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April 25, 2012

三越伊勢丹、ルミネが夏のセール開始を2週間遅く

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 4月23日の日経新聞、繊研新聞、WWDジャパンに、百貨店の三越伊勢丹、ルミネなどが連動して、これまで7月1日前後まで前倒しされた夏のセールのスタート時期を、2週間程度遅らせることに関する記事が掲載されていました。

 これは夏の実売期である7月上旬に、セールにかき乱されることなく、しっかりプロパー(正価)品を品ぞろえ、顧客、企業側双方にとって欠品、販売機会損失がないように販売し、売上、利益を確保することを目的としたもので、

 記事によれば、従来通り7月1日前後にスタートする大丸松坂屋グループ以外のその他百貨店も、同様に後ろ倒しに賛同し、実施の方針、もしくは前向きに検討しているようです。
 
 決めたからには、うまく行くように願うばかりですが・・・

 くれぐれも、顧客の意に反して、

 個々の商品の販売期間をむやみに長くすることによって、店頭の鮮度を落としたり、

 結果的に、時期的に顧客の期待よりも、高い値段で提供するようなことになって、

 販売機会を逸しなければ、と思います。

 そもそも、

 ×商品の提案が早すぎたり、値下がタイムリーでなかったり、

 ×販売開始から、一定期間が経過し、鮮度が落ちて色欠けサイズ欠けしている商品を放置していることや

 ×低い消化率をカバーするために、そのロスを価格に転嫁していること

 が問題なわけで、国内外の有力SPAがそのあたりを生活者に啓蒙してしまっている昨今

 上記の改善もともなった上で、初めて上手く行くことでないかなと思います。


 要は、準備期間が十分かどうか?

 ○根本的な、シーズンと販売期間の見直しと

 ○細分化したシーズンごとのプライスライン(価格帯)、プライスポイント(最多価格)の見直し

 という、商品計画段階からの設計の見直しが必要な話ですからね。

 いつセールをするか?という議論より、

 お客さんが、どんなものを(適品)、どんな時に(適時)、いくらで(適価)欲しがってるか?にあわせて、新商品の投入サイクルを考えることの方が先ではないかと思えてなりませんが・・・

 関連エントリー-業界の業務サイクルと顧客の購買タイミングのズレをどう解消するか? 

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April 20, 2012

英アクアスキュータムの経営破たん報道に思う

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 英国の老舗ブランド、アクアスキュータムの経営破たんが報じられ、その後の顛末が気になるところです。

 Fashionsnap.com:161年の歴史アクアスキュータムが会社管理手続申請、日本展開は影響なし

 かつてのブランドホルダーで今はライセンス契約に切り替えているレナウンは、アジアの商標権を持つ香港YGMからの商標権使用契約は長期だから当面、大丈夫とか、当の香港のYGMは、アジア42カ国のビジネスは安泰、その他の国の商標権も買い取り交渉に入るとアナウンスされていますが・・・

 一方で、英国では自社工場の閉鎖など、リストラが進み、実態がどんどんなくなって行くような危機感を覚えます。

 すでに日本を含めた、アジアでは、リプロ(本家のデザインを参考にローカルでライセンス生産を行うもの)が中心で、ブランド名と「アクアスチェック」と呼ばれるあのチェック柄が使えればそれでよかったのかもしれませんが・・・

 マス向けのライセンスブランドならいざ知らず、実態のないハイブランドってありなのでしょうか?

