月ではあるのですが・・・

 冬物を大量に仕込み、前半戦でコケたゆえに冬物在庫をたくさんもっているユニクロ

 実需にあった商品を堅く売りながら、しかも春のトレンドをしっかり当てたしまむら

 同じ既存店売上高数%増でも、意味が違いますよね。

 ユニクロは後手に回っている、しまむらは先手が当たっていると見るべきでしょう。

 ユニクロのベーシック回帰、しまむらのトレンド向上を象徴的に物語る結果を見たような気がしてとても面白いと思いました。

 本当にベーシック回帰をするなら・・・販売期間設定を実需に合わせて変更した方がよいのではないでしょうかね?

 ところで最近のしまむらのサイト、以前とは見違えるようにヤング化してるのにびっくり、まだ多少垢抜けないところもありますが、その変貌ぶり、チェックしておきましょう。

 ファッションセンターしまむらホームページ

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March 02, 2012

業界の業務サイクルと顧客の購買タイミングのズレをどう解消するか?

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 2月29日の繊研新聞の1面から連載が始まった「変わるシーズン、変わるMD」。

 業界の昔からの業務サイクル、販売サイクルと消費者の実際の購買時期のズレが顕著になって来たことに対する危機感から始まった取材記事のようで、とても興味深く読ませていただいております。

 具体的に言えば、百貨店や駅ビルがバーゲンを行う1月と7月はそれぞれ冬物と夏物の実売期。

 そんな時に値下げセールをして、自ら売上、利益を落としてしまっていたり、セールで気忙しくて、お客さんが、ゆっくりお買いものが出来ない環境になっていたり、

 更に春物は4月、秋物は11月、お客さんがまだ着ることができるタイミングに売切るべきなのに、バーゲン時期を待っての値下げ、当然、売れないから再値下げになっていたり、

 過去の業界の習慣、サイクルにとらわれているから、お客さんが欲しい時に欲しい商品がない、企業側はフツーに売れる時に値下げセールになっているという、客観的に冷静に見るとハチャメチャな話です。

 そもそも、業界の伝統的な年間2シーズン(春夏・秋冬)ってのが、生活者主導時代に時代遅れなんでしょうね。

 バイヤーの承認を取るための儀式のための展示会の準備なんかも呪縛になっているのはわかります。シーズン細分化したら、そのための仕事も増えちゃいますから。

 業務上、「入口」にあたる話なので、シーズンの捉え方はいろいろ研究したり、SPAのクライアントさんたちと毎シーズン見直しを行うことも少なくないのですが、

 今、気温とお客さんのスタイリングの変化、購買行動パターンを考え、タイムリーに商品を店頭に並べることを考えると、

 シーズンは年間9つくらいに分けないと、きめ細かな対応ができないのではないかと思っています。特に、昔、端境期って言われていたところがしっかりMD期のひとつになっていることがわかります。

 ということは、立ち上りも9回、商品切り替えるために、売切り(値下げ含む)も9回必要だってことになります。

 実際、百貨店やファッションビルの館の都合を気にしなくていい、路面のH&MやZARAなどグローバルSPAの店頭なんか定点観測していると、そのあたり、ものすごくタイムリーに、割り切っているのを思い知らされます。

 そして、シーズンごとの「バーゲン」は、あくまでもイベントとして捉え、その間も淡々とリズムを崩すことなく、タイムリーなプロパー商品を投入し続け、売り切って行く。

 彼ら、安いから売れてると思ってませんか?それだけじゃないんですよ。

 そろそろ、過去の習慣にとらわれず、白紙の年間スケジュール表に(絶対最初に展示会って書いたらダメ)、

 お客さんの立場に立って、この時期はどんなスタイリングしたいだろうから、こんな服欲しくなるんじゃないだろうかって、想像力を働かせて、書いてみたらどうでしょうか?

 それが今自社で取り組める「イノベーション」の第一歩であり、顧客に向きあう新時代のシーズン定義になるのではないでしょうか?

 関連エントリー-クリアランスセールのタイミング
 関連エントリー-H&Mはショールームもスピードオペレーションでした
 関連エントリー-今すぐ着られる、まだまだ着られる

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