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May 17, 2012

ユナイテッドアローズ(UA)が本部に企画資料室を開設してオリジナル商品開発を強化

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 報道から少し経ちましたが・・・ユナイテッドアローズ(UA)が本部に企画資料室を開設したという話が気になっていました。

 Fashionsnap.com、繊研新聞(5月11日付)、WWD JAPAN 1689号などによれば、ユナイテッドアローズ(UA)が今後オリジナル商品開発に力を入れることを目的に、テキスタイルコンバーターのセルマー(90年代後半に破綻)の社長さんだった永森氏の協力と資料寄贈を受けて、同社本部に「N&UA企画資料室」を開設したとのこと。

 Fashionsnap.com:ユナイテッドアローズ、貴重なアーカイブ所蔵「N&UA 企画資料室」開設

 ニュース、記事によれば、企画資料室は同社本部8階の400㎡のスペースに、19世紀からのテキスタイルサンプル、デザインのソースとなる書籍などを所蔵。

 同企画室は、UAの重松会長が1999年の株式公開前から抱いて来た構想を実現したもののようで、

 同社はこれらのアーカイブを活用して、「海外商品と同じクオリティのもの(オリジナル商品)を半分の価格で提供すること」によってセレクトショップの中で差別化を図りたいとしているようです。

 この企画室開設、とてもいい発想だと思います。

 業界の中では、店頭の売れ筋商品や購入サンプル、つまり出来上がった商品をもとに商品開発を始めるSPA(製造小売業)が多い昨今。

 単品中心のファッションパーツ販売に徹する企業や商品集荷型のセレクトショップならまだしも・・・

 生活者にファッショントレンドに基づくデザイン、スタイリングを提供するビジネスを目指すのなら、

 本来のファッション商品のモノづくりのプロセス、すなわち時代背景や流行循環を読みながら

 色→素材→デザイン→商品化

 のセオリー、王道を知らずして商品開発をしていたら、いつになっても後追いのままで、洋服文化の先輩であるヨーロッパ企業には敵わないのではないでしょうか。

 単品販売志向のアメリカ系や日本のSPAに対して、同じファッションチェーンストアでも、ヨーロッパ出身のZARAやH&Mが世界的に支持されている理由。

 それは、スピーディーに手ごろな価格のトレンドファッション、スタイリングを提案するにしても、上記のようなセオリー、裏付けをしっかり踏まえ、王道ビジネスをしているからに他なりません。

 商社さんやOEM、ODMメーカーさんが活躍して、手軽にモノが作ることのできる環境が整っている日本の業界ではありますが・・・

 これからアジアを中心に、グローバルな競争に参戦する時代に、

 あらためて体系的なモノづくりのプロセスを理解したり、取り組む場や機会を設けることは重要です。

 UAの重松会長さんは、次世代の人財育成も踏まえて、そのあたりにも問題意識を持っていらっしゃったのではないでしょうか?

 そんな観点から、更に話を展開すると、

 企画、デザイン、モノづくりに携わる方々は、ZARA、H&M初め、ヨーロッパ系のグローバルSPAもフル活用しているWGSNのようなファッションのモノづくりのための総合情報サービスは、是非使いこなしてもらいたいと思いますし、

 関連エントリー-WGSNをモニターして思ったこと

 また、関係者から聞いた話になりますが、あるヨーロッパ最大の古着サプライヤー(フランス)の年間取引高トップがH&Mである事実は、とても考えさせられるものがあります。

 ご存じのようにH&Mは店頭で古着を販売していません。彼らの目的を察するに、

 あらゆるソースから総合的に情報を取り、商品化することに長けた同社のことですから・・・

 おそらく、ヨーロッパ各国から、そのサプライヤーに集まる大量の古着の中から毎シーズン、将来的にデザイン・企画の参考になりそうな商品、プリント柄などを徹底的に買い付け、本社の資料室なのか倉庫なのか、販売目的ではなく、デザインソースとしての古着の資料館を設けているのではないでしょうか?

 国内外の多くのデザイナーの方がインスピレーションを得るために、シーズン前に古着屋さんめぐりもされている話はよく聞きます。実際、私も生産に携わっていた時は何度も同行したこともありましたし。

 上記の私の想像が当たっていれば、H&Mはそれを資金力を使って企業ぐるみで行い、なおかつ会社の財産として後輩たちに残しているっているということになるでしょう。

 商品開発のインスピレーションのよりどころが、業界の誰もがアクセスできるトレンド情報やファッション誌や他社の売れ筋商品だけでは、同質化を招くのは避けられません。これは勉強不足だとか、人財を責めるのではなく、育成を目的に、機会を設けない企業側の責任でもあるでしょう。

 グローバル企業との競争にあたって、そして次世代クリエイティブ系人財育成にあたって、

 モノづくりの流れを体系的に知り、より多くのインスピレーションのよりどころにアクセスできる環境を整え、そして(ここが大事です→)それを定例業務に組み込むことは、企業の人財育成の義務のひとつではないでしょうか?

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