 上記の報道の中のコメントは他人事のように聞こえて・・・ブランド名だけでなく、本家の実態を守ることにもっと関心を持って頂きたいなと思うのは、私だけではないと思いますが・・・

 関連エントリー-レナウンがアクアスキュータムの再生を始動
 関連エントリー-レナウンがアクアスキュータム売却へ

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April 19, 2012

IFIビジネススクール大学講座、母校明治大学で講演しました。

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 私も卒業生のひとりであるIFIビジネススクールが8つの大学と取り組んでいるプロジェクトである、IFIビジネススクール大学講座。

 IFIビジネススクール

 毎回、業界の第一線で活躍するさまざまなビジネスパーソンが講師となり、大学生にファッションビジネスの今を伝えています。

 この春は、2校からご指名をいただいておりますが、本日は、母校明治大学にて登壇させていただきました。

 こちらから言うのはなんですが、学生さんが、ビジネスパーソンから講義を受ける機会は、本当に貴重だと思います。

 今日も、250人を超える学生さんの前で、お話させていただきましたが、いつも、一番最初に申し上げることが、

 講義の内容そのものだけではなく、各講師が、どんな風にこの業界でキャリアを積んできて、どんな思いでファッションビジネスに携わっているのか?に興味を持ちながら聴いて欲しいということです。

 これから就職活動をされる学生さんも、就職だけではなく、どんなキャリア設計をしたらいいかのすごく参考になると思いますから。

 私の講義の内容は、グローバルファッションビジネスのマクロトレンドということで、世界で、SPAやファストファッションが果たした流通革新論についてでした。

 そして、今回は、最後に、ポストファストファッション時代にはどんな流通革新が予想されるのか?についても触れました。

 講義後の質問や、ツイッターをフォローしてくださった多くの学生さんから、素敵な感想を頂きました。とても、嬉しかったです。ありがとう。

 私の学生時代、当時バブル絶頂の時代でしたが、日本人は、お金持ちだったけれども、アメリカに比べたら、商品の選択肢も少なくて、値段も高くて、サービスもそれほど良くなくて、本当に豊かだなんて、言える状態じゃなかったと思いました。

 学生時代からお金を貯めては、格安チケットで海外旅行を繰り返していた、私でしたが・・・特に、アメリカの豊かさに感動、刺激されて・・・欧米先進国からいろいろな商品=豊かさを輸入して、アメリカ並みに日本人を本当に豊かにすること、それが私が当時商社マンを志した理由だったのです。

 あれから24年、まだ進行形ではありますが、今、日本は、多くの流通企業の革新のおかげで、安くて良いものが沢山、選択肢も多く、本当に豊かになったと思います。

 豊かになった日本の中で、これから社会人になる方々が、次に果たすべき役割は?
 
 講義で、少しでも何かを感じていただけたら、今度は、皆さんがそれを実現できるような、次の流通革新(イノベーション)のほんの一端にでも携われるような・・・キャリアを積んでいただきたいなと思います。応援しています。

 来月は、青山学院大学で同じ講義をさせていただく予定です。

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April 17, 2012

「トラフィックチャネル」って?

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 最近、ファッションストアの「トラフィックチャネル」への出店に関する記事やトピックを見かけます。

 要は、エキナカ、空港、サービスエリア(SA)あたり、交通機関関連で、人通りが多い場所、同新販路をまとめてそう呼んでいるようです。

 ユナイテッドアローズ(UA)を筆頭に、元気企業が積極的な、新しいチャネル(販路)の開拓、チャレンジは賛成ですが、特性が全く違うのに、ただ、店の前を通りがかる人が多いからと言って、「トラフィックチャネル」と束ねてしまっていることに少々、違和感を感じます。

 エキナカは、毎日同じ人も通りがかるので、衝動買いもあるでしょうが、目的性、当てにされる、リピーターが望めますし、既存客の利便性という意味で、囲い込みに有効なので、既存店の延長線上、「日常」で考えてもいいかなと思いますが、

 空港は当然のことながら、旅行に行く人、サービスエリアはドライブ中の人ということで、前者に対して、それぞれ違う「非日常」になりますね。

 どちらかというと、衝動買い系、空港は、目的にかなった当てにされる品揃えが必要かと思いますが、SAは、意外性の方がいいかも、従って、観光地のお土産売場に近いかもしれませんね。

