インディテックスグループ(ZARA)の2011年度業績と中国出店
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3月21日にリリースされたZARAを展開するインディテックスグループの2011年度(2012年1月期)決算速報に目を通しました。
ユーロ安の関係で、グローバルSPA大手のツートップのもう一社である、H&Mの2011年11月期決算の売上高1兆6101億円(VAT込み;SEK=12.5円換算)には及ばず、売上世界一の座は明け渡しているものの、同社の
売上高 約1兆5,075億円(VAT込み;以下 €=109.3円換算)は10%増
既存店売上高は4%の増収
粗利率59.3%、営業利益率18.3%は前年並み
当期利益 2,111億円(売上対比14.0%)は12%の増益
本国スペインの市況が厳しい中、2桁の増収増益&既存店増収を確保した、優秀な業績だったようです。
ちなみに、当期利益では1,977億円だった売上世界一のH&Mを上回っています。
リリースのコメントの中で、日本のファッション業界が注目すべきことは・・・
同社の中国での積極的な出店でしょう。
以下がインディテックスグループおよびグローバルSPAの中国での出店状況です。
参考までに、世界最大のマーケットアメリカと、日本の店舗数も表記しておきます。InditexとC&Aは2012年1月末、ユニクロとH&Mは2月末の数字になります。
企業または業態 進出年度 中国店舗数 日本店舗数 アメリカ店舗数
Inditex(8業態) 2004年 275 78 46
うちZARA 101 74 46
Uniqlo 2002年 113 851 3
H&M 2007年 89 15 234
C&A 2007年 34 0 0
C&Aは、ベルギー、ドイツを本拠に欧州大陸に多店舗展開するGAPのようなファッションチェーン。売上高は非公開ながら、英NEXTと同じくらい?世界6-7位くらいにランクと推定。また、アメリカ勢は、まだ比較にならないレベルなので割愛しました。
インディテックス社は、広告宣伝を打たず、「立地こそ最大の広告宣伝」をポリシーにしていますので、ZARAを中国でご覧になった方は、一番いい場所に出店しているな~と、感じられたかと思いますし、あわせて数字を見ても、グループ挙げての中国出店に一番勢いを感じますね。
特に、基幹業態、ZARAは、もともと働く女性(WOMAN&BASIC)とその娘(TRF)のために、ファッショントレンドを百貨店クオリティ、リーズナブルプライスで提供することをコンセプトにしていますので・・・
必然的に、出店立地は、百貨店の近く、主にそのマーケットは、中国東側の沿岸地域と華南に集中して、立地も限られます。
海外勢、ローカル企業が好立地をおさえる前に、資金力にものを言わせて・・・
アメリカよりも、日本よりも中国出店を優先させ・・・
ものすごい勢いで、陣取りをしているのが、出店実績から読み取れるのではないでしょうか?
一方、中国の出店数に関しては、ユニクロもグローバルSPAに負けてはいませんね。
ユニクロが、「日本におけるGAP的な役割」から、アジアのGAPの役割を果たせるか?はここ数年にかかっているので、この積極出店は、うなづけます。ユニクロの中国出店については、あらためてブログに書きたいと思います。
H&Mもアメリカに進出した時と同じ勢いで、出店しているようですね。
ということで、グローバルSPAがこれだけの勢いで、出店している中国は・・・
欧米先進国、日本が半世紀をかけて、経験した、生活者の豊かさを実現するファッション流通革新史をここ5-6年でスピード経験しているので、日本のファッション企業の皆さんも中国進出には、かなりの激戦が予想されることはお判りでしょう。
その他、インディテックスの決算速報で気になったのは、
すでに同社は、南半球へは一部出店済みですが、この期にオーストラリア、南アフリカ、ペルーへ初出店し、南半球に向けての出店を加速させるために、気温の真逆の北半球とは、別オペレーションを始めたこと。
ZARAが、NY5番街52st(ユニクロ旗艦店の1ブロック南)への1000坪超の旗艦店出店を出店したこと。
あたりでしょうか。
世界のトップを行く、本格的SPA(アパレル製造小売)企業からは、これからも目が離せませんね。
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