しまむらのジーンズカジュアル&シューズ業態、Avail(アベイル)が「しまむら流」で成長中
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5月23日の日経MJの一面に、しまむら第2の業態、アベイルの成長要因分析に関する記事が掲載されていました。
お読みの方はお気づきかと思いますが、記者の方の取材に協力させて頂き、私のコメントやご提供資料の一部が取り上げられています。
全国1200店舗を超えたファッションセンターしまむらですら都心部に店舗が少なく、あまり見たことのない方もいらっしゃるかと思いますが…
郊外ロードサイドを主戦場に多店舗化中のAvail(アベイル)は、なおさら業界の方ですら聞いたこともない、見たこともない方も結構いらっしゃるのではないでしょうか?
2012年2月期
期末店舗数 260店舗
年商 507億円
標準売場面積300坪
品ぞろえは、ヤング向けレディースカジュアル服:同メンズ:靴&雑貨を4:3:3の割合
年々堅く5%前後の成長を続け、いつの間にかマックハウス(年商404億円)を抜き、ジーンズカジュアル業界では、ユニクロ、ライトオン(同806億円)に次ぐ3位の規模となっています。
第2の業態育成という点で比べると、最近話題になっているユニクロのジーユーより規模は大きく、時間をかけてうまく軌道にのせたと思います。このあたりは、さすがしまむらさんですね。
実は2000年代前半、私がアパレル専門チェーン勤務時代に、都下のあるAvail(アベイル)の店舗は郊外マーケットの定点観測地のひとつだったため、何度も足を運んだものでした。
日経記者さんのインタビューにあたり、数年ぶりに2店舗ほど訪問させて頂き、当時と変わらないこと、変わったことをひとつひとつチェックしながら同業態の成長要因を確認したものです。
アベイルの強みを簡単にまとめると
○幅広いテイスト
レディースであればラフォーレ原宿系から渋谷109まで、メンズであればヨーロピアンモード、アメカジ、スポーツからオラオラ系まで・・・
マスマーケットで考え得るカジュアルファッションテイストを全方位型でひと通り網羅(ほぼ漏れなし)
○テイスト別売場づくり
トップス、ボトムス別など服種別陳列が一般的なチェーンストアの中で、テイスト別にコーナーを括り、広い売り場の中で自分の好みのコーナーがすぐに見つけやすい。また、コーナー内で、まとめ買いしやすい売り場になっていること。
○買いやすい価格
ヤングカジュアルのトレンドファッションを1880円をプライスポイント(最多価格帯)に提供。
○毎週新しい商品が入荷
原則しまむらと同じ、各店に品番、カラー、サイズあたり一枚づつしか投入がなく、売り切り御免で毎週次々に新規商品を投入、店間移動を駆使してところてん式に売り切りを図るため、いつ行っても多品種の新しい商品に出会える。
○日本最大級の品ぞろえ
競合とは違い、リーバイス、エドウィンなどのNBブランドに頼らず、PB比率も20%と低く、競合他社が取引先、品番を絞り込んで効率を目指しているのに対し、
全テイストを網羅するため、たくさんの仕入先からバラエティー豊かな商品を仕入れていること。 記事によれば常時20000品番を品ぞろえ。 さながら、日本の量販向けカジュアルアパレルメーカーの商品見本市会場状態になっていますね(笑)。
などなど・・・
ヤング狙いですが、20代、30代のヤングマインドを持ったファミリー層のお客さんも沢山お買い物にいらっしゃっています。
優良企業しまむらの一事業のため、取引上、コスト交渉は厳しいかもしれませんが、完全買い取り、現金払い、間口の広い取引は取引先にとっても魅力。したがって、売れ筋はきっと優先的に回ってくるでしょう。
数年前と比べて、変わったなと思ったのは、
・ラックあたり商品ボリュームがしまむら並みに多くなったこと(→連動して売上が伸びている)
・しまむらの物流、店間移動、売切りシステムがそのまま利用できるようになったことにより在庫コントロールの精度が上がったであろう、と感じられること(以前より売り逃しが少なくなっているように思われます)
・以前は、他社と同質化した品ぞろえ+会員カード5%引きだった売り方を、別注オリジナル商品中心で、会員カードを廃止し、その代わり全体的に価格が5%くらい下げて販売していること
・ファッション雑誌とモデルのタイアップを有効活用して、ファッション消費心理をくすぐる販売促進に積極的になったこと
でしょうか?
しまむら同様、都心部に出店するには、家賃がネックになると思われますが、これだけバラエティ豊かな品ぞろえと、それを売切るしくみは、
最大の顧客満足のひとつであり、
ユニクロの背中を見て、品番を絞り込みPB化を促進して大味、あるいはつまらない売場になってゆく同業他社へのアンチテーゼでもあります。
この逆張りはチェーン化しようと思うと、しまむら流の在庫コントロール力があって成り立つ話で、誰でもできる芸当ではありませんが・・・
SPA化が進む業界の中で、成長モデルのひとつとして注目しております。
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