 するってーと、購買(動機)行動、消費心理が全く違うものになるわけで・・・MDの考え方、売上向上のアプローチの仕方が根本的に違うのではないかと思います。

 売上高=客数(来店客数x買上げ率)x客単価(一品単価xセット率) 

 *来店客数は、新規とリピーターに分解できます
 *セット率=一人当たりの買い上げ点数

 品ぞろえのみならず、これら売上高を構成する因数の数値が大きく違えば、アプローチの異なるビジネスになるでしょう。

 たぶん、そんなこと、実際商売されている方はわかってらっしゃると思いますが、

 メディアがキャッチーな言葉をつけるために、本質の違うものを十把一絡(じゅっぱひとからげ)にしてしまうところところはちょっといかがなものかな?と感じます。(ファストファッションもそうですしね。)

 人が多ければビジネスチャンスがあるんじゃないか?って簡単な話じゃなくて、やるからには・・・緻密に、本気で売上取りに行くべきだと思うんで、商売やっている方々に敬意を持って、細かいこと言ってしまって・・・すみません(笑)。

 最近引っかかってた、余談でございました。

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April 12, 2012

ユニクロは欧米先進国の成熟マーケットで事業拡大することができるだろうか?

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 4月11日のファストリのプレスリリースを受けて、各メディアが、ユニクロが今秋、米国4店舗目、アメリカ西海岸、GAPの本拠地であるサンフランシスコに820坪の大型店を出店する計画に関するニュースを報じています。

 Fashionsnap.com ユニクロがアメリカ西海岸へ 2012年秋サンフランシスコに初出店

 Googleマップストリートビューは実に便利なもので、ユニクロ出店予定地の周りの環境を覗いてみましたが、DSW SHOES WAREHOUSEの跡を改装して入居するのでしょうか?斜向かいの角に出店するH&Mのインパクトと比べると、ちょっと見劣りする感じがしますが・・・日本代表のユニクロのアメリカ西海岸初出店は楽しみですね。

 しかしながら、日ごろ、グローバルSPA(アパレル製造小売企業)ウォッチャー?として、ZARA、H&Mを筆頭に、いろいろな企業、業態の情報に触れたり、店舗視察を行ってその魅力と成功要因を研究していますが、

 果たして、ユニクロは、欧米先進国の成熟マーケットで一定のマーケットシェアを取れるのかどうか?疑問に感じることがあります。

 大上段に構え、ファッション流通革新史における、市場の成熟とその時代時代に活躍する業態、という観点から考えると・・・

 ユニクロは、日本において、米GAP、米LIMITED、英NEXT、ベルギーとドイツに本社を置くC&Aあたりと同じ、

 各国マーケットで、それまで、量販店、ディスカウンターが衣料ベンダーからの仕入コスト交渉が限界に行きつき、

 実用カジュアルウエアの商品企画から店頭販売までを自己完結的にコントロールすることによって、価格を下げながら、品質を向上する役割を果たした、いわゆるSPAの第1世代にあたると思います。

 上記の企業は、それぞれの先進国、成熟マーケットにおいて、ユニクロの先輩にあたる企業ですが、自国あるいはホームグラウンドではトップ企業となり、成功を収めたものの、他の成熟マーケットに進出して同じような成功をした例がないように思います。

 私が思うに、それは、そういった役割の企業、業態は、1マーケットに1-2社あれば十分で・・・

 マーケットがそういった寡占企業に満たされたら、(たとえばマーケットシェアの10%くらい)、生活者はそれ以上の似寄プレイヤーの登場を求める必要がないのではないだろうか?との仮説が頭に浮かびます。

 例えば、アメリカの国民は、GAPのような企業がもう一社要りますか?日本でユニクロのような企業がもう一社必要ですか?という話です。(ちなみに、日本におけるGAPはアメリカとは違った形で出店、ポジショニングをしたため、この議論とはちょっと違う位置づけだと思っています)

