業界の業務サイクルと顧客の購買タイミングのズレをどう解消するか?
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2月29日の繊研新聞の1面から連載が始まった「変わるシーズン、変わるMD」。
業界の昔からの業務サイクル、販売サイクルと消費者の実際の購買時期のズレが顕著になって来たことに対する危機感から始まった取材記事のようで、とても興味深く読ませていただいております。
具体的に言えば、百貨店や駅ビルがバーゲンを行う1月と7月はそれぞれ冬物と夏物の実売期。
そんな時に値下げセールをして、自ら売上、利益を落としてしまっていたり、セールで気忙しくて、お客さんが、ゆっくりお買いものが出来ない環境になっていたり、
更に春物は4月、秋物は11月、お客さんがまだ着ることができるタイミングに売切るべきなのに、バーゲン時期を待っての値下げ、当然、売れないから再値下げになっていたり、
過去の業界の習慣、サイクルにとらわれているから、お客さんが欲しい時に欲しい商品がない、企業側はフツーに売れる時に値下げセールになっているという、客観的に冷静に見るとハチャメチャな話です。
そもそも、業界の伝統的な年間2シーズン(春夏・秋冬)ってのが、生活者主導時代に時代遅れなんでしょうね。
バイヤーの承認を取るための儀式のための展示会の準備なんかも呪縛になっているのはわかります。シーズン細分化したら、そのための仕事も増えちゃいますから。
業務上、「入口」にあたる話なので、シーズンの捉え方はいろいろ研究したり、SPAのクライアントさんたちと毎シーズン見直しを行うことも少なくないのですが、
今、気温とお客さんのスタイリングの変化、購買行動パターンを考え、タイムリーに商品を店頭に並べることを考えると、
シーズンは年間9つくらいに分けないと、きめ細かな対応ができないのではないかと思っています。特に、昔、端境期って言われていたところがしっかりMD期のひとつになっていることがわかります。
ということは、立ち上りも9回、商品切り替えるために、売切り(値下げ含む)も9回必要だってことになります。
実際、百貨店やファッションビルの館の都合を気にしなくていい、路面のH&MやZARAなどグローバルSPAの店頭なんか定点観測していると、そのあたり、ものすごくタイムリーに、割り切っているのを思い知らされます。
そして、シーズンごとの「バーゲン」は、あくまでもイベントとして捉え、その間も淡々とリズムを崩すことなく、タイムリーなプロパー商品を投入し続け、売り切って行く。
彼ら、安いから売れてると思ってませんか?それだけじゃないんですよ。
そろそろ、過去の習慣にとらわれず、白紙の年間スケジュール表に(絶対最初に展示会って書いたらダメ)、
お客さんの立場に立って、この時期はどんなスタイリングしたいだろうから、こんな服欲しくなるんじゃないだろうかって、想像力を働かせて、書いてみたらどうでしょうか?
それが今自社で取り組める「イノベーション」の第一歩であり、顧客に向きあう新時代のシーズン定義になるのではないでしょうか?
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