 ここで興味深いのが、上記第1世代SPAの中でも、欧州大陸のSPAの雄、C&Aの出店戦略ですね。同社は、ベルギーとドイツを本拠に、ヨーロッパ大陸20ヵ国に1500店舗以上の店舗を構える老舗のカジュアルアパレルSPAです。(その他、中国、ブラジル、メキシコに出店)

 C&A ウエブサイト

 C&Aは非公開企業ですが、Wikipediaによれば、年商は2010年度で、6480億円規模、年商で世界6位のグローバルSPAになります。

 C&Aの進出国は、同じようにドイツが最大マーケットであるH&Mと比較すると、各国店舗数含めて非常に酷似していることも興味深いのですが・・・

 H&Mの北欧

 GAPのアメリカとカナダ

 NEXTのイギリス
 
 ユニクロの日本

 といったホームに圧倒的な認知度の、似通った企業のいる成熟マーケットには一切店舗を出店していない(イギリスは2000年代前半に撤退)、更に言えば、ベネトン(これはFCモデルでSPAではありませんが)のいるイタリアも、店舗数は1ケタ台しかないところに気づきます。

 つまり、C&Aは、見栄を張らず、勝てない戦はしないストイックな企業なのではないか?と考えられます。

 一方で、中国やブラジルといった新興国、成長マーケットには積極的出店しています。

 中国上海で、ユニクロを観た時、ユニクロがローカルSPAを押さえて、中国のGAP的存在=第1世代SPAの代表になりうる可能性を強く感じました。

 アジアには、GIORDANOのような第1世代SPAの先輩はいますが、一店舗あたりの売場面積が30坪程度で、どんなに沢山のお店を出しても、アジアのGAPになるには、力不足、インパクトが足りないのではないでしょうか?

 韓国企業も、中国企業も大型店展開という意味では、まだ導入過程、従って、アジアでは、まだ勝負はついていませんから。

 ユニクロが、欧米成熟マーケットで「機能肌着サプライヤー」「日本の素材のセールスマン」としてのポジショニングに徹するなら、その位置づけにおいて、まだ勝機はあるかもしれませんが・・・

 日本と同じポジショニングをグローバルに展開するのであれば、経営資源を欧米ではなく、アジアに徹底集中させた方が賢明だと思っているのは、私だけではないと思います。 

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【お知らせ】5月11日(金)@東京青山 『SPA時代のアパレル商品知識勉強会~ レディーステーラードジャケット編』

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 ※ この勉強会は当初4月26日(木)開催予定だったものが都合により、延期になったものです。お申込み頂いた方々にはすでにご連絡、延期確認済みです。4月26日で参加をご検討頂いていた方には大変申し訳ございません。

 来る5月11日(金)、弊社主催のアパレル業界勉強会を開催します。

 ユニクロ、外資大手SPA(アパレル製造小売業)の台頭により変わるアパレル商品のスタンダード(標準)の勉強会、

 第4回目は、ワーキングウーマン向けテーラードジャケットを取り上げます。

 ものづくりのプロフェッショナルの協力を得て、好調SPAが販売する商品のサイズ、パターン、フィット、縫製など技術的な側面から比較し、商品に対する知識を深めることを目的としています。

タイトル: 「SPA時代のアパレル商品知識、ニュースタンダードを考える」
       第4回 レディーステーラードソフトジャケット編

日時  : 2012年5月11日(金) 19:00-21:00

場所  : 青山クラブハウス会議室 (東京メトロ青山一丁目駅徒歩3分)

        地図

参加費 : おひとり 5000円(税込)

定員  : 25名(満員になり次第締め切らせていただきます)

講師  : 只野景秋(ケイ・タダノ) 氏 
       パタンナー、弊社パートナーコンサルタント、
      業界実務経歴30年のベテランです

講師経歴:バンタンデザイン研究所卒業後、コムデギャルソン、ジュンヤ
      ワタナベ、エンポリオアルマーニなど、ハイブランドのパタンナー
      を経て、ファーストリテイリング入社。
      在籍中の6年間、ユニクロのパタンナーとして、商品のパターン、
      サイズ、品質改革に取り組み、2010年退職。 
      パタンナー育成とアパレル品質向上アドバイザーとして独立し、
      現在、日本繊維輸入組合の海外テクニカルアドバイザーとして
      新興国の技術向上のため、
      弊社パートナーコンサルタントとして、成長中SPA企業の
      品質向上のために活動中。

 今回も、ユニクロ、ZARA H&Mに加え、百貨店向けキャリアブランド、SC向けブランドのワーキングウーマン向けの商品を題材にテーラードジャケットの基本を研究します。

 勉強会の趣旨は、評論・批評ではなく、業界で企画生産に関わる人財の知識・スキル向上とこれからの顧客ターゲット、商品戦略を考えるための気づきを得ること、と考えております。

 特に、アパレル業界で、商品戦略、企画、デザイナー、パタンナー、生産など商品開発業務に携わり、勉強を通じて、スキル向上を目指したいと考えていらっしゃる方々のご来場をお待ちしております。

※ご質問、お申込みは・・・ こちらのメールアドレルまで>>>otoiawase@dwks.jp
①お名前、②差し支えなければ勤務先、職務内容、③連絡先お電話番号、④勉強会に興味を持たれた理由、⑤勉強会へのご質問、ご要望などをご記入の上、メールをお願いいたします。

過去の勉強会の様子をご紹介したブログ記事はこちら

関連エントリー-第2回SPA時代のアパレル商品知識勉強会へのご来場ありがとうございました。
関連エントリー-【御礼】3月9日弊社主催勉強会「SPA時代のアパレル商品知識」にご来場頂き、ありがとうございました。

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April 06, 2012

ミャンマーで試される?日本のアパレル海外生産の姿勢

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 4月6日の繊研新聞一面にアパレル生産のチャイナプラスワンのひとつとして期待されているミャンマーに関する記事が掲載されていました。

 これまでアメリカがミャンマー軍事独裁政権への経済制裁目的でミャンマーからの輸入を禁じていたために

 ・アメリカのビッグオーダーという競争相手がなく

 ・歴史的に親日国であり

 ・人件費がASEANで最も安く

 ・人口5000万人の労働力の背景があり

 ・これまで軍政下ゆえにストライキで生産止まることのなかった

 ミャンマーはこれまで日本が与し易く、生産キャパシティが確保しやすい低賃金の生産国だったわけです。

 付け加えると、時折、量販店あたりで見かけるミャンマー製のシャツやパンツの縫製クオリティは、悪くないと私は評価しています。昔から、業界では、箸を使う国は、比較的、手先が器用で、縫製技術が高いと言われますからね。

 これに対して、4月1日の同国の総選挙の結果、民主化が進むことは間違いなく、アメリカの経済制裁解除は時間の問題。

 そうすると、アメリカのビッグオーダーによって日本の小さなオーダーが弾き飛ばされてしまうのではないか?と心配しているのが今回の記事の主旨です。

 記事によれば、現地にはわずかに日系の工場はあるようですが・・・

 現地資本に加えて、早くから目をつけた韓国系工場が多いようで、たとえこれまで日本企業のオーダーをあてにし、友好関係だった工場も、アメリカの制裁解除の暁には、細かく手間がかかる日本のオーダーに対しアメリカのビッグオーダーを優先することは、想像に難くないというわけです。

 この記事を読む限り、日本企業の生産国への入り方、根っこのところは昔とちっとも変わっていないのかなあ~と考えさせられてしまいます。

 かつてベトナム生産する時も韓国や台湾の企業経由。中国生産を始めたころも、中国企業が日本語で直接取引してくれるまでは、香港や台湾の企業経由。現在も、カンボジア生産は、ほとんど中国企業の現地工場ではないでしょうか?

 日本企業は昔から、いい意味で言えば、分業が進み、お互い、役割分担をして、任せる、リスクを分散する信頼関係?の上にビジネスを構築してきたところがあると思います。

 うまく行っている時はよいですが、悪く言えば、無責任で業者任せ。誰が主導権を持っているのかわかりません(「買う側」が威張っているのは間違いないですが、主導権を取っているわけではないように思います)。

 スピードとコストが優先される競争局面に入ると、先見の明があり、リスクを取って直接入り込み、投資をして根っこをおさえる韓国企業や中国企業に主導権が移るのは、ファッション業界に限ったことではないでしょう。

 日本の企業の中でも、異業種で、輸出を中心にしていた企業さんなんかは、自ら入り込み、直接販売する開拓的な営業を取られている企業もたくさんあるようで、リスペクトしていますが・・・

 日本マーケットをターゲットに、国産や輸入を中心としていたアパレル業界は、グローバル時代に、「業者思想」から脱却し、リスクヘッジからリスクテイクへの体質改善が迫られそうです。

 そんな意味で、上述のように、日本にとって失いたくない、最後に残された?素敵なパートナー国家である、ミャンマーで・・・

 日本のアパレル企業は、みすみすチャンスを失うのか?それとも海外生産の姿勢を変えて安定供給体制を確保するのか?ミャンマーは、その試金石になるのではないかと注目しております。

関連エントリー-グローバルSPAが生産する国の賃金比較

関連エントリー-日本人の開拓者精神、ハングリー精神

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April 05, 2012

H&Mが大阪心斎橋筋の入口と出口を塞いでマーケットを囲い込む!

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 H&Mが2013年の春に、大阪 心斎橋筋の長堀通り側、心斎橋パルコ跡にパルコが出店計画している新商業ビル「ZERO GATE」の全館を使って、同社大阪3店舗目となるH&M心斎橋店出店を発表したことが、ネットニュースを中心に話題になっています。

 Fashionsnap.com NEWS 大阪に国内最大級のH&M、パルコ「ZERO GATE」全フロアに出店
 
 これは、大阪3店舗目だとか、国内最大級店舗(5層で約1000坪)だとか、関西初のフルコンセプト店舗(渋谷店並み)の旗艦店である、ということよりも・・・

 H&Mが3店舗(戎橋1号店、戎橋2号店と心斎橋店)で、大阪ミナミ最大のマーケット心斎橋筋商店街の入口と出口をおさえたことに意味があると思います。

 チェーンストアの王道を行く、H&Mの、売れる商圏をドミナントで埋め尽くす常套手段に・・・世界一の強さを思い知らされるとともに、そのエグさに正直、背筋が震えます。

 このZERO GATEの立地は、ユニクロの心斎橋グローバル旗艦店とZARA心斎橋長堀店の真向かいでもあります。

 日本の主要都市のランドマーク的な場所の風景が、これからこんな感じに、どんどん欧米の主要ファッション都市の繁華街と同じ光景になって来るのでしょうかね。

 業界は、ファストファッションブームは終わったと浮かれていないで、グローバルSPAとの棲み分けをもっともっと真剣に考えるべきでしょう。

 ユニクロとて、ジーユーなんかで経営資源分散させたり、効率の悪そうな旗艦店を作るよりも、真っ向勝負で、ユニクロとして売上をしっかり取りに行かなければならないのではないでしょうか?

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April 02, 2012

インディテックスグループ(ZARA)の2011年度業績と中国出店

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 3月21日にリリースされたZARAを展開するインディテックスグループの2011年度(2012年1月期)決算速報に目を通しました。

 ユーロ安の関係で、グローバルSPA大手のツートップのもう一社である、H&Mの2011年11月期決算の売上高1兆6101億円(VAT込み;SEK=12.5円換算)には及ばず、売上世界一の座は明け渡しているものの、同社の

 売上高 約1兆5,075億円(VAT込み;以下 €=109.3円換算)は10%増

 既存店売上高は4%の増収

 粗利率59.3%、営業利益率18.3%は前年並み

 当期利益 2,111億円(売上対比14.0%)は12%の増益

 本国スペインの市況が厳しい中、2桁の増収増益&既存店増収を確保した、優秀な業績だったようです。

 ちなみに、当期利益では1,977億円だった売上世界一のH&Mを上回っています。

 リリースのコメントの中で、日本のファッション業界が注目すべきことは・・・

 同社の中国での積極的な出店でしょう。

 以下がインディテックスグループおよびグローバルSPAの中国での出店状況です。

 参考までに、世界最大のマーケットアメリカと、日本の店舗数も表記しておきます。InditexとC&Aは2012年1月末、ユニクロとH&Mは2月末の数字になります。

企業または業態  進出年度  中国店舗数    日本店舗数 アメリカ店舗数
 Inditex(8業態)   2004年     275         78       46
 うちZARA                101         74      46
 Uniqlo        2002年      113        851       3
 H&M         2007年      89         15      234
 C&A         2007年      34          0       0

 C&Aは、ベルギー、ドイツを本拠に欧州大陸に多店舗展開するGAPのようなファッションチェーン。売上高は非公開ながら、英NEXTと同じくらい?世界6-7位くらいにランクと推定。また、アメリカ勢は、まだ比較にならないレベルなので割愛しました。

 インディテックス社は、広告宣伝を打たず、「立地こそ最大の広告宣伝」をポリシーにしていますので、ZARAを中国でご覧になった方は、一番いい場所に出店しているな~と、感じられたかと思いますし、あわせて数字を見ても、グループ挙げての中国出店に一番勢いを感じますね。

 特に、基幹業態、ZARAは、もともと働く女性(WOMAN&BASIC)とその娘(TRF)のために、ファッショントレンドを百貨店クオリティ、リーズナブルプライスで提供することをコンセプトにしていますので・・・

 必然的に、出店立地は、百貨店の近く、主にそのマーケットは、中国東側の沿岸地域と華南に集中して、立地も限られます。

 海外勢、ローカル企業が好立地をおさえる前に、資金力にものを言わせて・・・

 アメリカよりも、日本よりも中国出店を優先させ・・・

 ものすごい勢いで、陣取りをしているのが、出店実績から読み取れるのではないでしょうか?

 一方、中国の出店数に関しては、ユニクロもグローバルSPAに負けてはいませんね。

 ユニクロが、「日本におけるGAP的な役割」から、アジアのGAPの役割を果たせるか?はここ数年にかかっているので、この積極出店は、うなづけます。ユニクロの中国出店については、あらためてブログに書きたいと思います。

 H&Mもアメリカに進出した時と同じ勢いで、出店しているようですね。

 ということで、グローバルSPAがこれだけの勢いで、出店している中国は・・・

 欧米先進国、日本が半世紀をかけて、経験した、生活者の豊かさを実現するファッション流通革新史をここ5-6年でスピード経験しているので、日本のファッション企業の皆さんも中国進出には、かなりの激戦が予想されることはお判りでしょう。

 その他、インディテックスの決算速報で気になったのは、

 すでに同社は、南半球へは一部出店済みですが、この期にオーストラリア、南アフリカ、ペルーへ初出店し、南半球に向けての出店を加速させるために、気温の真逆の北半球とは、別オペレーションを始めたこと。

 ZARAが、NY5番街52st(ユニクロ旗艦店の1ブロック南)への1000坪超の旗艦店出店を出店したこと。

 あたりでしょうか。

 世界のトップを行く、本格的SPA(アパレル製造小売)企業からは、これからも目が離せませんね。

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